千 と 千尋 の 神隠し 泥 団子。 「承認欲求」の行き着く先を「千と千尋の神隠し」から考える

【千と千尋の神隠し】青蛙の正体や性格は?名セリフや名シーンを紹介

千 と 千尋 の 神隠し 泥 団子

千と千尋の神隠しの全セリフ 千と千尋の神隠しの全セリフを紹介するサイトです。 千と千尋の神隠しのアニメ中のセリフが全て一覧となっています。 千尋、ハク、湯婆婆などの魅力的な登場人物が織りなす不思議な『千と千尋の神隠し』の世界を、セリフの書き起こしを読んで思い出したり、あるいは二次創作やパロディを考える際の参考などにご活用ください。 父: 千尋。 千尋、もうすぐだよ。 母: やっぱり田舎ねー。 買い物は隣町に行くしかなさそうね。 父: 住んで都にするしかないさ。 ほら、あれが小学校だよ。 千尋、新しい学校だよ。 母: 結構きれいな学校じゃない。 "しぶしぶ起きあがってあかんべをする千尋。 " 千尋 前の方がいいもん。 …あっ、あああ!!おかあさん、お花しおれてっちゃった! 母: あなた、ずーっと握りしめてるんだもの。 おうちについたら水切りすれば大丈夫よ。 千尋 初めてもらった花束が、お別れの花束なんて悲しい…… 母: あら。 この前のお誕生日にバラの花をもらったじゃない? 千尋 一本ね、一本じゃ花束って言えないわ。 母: カードが落ちたわ。 窓開けるわよ。 もうしゃんとしてちょうだい!今日は忙しいんだから。 父: あれ?道を間違えたかな?おかしいな…… 母: あそこじゃない?ほら。 父: ん? 母: あの隅の青い家でしょ? 父: あれだ。 一本下の道を来ちゃったんだな。 ……このまま行っていけるのかな。 母: やめてよ、そうやっていつも迷っちゃうんだから。 父: ちょっとだけ、ねっ。 千尋 あのうちみたいの何? 母: 石のほこら。 千尋 あっ、うわっ……わっ、わっ!! ぅああああああっ! 母: あなた、いいかげんにして! 父: 行き止まりだ! 母: なあに?この建物。 父: 門みたいだね。 母: あなた、もどりましょう、あなた。 千尋?…もぅ。 父: 何だ、モルタル製か。 結構新しい建物だよ。 千尋 ……風を吸込んでる…… 母: なぁに? 父: ちょっと行ってみない?むこうへ抜けられるんだ。 千尋 ここいやだ。 戻ろうおとうさん! 父: なーんだ。 恐がりだな千尋は。 ねっ、ちょっとだけ。 母: 引越センターのトラックが来ちゃうわよ。 父: 平気だよ、カギは渡してあるし、全部やってくれるんだろ? 母: そりゃそうだけど…… 千尋 いやだ、わたし行かないよ! 戻ろうよ、おとうさん! 父: おいで、平気だよ。 千尋 わたし行かない!! うぅ……あぁっ! 母: 千尋は車の中で待ってなさい。 千尋 ぅぅ……おかあさーん! まってぇーっ! 父: 足下気をつけな。 母: 千尋、そんなにくっつかないで。 歩きにくいわ。 千尋 ここどこ? 母: あっ。 ほら聞こえる。 千尋 ……電車の音! 母: 案外 駅が近いのかもしれないね。 父: いこう、すぐわかるさ。 千尋 こんなとこに家がある…… 父: やっぱり間違いないな。 テーマパークの残骸だよ、これ。 90年頃にあっちこっちでたくさん計画されてさ。 バブルがはじけてみんな潰れちゃったんだ。 これもその1つだよ、きっと。 千尋 えぇーっ、まだいくの!?おとうさん、もう帰ろうよぅ! ねぇーーーっ!! 千尋 おかあさん、あの建物うなってるよ。 母: 風鳴りでしょ。 気持ちいいとこねー、車の中のサンドイッチ持ってくれば良かった。 父: 川を作ろうとしたんだねー。 ん?なんか匂わない? 母: え? 父: ほら、うまそうな匂いがする。 母: あら、ほんとね。 父: 案外まだやってるのかもしれないよ、ここ。 母: 千尋、はやくしなさい。 千尋 まーってー! 