オウム・インコの繁殖所 七草インコ繁殖 大型インコ類やオウム類の繁殖は難しいと思うかも知れないが、セキセイインコなど小型インコの繁殖の延長線上にあると考えれば良い。 つまり、大型インコ・オウム類は小型インコ類よりサイズが大きく、噛む力が強いだけだと、軽く考えてスタートすればいいと思う。 もちろん、小型種に比べ、繁殖可能な親になるための時間がかかり、抱卵・育雛期間もはるかに永いことを理解しておく必要があるし、小型種ほど市場に出回っていないため、繁殖に向く個体を見つけるのが難しいこともネックとなる。 それでも、それらの問題点を解決できれれば、小型インコ類と同じく人や環境に慣れやすい性質など決して繁殖させられないものではない。 繁殖設備(環境と呼んでもいい)と優秀な種親をゲットするという意味では、小型種のそれとなんら変わりないのである。 尚、より理解し易いようにするため、他のページに写真を公開してるので、参照してもらいたい。 (修正)種親の選択 種親は雌雄とも飼育下で、実親に育てられた別血統の人馴れした個体か、若鳥の時に捕獲されてた人馴れした個体が理想。 その次が親を知らない完全人口保育個体となろう。 また、近親交配の弊害を避けるために雌雄別血の個体を交配したほうが無難でことも常識である。 加えて、日本の四季に順応した個体を入手した方がそうでないものよりコスト面を含めた全ての面でラクであることは云うまでもないだろう。 あらゆる面で、理想こそ重要な指針であることを理解して、種親を確保することからスタートする。 何でもそうだが、妥協が多くなればなるほど目的が遠退くことになる。 種の選択指針 国内で最も繁殖実績の多い大型種は、なんといってもオオハナインコであろう。 日本の寒さに慣れていない鳥は冬期に戸外で飼育することか難しいので、それなりの設備コストが必要になる。 ボウシインコ類は雌雄の判断が難しいだけではなく、日本の四季に慣れるまでは、前種同様、冬期の保温対策が必要になる。 コンゴーインコ類も魅力的な種だが、90cmにも及ぶ巨大なサイズであること、強力な噛む力に加え、通常飼育できるペットとしては最も大きな鳴き声を考えるとチョット気が引けてしまう。 そういった意味ではどの種も通常の住宅地では繁殖どころか飼育することさえ難しくなるが、それにしてもコンゴーインコ類は別格、ケージ・巣箱などあらゆるもので、尋常ではない設備を要する。 白色系のオウム類は一部の種を除いては、成長した個体の場合は目の色で雌雄判定でき、日本の四季にも順応しやすい種が多いメリットもあるが、鳴き声については前属の次に厳しい。 繁殖ケージ オウム科の鳥は雌雄1羽の夫婦が繁殖単位であり、ケージもその単位を基本にして作成すれば良い。 もちろん、大きければ大きいほど良いという考え方もあるし、それを間違いだとは云わないが、もし、そのスペースがあるならば、むしろ、安全な環境作りを優先すべきだと思う。 例えば、繁殖ケージの廻りを高いフェンス等で囲み、それをよしずなどで目隠して、人や犬猫などの外敵の進入を防ぐばかりではなく、その姿も見えないようにするのである。 最も重要なことは安心して繁殖できる環境を保障することであり、それがなくでは先に進まない。 その上で、親個体の全長の4倍を基本にケージの最低サイズを決定する。 例えば、全長40cmの種ならば、翼長は80センチとなり、その2倍=160cmが一辺の基準となる。 この基準を巣箱の設置などで削られるスペースを考慮して変化させれば良いと思うが、最低でも一辺の長さが翼長の1.5倍ないと飛べなくなってしまうので、その点に注意する。 