父: ふん、ふん……こっちだ。 母: あきれた。 これ全部 食べ物屋よ。 千尋 誰もいないねー。 父: ん?あそこだ! おーい、おーい。 はぁー。 うん、わぁ。 こっちこっち。 母: わぁー、すごいわねー。 父: すみませーん、どなたかいませんかー? 母: 千尋もおいで、おいしそうよ。 父: すいませーん!! 母: いいわよ、そのうち来たらお金払えばいいんだから。 父: そうだな。 そっちにいいやつが…… 母: これなんていう鳥かしら。 ……おいしい!千尋、すっごくおいしいよ! 千尋: いらない!ねぇ帰ろ、お店の人に怒られるよ。 父: 大丈夫、お父さんがついてるんだから。 カードも財布も持ってるし。 母: 千尋も食べな。 骨まで柔らかいよ。 父: 辛子。 母: ありがと。 千尋: おかぁさん、おとぅさん!! "諦めて歩き出す千尋。 油屋の建物を見つける。 " 千尋: へんなの。 千尋: 電車だ!……? ハク: ……!! ここへ来てははいけない!!すぐ戻れ! 千尋: えっ? ハク: じきに夜になる!その前に早く戻れ! …もう明かりが入った、急いで!私が時間を稼ぐ、川の向こうへ走れ!! 千尋: なによあいつ…… "明かりが入ると同時に、たくさんの影が動き出す。 " 千尋: ………!!おとうさーん! おとうさん帰ろ、帰ろう、おとうさーん!! "座っていた豚が振り向く。 " 千尋: ひぃぃ……っ "豚がたたかれて倒れる。 " 豚 ブギィィィ!! 千尋: ぅわぁあーっ! おとおさーん、おかあさーん!! おかあさーん、ひっ! ぎゃああーーっ!! 千尋: ひゃっ!…水だ! うそ……夢だ、夢だ!さめろさめろ、さめろ! さめてぇ……っ…… これはゆめだ、ゆめだ。 みんな消えろ、消えろ。 きえろ。 あっ……ぁあっ、透けてる!ぁ……夢だ、絶対夢だ! "船が接岸し、春日さまが出てくる。 " 千尋: ひっ……ひっ、ぎゃあああーーっ!! "千尋を捜すハク。 暗闇にいる千尋を見つけて肩を抱く。 " 千尋: っっっ!!! ハク: 怖がるな。 私はそなたの味方だ。 千尋: いやっ、やっ!やっっ!! ハク: 口を開けて、これを早く。 この世界のものを食べないとそなたは消えてしまう。 千尋: いやっ!!……っ!? ハク: 大丈夫、食べても豚にはならない。 噛んで飲みなさい。 千尋: ……ん……んぅ……んー……っ ハク: もう大丈夫。 触ってごらん。 千尋: さわれる…… ハク: ね?さ、おいで。 千尋: おとうさんとおかあさんは?どこ?豚なんかになってないよね!? ハク: 今は無理だけど必ず会えるよ。 ……! 静かに!! "ハクが千尋を壁に押しつけると、上空を湯バードが飛んでいく。 " ハク: そなたを捜しているのだ。 時間がない、走ろう! 千尋: ぁっ……立てない、どうしよう!力が入んない…… ハク: 落ち着いて、深く息を吸ってごらん……そなたの内なる風と水の名において……解き放て…… 立って! 千尋: あっ、うわっ! "走り出す二人。 " ハク: ……橋を渡る間、息をしてはいけないよ。 ちょっとでも吸ったり吐いたりすると、術が解けて店の者に気づかれてしまう。 千尋: こわい…… ハク: 心を鎮めて。 従業員: いらっしゃいませ、お早いお着きで。 いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。 ハク: 所用からの戻りだ。 従業員: へい、お戻りくださいませ。 ハク: 深く吸って…止めて。 "カオナシが千尋を見送る。 " 湯女: いらっしゃい、お待ちしてましたよ。 ハク: しっかり、もう少し。 青蛙: ハク様ぁー。 何処へ行っておったー? 千尋: ……!ぶはぁっ 青蛙: ひっ、人か? ハク: ……!走れ! 青蛙: ……ん?え、え? "青蛙に術をかけて逃げるハク。 " 従業員: ハク様、ハク様!ええい匂わぬか、人が入り込んだぞ!臭いぞ、臭いぞ! ハク: 勘づかれたな…… 千尋: ごめん、私 息しちゃった…… ハク: いや、千尋はよく頑張った。 これからどうするか離すからよくお聞き。 ここにいては必ず見つかる。 私が行って誤魔化すから、そのすきに千尋はここを抜け出して…… 千尋: いや!行かないで、ここにいて、お願い! ハク: この世界で生き延びるためにはそうするしかないんだ。 ご両親を助けるためにも。 千尋: やっぱり豚になったの夢じゃないんだ…… ハク: じっとして…… 騒ぎが収まったら、裏のくぐり戸から出られる。 外の階段を一番下まで下りるんだ。 そこにボイラー室の入口がある。 火を焚くところだ。 中に釜爺という人がいるから、釜爺に会うんだ。 千尋: 釜爺? ハク: その人にここで働きたいと頼むんだ。 断られても、粘るんだよ。 ここでは仕事を持たない者は、湯婆婆に動物にされてしまう。 千尋: 湯婆婆…って? ハク: 会えばすぐに分かる。 ここを支配している魔女だ。 嫌だとか、帰りたいとか言わせるように仕向けてくるけど、働きたいとだけ言うんだ。 辛くても、耐えて機会を待つんだよ。 そうすれば、湯婆婆には手は出せない。 千尋: うん…… 従業員: ハク様ぁー、ハク様ー、どちらにおいでですかー? ハク: いかなきゃ。 忘れないで、私は千尋の味方だからね。 千尋: どうして私の名を知ってるの? ハク: そなたの小さいときから知っている。 ハク: ハクはここにいるぞ。 従業員: ハク様、湯婆婆さまが…… ハク: 分かっている。 そのことで外へ出ていた。 "階段へ向う千尋。 恐る恐る踏み出し、一段滑り落ちる。 " 千尋: ぃやっ! はっ、はぁっ…… "もう一段踏み出すと階段が壊れ、はずみで走り出す。 " 千尋: わ…っいやああああーーーーっ!やあぁああああああー!! "なんとか下まで降り、そろそろとボイラー室へむかう。 " "ボイラー室で釜爺をみて後ずさりし、熱い釜に触ってしまう。 " 千尋: あつっ…! "カンカンカンカン(ハンマーの音)" 千尋: あの……。 すみません。 あ、あのー……あの、釜爺さんですか? 釜爺: ん?……ん、んんーー?? 千尋: ……あの、ハクという人に言われてきました。 ここで働かせてください! "リンリン(呼び鈴の音)" 釜爺: ええい、こんなに一度に…… チビども、仕事だー! "カンカンカンカンカンカン" 釜爺: わしゃあ、釜爺だ。 風呂釜にこき使われとるじじいだ。 チビども、はやくせんか! 千尋: あの、ここで働かせてください! 釜爺: ええい、手は足りとる。 そこら中ススだらけだからな。 いくらでも代わりはおるわい。 千尋: あっ、ごめんなさい。 あっ、ちょっと待って。 釜爺: じゃまじゃま! 千尋: ……あっ。 "重さで潰れたススワタリの石炭を持ち上げる千尋。 ススワタリは逃げ帰ってゆく。 " 千尋: あっ、どうするのこれ? ここにおいといていいの? 釜爺: 手ぇ出すならしまいまでやれ! 千尋: えっ?…… "石炭を釜に運ぶと、ススワタリみんなが潰れた真似をしだす。 " "カンカンカンカン" 釜爺: こらあー、チビどもー!ただのススにもどりてぇのか!? あんたも気まぐれに手ぇ出して、人の仕事を取っちゃならね。 働かなきゃな、こいつらの魔法は消えちまうんだ。 ここにあんたの仕事はねぇ、他を当たってくれ。 ……なんだおまえたち、文句があるのか?仕事しろ仕事!! リン: メシだよー。 なぁんだまたケンカしてんのー? よしなさいよもうー。 うつわは?ちゃんと出しといてって言ってるのに。 釜爺: おお……メシだー、休憩ー! リン: うわ!? 人間がいちゃ!…やばいよ、さっき上で大騒ぎしてたんだよ!? 