以下、各スペックの詳細を記述する。 木材ではアッという間に壊されてしまうので、鉄製にするしかない。 種にもよるが針金の太さは2ミリ以上のものにしよう。 この際、編んだものを使用すると端末処理の問題や爪が挟まったりする事故に繋がるので、必ず縦横の網目が溶接されているものを使用する。 尚、桝目については逃げられなければ良いという考え方もあるが、ネズミやスズメなどの進入を防ぐためにも20ミリ以内にした方が無難である。 また、水はけも考慮して地上より高い位置が床になるようにする必要もある。 後者の場合は、木製でも良いが、厚さ20ミリ程度のしっかりしたものに防水ペンキ処理や樹脂コーティングされたもを使用し、角面にはアルミなど金属を貼り付け齧り防止処理を施す必要がある。 よって、半露天式が理想であるが、私自身は全面を屋根で覆うことに問題はないと思っている。 むしろ、梅雨時など床が濡れて不潔になることの方が問題だと考える。 繁殖ケージの設置場所 ケージの設置場所は南または東向きが良く、西日や北風の進入を防止できる場所が良い。 そのために、ケージ本体に板張りしても良いだろうが、間口となる金網面は南または東向きが良い。 また、飼育者以外の人はもちろん犬や猫などの外敵がウロウロするするような場所では繁殖しないと思っていいので、その対策は最も重要である。 (追加)巣箱の選択と設置 種によっては地上に巣を作るものもあるが、多くの種は巨木の洞を巣にして繁殖するので、その代用となる巣箱が必要になる。 現在ではアメリカ製のスチール巣箱が市販されているようだが、その巣箱では産卵しても孵化しないという意見が多い。 その原因は日本の冬の寒さや鉄が材質として適さない特性をもっているからだと思う。 それでも、アメリカでその製品が普及しているのは、アメリカの気候に加え、ハンドフェードとかいう巣箱は産卵させるだけでよく、後は孵卵機で孵化させるいう考え方があるからだろう。 確かに、スチール製の巣箱は彼らの強い嘴でも壊されることはないが、保温性や湿度調整能力に欠ける。 それらの欠点を解決するのは、やはり、木材しかない。 保温性や湿度調整のの高い木製の巣箱は自作する必要がある。 巣箱のサイズについては大型種は2羽の雛を育てると聞くので、親個体の全長と同じか少し大きめがいいだろう。 また、形式は横置式と縦置式があり、私は後者を使用している。 ちなみに、我が師匠の話しでは、巣箱が小さすぎると2羽の雛を育てられないと親が判断して、ひとつしか卵を産まないことがあるという。 しかし、大きすぎると安心しないこともあるので注意したい。 ほぼ全ての角面を厚めのアルミアングルで補強して齧り防止加工。 出入口は直径12cm、市販セキセイインコ巣箱と同じ形式の縦置き型。 巣箱の中には木屑(チップ)を底面一杯に30ミリ程度敷いてある。 この方法はケージスペースが広くなることに加え、巣箱内が確認し易くなることなどの利点があるので、実践したい有効な手段であろう。 なお、その場合の巣箱を取り付ける部分は、鳥が慣れている餌・水など通常の世話をする面に設置したほうがいいだろう。 餌及び給餌方法 以下は私の給餌内容であるが、繁殖の親と育雛には多くの草食系鳥類のように動物性タンパク質(昆虫等)が必要であろうと推測している。 主食:ひまわりの種60%、鳩の餌(通常市販品)15%、鶏の餌(成鶏用)15%、麻の実10%{全て大凡の比率:体積レベル}。 野菜等:小松菜、キャベツなどの野菜(ほぼ毎日、抱卵中は中止、)、リンゴ、バナナを適宜(繁殖前は週1〜2回、抱卵中は中止、繁殖後は毎日)与える。 その他:塩土、カルボーン(イカの甲羅)は常時与え、冬季から育仔完了までドッグフード(ドライ)も与え続ける。