釜爺: わしの……孫だ。 リン: まごォ?! 釜爺: 働きたいと言うんだが、ここは手が足りとる。 おめぇ、湯婆婆ンとこへ連れてってくれねえか?後は自分でやるだろ。 リン: やなこった!あたいが殺されちまうよ! 釜爺: これでどうだ?イモリの黒焼き。 上物だぞ。 どのみち働くには湯婆婆と契約せにゃならん。 自分で行って、運を試しな。 リン: ……チェッ!そこの子、ついて来な! 千尋: あっ。 リン: …あんたネェ、はいとかお世話になりますとか言えないの!? 千尋: あっ、はいっ。 リン: どんくさいね。 はやくおいで。 靴なんか持ってどうすんのさ、靴下も! 千尋: はいっ。 リン: あんた。 釜爺にお礼言ったの?世話になったんだろ? 千尋: あっ、うっ!……ありがとうございました。 釜爺: グッドラック! リン: 湯婆婆は建物のてっぺんのその奥にいるんだ。 早くしろよォ。 千尋: あっ。 リン: 鼻がなくなるよ。 千尋: っ… リン: もう一回乗り継ぐからね。 千尋: はい。 リン: いくよ。 ……い、いらっしゃいませ。 お客さま、このエレベーターは上へは参りません。 他をお探し下さい。 千尋: ついてくるよ。 リン: きょろきょろすんじゃないよ。 蛙男 到着でございます。 右手のお座敷でございます。 ?……リン。 リン: はーい。 (ドン!) 千尋: ぅわっ! 蛙男 なんか匂わぬか?人間だ、おまえ人間くさいぞ。 リン: そーですかぁー?? 蛙男 匂う匂う、うまそうな匂いだ。 おまえなんか隠しておるな?正直に申せ! リン: この匂いでしょ。 蛙男 黒焼き!……くれぇーっ! リン: やなこった。 お姉さま方に頼まれてんだよ。 蛙男 頼む、ちょっとだけ、せめて足一本! リン: 上へ行くお客さまー。 レバーをお引き下さーい。 "『二天』につくが、『天』まで千尋を連れて行くおしらさま。 " "奥のドアを開けようとする千尋。 " 湯婆婆: ……ノックもしないのかい!? 千尋: やっ!? 湯婆婆: ま、みっともない娘が来たもんだね。 さぁ、おいで。 ……おいでーな〜。 千尋: わっ!わ……っ!! いったぁ〜…… "頭が寄ってくる。 " 千尋: ひっ、うわぁ、わあっ……わっ! 湯婆婆: うるさいね、静かにしておくれ。 千尋: あのー……ここで働かせてください! "魔法で口チャックされる千尋。 " 湯婆婆: 馬鹿なおしゃべりはやめとくれ。 そんなひょろひょろに何が出来るのさ。 ここはね、人間の来るところじゃないんだ。 八百万の神様達が疲れをいやしに来るお湯屋なんだよ。 それなのにおまえの親はなんだい?お客さまの食べ物を豚のように食い散らして。 当然の報いさ。 おまえも元の世界には戻れないよ。 ……子豚にしてやろう。 ぇえ?石炭、という手もあるね。 へへへへへっ、震えているね。 ……でもまあ、良くここまでやってきたよ。 誰かが親切に世話を焼いたんだね。 誉めてやらなきゃ。 誰だい、それは?教えておくれな…… 千尋: ……あっ。 ここで働かせてください! 湯婆婆: まァだそれを言うのかい! 千尋: ここで働きたいんです! 湯婆婆: だァーーーまァーーーれェーーー!!! 湯婆婆: なんであたしがおまえを雇わなきゃならないんだい!?見るからにグズで!甘ったれで!泣き虫で!頭の悪い小娘に、仕事なんかあるもんかね! お断りだね。 これ以上穀潰しを増やしてどうしようっていうんだい! それとも……一番つらーーいきつーーい仕事を死ぬまでやらせてやろうかぁ……? 湯婆婆: ……ハッ!? 坊: あーーーーん、あーーん、ああああーーー 湯婆婆: やめなさいどうしたの坊や、今すぐ行くからいい子でいなさいね……まだいたのかい、さっさと出て行きな! 千尋: ここで働きたいんです! 湯婆婆: 大きな声を出すんじゃない……うっ!あー、ちょっと待ちなさい、ね、ねぇ〜。 いい子だから、ほぉらほら〜。 千尋: 働かせてください!! 湯婆婆: わかったから静かにしておくれ! おおぉお〜よ〜しよし〜…… "紙とペンが千尋の方へ飛んでくる。 " 湯婆婆: 契約書だよ。 そこに名前を書きな。 働かせてやる。 その代わり嫌だとか、帰りたいとか言ったらすぐ子豚にしてやるからね。 千尋: あの、名前ってここですか? 湯婆婆: そうだよもぅぐずぐずしないでさっさと書きな! まったく……つまらない誓いをたてちまったもんだよ。 働きたい者には仕事をやるだなんて…… 書いたかい? 千尋: はい……あっ。 湯婆婆: フン。 千尋というのかい? 千尋: はい。 湯婆婆: 贅沢な名だねぇ。 今からおまえの名前は千だ。 いいかい、千だよ。 分かったら返事をするんだ、千!! 千: は、はいっ! ハク: お呼びですか。 湯婆婆: 今日からその子が働くよ。 世話をしな。 ハク: はい。 ……名はなんという? 千: え?ち、…ぁ、千です。 ハク: では千、来なさい。 千: ハク。 あの…… ハク: 無駄口をきくな。 私のことは、ハク様と呼べ。 千: ……っ 父役: いくら湯婆婆さまのおっしゃりでも、それは…… 兄役 人間は困ります。 ハク: 既に契約されたのだ。 父役: なんと…… 千: よろしくお願いします。 湯女: あたしらのとこには寄こさないどくれ。 湯女: 人臭くてかなわんわい。 ハク: ここの物を三日も食べれば匂いは消えよう。 それで使い物にならなければ、焼こうが煮ようが好きにするがいい。 仕事に戻れ!リンは何処だ。 リン: えぇーっ、あたいに押しつけんのかよぅ。 ハク: 手下をほしがっていたな。 父役: そうそう、リンが適役だぞ。 リン: えーっ。 ハク: 千、行け。 千: はいっ。 リン: やってらんねぇよ!埋め合わせはしてもらうからね! 兄役 はよいけ。 リン: フン!……来いよ。 リン: ……おまえ、うまくやったなぁ! 千: えっ? リン: おまえトロイからさ、心配してたんだ。 油断するなよ、わかんないことはおれに聞け。 な? 千: うん。 リン: ……ん?どうした? 千: 足がふらふらするの。 リン: ここがおれたちの部屋だよ。 食って寝りゃ元気になるさ。 前掛け。 自分で洗うんだよ。 チビだからなぁ……。 でかいな。 千: リンさん、あの…… リン: なに? 千: ここにハクっていうひと二人いるの? リン: 二人ぃ?あんなの二人もいたらたまんないよ。 ……だめか。 あいつは湯婆婆の手先だから気をつけな。 千: ……んっ……ん…… リン: ……おかしいな…あああ、あったあった。 ん? おい、どうしたんだよ?しっかりしろよぅ。 女 うるさいなー。 なんだよリン? リン: 気持ち悪いんだって。 新入りだよ。 "湯婆婆が鳥になって飛んでいく。 見送るハク。 " "寝ている千のもとへ、ハクが忍んでくる。 " ハク: 橋の所へおいで。 お父: さんとお母: さんに会わせてあげる。 "部屋を抜け出す千。 " 千: 靴がない。 ……あ。 ありがとう。 "ススワタリに手を振る千。 " "橋の上でカオナシに会う。 " ハク: おいで。 "花の間を通り畜舎へ。 " 千: ……おとうさんおかあさん、私よ!……せ、千よ!おかあさん、おとうさん! 病気かな、ケガしてる? ハク: いや。 おなかが一杯で寝ているんだよ。 人間だったことは今は忘れている。 千: うっ……くっ……おとうさんおかあさん、きっと助けてあげるから、あんまり太っちゃだめだよ、食べられちゃうからね!! "垣根の下でうずくまる千。 ハクが服を渡す。 " ハク: これは隠しておきな。 千: あっ!……捨てられたかと思ってた。 ハク: 帰るときにいるだろう? 