次の春先球根の超名脇役、群植の存在感は見事 ムスカリ 科名:ユリ キジカクシ 科 学名:Muscari 原産地:地中海沿岸-南西アジア 草丈:10cm-30cm 主な開花期:3月-5月 栽培難易度: (やさしい) ムスカリとは 地中海沿岸-南西アジアにおよそ40種が分布する球根植物です。 水栽培でおなじみのとは非常近縁の植物です。 ムスカリの名前はギリシャ語の「麝香 じゃこう 」に由来し、ある種の花が強い芳香を放つところからきています。 英名のグレープヒヤシンスは花姿がブドウの房のように見えるところにちなみます。 秋に球根を植えると春に花を咲かせ、花後に葉が枯れて球根の状態で夏を越します。 壺形や長だ円形の花を1本の花茎にたくさん咲かせます。 色は青紫、白、黄、黄緑などがあり、斜め下-下向きに付きます。 ミックスした一例色々な種類がありますが、「ムスカリ」の代名詞となっているのはムスカリ・アルメニアクムという種で、濃い青紫色の花を穂状に咲かせます。 草丈も低く全体的にややおとなしめの植物ですが、群植すると非常に見事です。 また、たくさん植えても他の植物を圧倒せず引き立てるので、寄せ植えに適しており、チューリップとの組み合わせは定番です。 そのほかにも色々な品種の球根が出回っているので、ミックスして植えてみても楽しいでしょう。 種によって異なりますが、花茎の下の方の花はタネができ 稔性-ねんせい- 、先端ちかくの花はタネができない(不稔性-ふねんせい-)ことが多いです。 また、稔性と不稔性のものでは同一種なのに花色が異なることがあります。 種類 ゴールデン・フレグランス 〔〕内は学名、M. はMuscariの略。 アルメニアクム〔M. armeniacum〕 ユーゴスラビアからトルコ、カフカース コーカサス の主に標高2000m付近に自生します。 最も栽培されている種のひとつです。 花色は濃い青紫 不稔性花は淡い紫 、園芸品種に八重咲きの「ブルースパイク」、芳香性の「カンタブ」などがあります。 「アルメニアクム」は「アルメニアの」の意です。 ボトリオイデス〔M. botryoides〕 ヨーロッパ中南部からカフカースに欠けて分布、ムスカリの中ではやや小型です。 花色は青~紫がかった青、表面は白粉を吹いたようになります。 和名はルリムスカリ。 園芸品種に白花の「アルブム」があります。 英名のグレープ・ヒヤシンスは本種に由来します。 コモースム〔M. comosum〕 ヨーロッパ西部からアフリカ北部に分布します。 つぼみの色は紫紅青色ですが、開くとオリーブ色になります 不稔性花は紫色。 変種に花が藤色で羽のように変化した「プルーモースム」 和名:ハネムスカリ があります。 モスカツム〔M. moschatum〕 花は長めの壺形で全体が白、先端の口の部分が褐色になります。 強い芳香を放ち、ムスカリ ギリシア語の麝香にちなむ の名前は本種に由来します。 マクロカルプム〔M. macrocarpum〕 ギリシア、トルコに分布します。 つぼみは紫色で開くと黄色で先端の部分が紫がかった褐色になります。 ラティフォリウム〔M. latifolium〕 やや幅の広い葉っぱを1枚だけ出します。 黒みがかった紫色で、花穂はやや長くなります。 先端につく花は淡い紫色で、不稔性です。 ラティフォリウム マウントフッド レディブルー 白花種 関連するページ ヤサシイエンゲイ 京都けえ園芸企画舎 すくーでりあY・A・E 2010 お問い合わせ.