千: これ、お別れにもらったカード。 ちひろ?……千尋って……私の名だわ! ハク: 湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。 いつもは千でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ。 千: 私、もう取られかけてた。 千になりかけてたもん。 ハク: 名を奪われると、帰り道が分からなくなるんだよ。 私はどうしても思い出せないんだ。 千: ハクの本当の名前? ハク: でも不思議だね。 千尋のことは覚えていた。 お食べ、ご飯を食べてなかったろ? 千: 食べたくない…… ハク: 千尋の元気が出るように呪い(まじない)をかけて作ったんだ。 お食べ。 千: ……ん……ん、んっ………うわぁああーー、わぁああーーー、あぁああーーん…… ハク: つらかったろう。 さ、お食べ。 千: ひっく……うぁあーーん…… ハク: 一人で戻れるね? 千: うん。 ハクありがとう、私がんばるね。 ハク: うん。 "帰り際、空に昇る白い竜を見つける。 " 千: わぁっ。 "釜爺が水を飲みに起き、寝ている千を見つける。 座布団を掛けてやる" "湯婆婆が戻ってくる。 " リン: どこ行ってたんだよ。 心配してたんだぞ。 千: ごめんなさい。 "名札を掛けるのに手間取る千。 " 湯女: じゃまだねぇ。 リン: 千、もっと力はいんないの? 兄役 リンと千、今日から大湯番だ。 リン: えぇーっ、あれは蛙の仕事だろ! 兄役 上役の命令だ。 骨身を惜しむなよ。 "水を捨てに来る千。 外に立っているカオナシを見つける。 " 千: あの、そこ濡れませんか? リン: 千、早くしろよ! 千: はーーい。 ……ここ、開けときますね。 湯女: リン、大湯だって? リン: ほっとけ! リン: ひでぇ、ずーっと洗ってないぞ。 "転ぶ千。 " 千: うわっ!……あーっ。 リン: ここの風呂はさ、汚しのお客専門なんだよ。 うー、こびりついてて取れやしねえ。 兄役 リン、千。 一番客が来ちまうぞ。 リン: はーーい今すぐ!チッ、下いびりしやがって。 一回 薬湯入れなきゃダメだ。 千、番台行って札もらってきな。 千: 札?……うわっ! リン: 薬湯の札だよ! 千: はぁーい。 ……リンさん、番台ってなに? 湯婆婆: ん?…なんだろうね。 なんか来たね。 雨に紛れてろくでもないものが紛れ込んだかな? "街を進んでくるオクサレさま。 " 番台蛙: そんなもったいないことが出来るか!……おはようございます!良くお休みになられましたか! 湯女: 春日様。 番台蛙: はい、硫黄の上!……いつまでいたって同じだ、戻れ戻れ!手でこすればいいんだ! おはようございます!……手を使え手を! 千: でも、あの、薬湯じゃないとダメだそうです。 番台蛙: わからんやつだな……あっ、ヨモギ湯ですね。 どーぞごゆっくり…… 千: あっ…… "背後にカオナシを見つけて会釈する千。 " 番台蛙: んん? "リリリリリ" 番台蛙: はい番台です!…あっ、……うわっ!? 千: あっ!ありがとうございます!! 番台蛙: あー、違う!こら待て、おい! 湯婆婆: どしたんだい!? 番台蛙: い、いえ、なんでもありません。 湯婆婆: なにか入り込んでるよ。 番台蛙: 人間ですか。 湯婆婆: それを調べるんだ。 今日はハクがいないからね。 リン: へぇーずいぶんいいのくれたじゃん。 これがさ、釜爺のとこへ行くんだ。 混んでないからすぐ来るよきっと。 これを引けばお湯が出る。 やってみな。 千: うわっ!…… リン: 千てほんとドジなー。 千: うわ、すごい色…… リン: こいつにはさ、ミミズの干物が入ってんだ。 こんだけ濁ってりゃこすらなくても同じだな。 