次の詳しくは「」をご覧ください。 それでは、具体的にはどんなものがあるのしょうか。 分類体系や個々の解釈によってグループ分けの基準は様々です。 ここでは比較的よく流通・栽培されているメジャーなものをざっくりと8のグループに分けます。 今回は基本的に生態や形態の近い近縁種同士でまとめました。 内はラベルなどに書かれる際の「属名の略号」です。 「 類」と付けているものは、「近縁属も含む」という意味です。 これに含まれないものは「その他」とします。 グループ 含まれる属 ・カトレア類 カトレア C. エピデンドルム Epi. ソフロニティス Soph. 等 ・シンビジウム シンビジウム Cym. 等 ・オンシジウム類 オンシジウム Onc. オドントグロッサム Odn. コクリオダ Cda. ・パフィオペディラム パフィオペディラム Paph. 等 ・バンダ類 バンダ V. エリデス Aer. レナンセラ Ren. リンコスティリス Rhy. トリコグロッチス Trgt. 等 カトレア類 ミユキ ランの女王 洋ランはここから一気に始まった ランの女王と形容されることもあり、花の華麗さとその存在感は群を抜きます。 主に中南米原産で樹木や岩肌に根を張り付かせて生育する着生ランです。 自生地では低地から標高4000mまで分布します。 大きさや開花期は種によってまちまち、花の寿命はおよそ2~3週間です。 色は様々ですが単色のものが比較的多く、花の中心にある花びら 唇弁 が立派で目を惹きます。 19世紀前半、ブラジルの採集植物をイギリスに送る際、輸送中の緩衝材に使われていた植物をある園芸家が捨てずに育てたら見たこともない花が咲いた、というのがカトレア栽培の起源です。 カトレアの名前はその園芸家カトレイさんに由来します。 近縁属にブラッサボラ、エピデンドルム、レリア、ソフロニティスなどがありそれらを含めてカトレア類と言われます。 近縁属同士での人工交配が盛んに行われており、自然にない属 人工属 も多数あります。 カトレア類の主な人工属 は略号 ソフロカトレア Sc. 日本、中国原産のものは古くから『東洋ラン』として栽培され、 春蘭 は山野草としても親しまれています。 縮めて「シンビ」と呼ぶことも多いです。 洋ランでシンビジウムとして扱われているのは主に熱帯アジア原産の大型で花の美しい野生種から改良されたものです。 鉢花や切り花などの需要が高く、日本で生産されている洋ランの中ではファレノプシス コチョウラン に次いで生産量が多いです。 寒さにも強く、日本の気候でも無理なく育てられる種が多いです。 花茎は直立するものと下垂するものがあります。 花は一茎に1~多数咲かせ、色は白、紅色、緑などがあります。 葉は細長く、茎の基部が肥大します。 語源はギリシア語のkymbes 舟形 で唇弁のかたちに由来します。 デンドロビウム 大所帯、仲間なのに違いすぎるその姿 チルシフロルム キンギアナム アンテナツム ケーンタイプ 熱帯アジアを中心に、東は日本、南はオーストラリアやニュージーランドまで分布します。 日本には3種が分布し、セッコクは古くから栽培されています。 よく、「デンドロ」と略して呼ばれます。 原種 人の手が加わっていない野生種 が1000種を超す大所帯です。 花の姿はどの種も比較的似ていますが、花の咲き方や茎葉の形状は変化に富み、草丈2cmほどのものから3m近くになるものまであり「これが同じ属?」と言いたくなるようなものも多いです。 しかし、それが魅力でもあります。 園芸ではノビル系、デンファレ系、フォルモサム フォーミディブル 系、キンギアナム系、ケーンタイプ系などの品種群に分けられます。 デンファレは「デンドロビウム・ファレノプシス系」の略ですが、このやたら長い正式名称はあまり使いません。 ノビル系やキンギアナム系の一部、セッコクとの交配種は低温にも強くて栽培しやすく、ラン栽培の初歩としてはうってつけです。 デンファレは切り花や料理の飾りなどによく利用されています。 語源はギリシア語のdendron 樹 とbios 生活 の2語からなり。 樹木上などに根を張って生活するところに由来します。 | | ヤサシイエンゲイ 京都けえ園芸企画舎.
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