いっぱいになったらもう一回引きな、止まるから。 もう放して大丈夫だよ。 おれ朝飯取ってくんな! 千: はぁーい。 ……あっ。 "カオナシを見つける。 風呂の縁から落ちる千。 " 千: うわっ!……いったぃ…った…… あの、お風呂まだなんです。 わ…こんなにたくさん…… えっ、私にくれるの? カオナシ: あ、あ、…… 千: あの……それ、そんなにいらない。 カオナシ: あ、… 千: だめよ。 ひとつでいいの。 カオナシ: あ…… 千: え…あっ! "釜から水があふれる。 " 千: うわぁっ!! 父役: 奥様! 湯婆婆: クサレ神だって!? 父役: それも特大のオクサレさまです! 従業員: まっすぐ橋へ向かってきます! 従業員達 お帰り下さい、お帰り下さい! 青蛙: お帰り下さい、お引き取り下さい、お帰り下さい! うっ……くっさいぃ〜…! 湯婆婆: ぅう〜ん…おかしいね。 クサレ神なんかの気配じゃなかったんだが…… 来ちまったものは仕方がない。 お迎えしな! こうなったら出来るだけはやく引き取ってもらうしかないよ! 兄役 リンと千、湯婆婆様がお呼びだ。 千: あ、はいっ! 湯婆婆: いいかい、おまえの初仕事だ。 これから来るお客を大湯で世話するんだよ。 千: ……あの〜…… 湯婆婆: 四の五の言うと、石炭にしちまうよ。 わかったね! 父役: み、見えました……ウッ… 湯婆婆・千: ウゥッ……!! 湯婆婆: …おやめ!お客さんに失礼だよ! が・が・……ヨク オコシクダしゃいマシタ…… え?あ オカネ……千!千!早くお受け取りな! 千: は、はいっ! (ベチャッ) 千: うゥ…! 湯婆婆: ナニ してるんだい…!ハヤク ご案内しな! 千: ど どうぞ …… リン: セーーーン! うぇっ……くっせえ…あっ、メシが! 湯婆婆: 窓をお開け!全部だよ!! "大湯に飛び込み、千に何かを促すオクサレさま。 " 千: えっ?ぁ、……ちょっと待って! "上から見ている湯婆婆と父: 役。 " 湯婆婆: フフフフ、汚いね。 父役: 笑い事ではありません。 湯婆婆: あの子どうするかね。 ……ほぉ、足し湯をする気だよ。 父役: あぁああ、汚い手で壁に触りおって! 千: あっ……あっ! "札を下げようとして落とす千。 他の札を取って釜爺に送る。 " 湯婆婆: んん?千に新しい札あげたのかい? 父役: まさかそんなもったいない…… 千: わっ! "湯の紐を引きながら落ちる千。 ヘドロにはまる。 " 父役: あああーっ、あんな高価な薬湯を! "オクサレさまに引っ張り出される千。 何かに手を触れる" 千: ……?あっ? リン: セーーーン!千どこだ!! 千: リンさん! リン: だいじょぶかあ!釜爺にありったけのお湯出すように頼んできた!最高の薬湯おごってくれるって! 千: ありがとう!あの、ここにトゲみたいのが刺さってるの! リン: トゲーー?? 千: 深くて取れないの! 湯婆婆: トゲ?トゲだって?……ううーん…… 下に人数を集めな! 父役: えぇっ? 湯婆婆: 急ぎな! 千とリン、そのお方はオクサレ神ではないぞ! このロープをお使い! 千: はいっ! リン: しっかり持ってな! 千: はいっ! 湯婆婆: ぐずぐずするんじゃないよ!女も力を合わせるんだ! 千: 結びました! 湯婆婆: んーーー湯屋一同、心をこめて!!エイヤーーーーソーーーーレーーーー 一同 そーーーれ、そーーーーれ! そーーーれ、そーーーーれ! 千: 自転車? 湯婆婆: やはり!さぁ、きばるんだよ! "オクサレさまからたくさんのゴミが出てくる。 " 河の主 はァーーー…… 千: うっわっ……わあっ! "水の流れに包まれる千。 " リン: セーーーン!だいじょぶかあ!? 河の主: ……佳き哉 よきかな …… 千: あっ…… "千の手に残る団子。 " 湯婆婆: んん……? 従業員: 砂金だ!! 砂金だ!わあーっ! 湯婆婆: 静かにおし!お客さまがまだおいでなんだよ! 千!お客さまの邪魔だ、そこを下りな! 大戸を開けな!お帰りだ!! 河の主 あははははははははは…… 神様達 やんやーーやんやーー!! 湯婆婆: セーン!よくやったね、大もうけだよ! ありゃあ名のある河の主だよ〜。 みんなも千を見習いな!今日は一本付けるからね。 皆: おぉーー!! 湯婆婆: さ、とった砂金を全部だしな! 皆: えぇーーっ!そりゃねえやな…… "仕事が終わって、部屋の前でくつろぐ千。 " リン: 食う?かっぱらってきた。 千: ありがとう。 リン: あー、やれやれ…… 千: ……ハク、いなかったねー。 リン: まぁたハクかよー。 ……あいつ時々いなくなるんだよ。 噂じゃさぁ、湯婆婆にやばいことやらされてんだって。 千: そう…… 女 リン、消すよー。 リン: あぁ。 千: 街がある……海みたい。 リン: あたりまえじゃん、雨が降りゃ海くらいできるよ。 おれいつかあの街に行くんだ。 こんなとこ絶対にやめてやる。 "ふと、団子をかじってみる千。 " 千: ヴッ…うぅっ…… リン: ん?……どうした? "人気のない大湯に忍び込む青蛙。 " 青蛙: ん?んんーーっ…… ……砂金だ!……あ。 おぬし!何者だ。 客人ではないな。 そこに入ってはいけないのだぞ! ……おっ!おっ、金だ金だ!こ、これをわしにくれるのか? カオナシ: あ、あ…… 青蛙: き、金を出せるのか? カオナシ: あ、あ、…… 青蛙: くれ〜っ!! 青蛙: わあっ!!! "カオナシにひとのみにされる青蛙。 " 兄役 誰ぞそこにおるのか?消灯時間はとうに過ぎたぞ。 うっ……? カオナシ: 兄役どの、おれは腹が減った。 腹ぺこだ! 兄役 そ、その声は…… カオナシ: 前金だ、受け取れ。 わしは客だぞ、風呂にも入るぞ。 みんなを起こせぇっ! 千: お父: さんお母: さん、河の神様からもらったお団子だよ。 これを食べれば人間に戻れるよ、きっと! "たくさんの豚が一斉にこっちを見る。 " 千: お父: さんお母: さんどこ?おとうさーん…… 千: ハッ!……やな夢。 ……リン?……誰もいない…… 千: わぁっ、本当に海になってる! ここからお父: さんたちのとこ見えるんだ。 釜爺がもう火を焚いてる。 そんなに寝ちゃったのかな…… 兄役 お客さまがお待ちだ、もっと早くできんのか!? 父役: 生煮えでもなんでもいい、どんどんお持ちしろ! リン: セーン! 千: リンさん。 リン: 今起こしに行こうと思ったんだ。 見な! 本物の金だ、もらったんだ。 すげー気前のいい客が来たんだ。 "大湯に浸かってごちそうを食べまくるカオナシ。 " カオナシ: おれは腹ぺこだ。 ぜーーんぶ持ってこい! 千: そのお客さんって…… リン: 千も来い。 湯婆婆まだ寝てるからチャンスだぞ。 千: あたし釜爺のとこ行かなきゃ。 リン: 今 釜爺のとこ行かない方がいいぞ、たたき起こされてものすごい不機嫌だから! 女たち リン、もいっかい行こ! リン: ああ! "部屋に戻る千。 " 千: ……おとうさんとおかあさん、分からなかったらどうしよう。 おとうさんあんまり太ってたらやだなー。 はあ…… "海の中を白い竜が式神に追いかけられていく。 " 千: ん?……あぁっ! 橋のとこで見た竜だ!こっちに来る! なんだろう、鳥じゃない!……ひゃっ! ハクーっ、しっかりーっ!こっちよーっ!!……ハク!? ハクーっ!! "部屋に竜が飛び込む。 窓を閉めようとする千に、式神が飛びかかる。 " 千: うわぁっ!わぁああーっ!!……あっ? ……ただの紙だ…… 千: ハクね、ハクでしょう? ケガしてるの?あの紙の鳥は行ってしまったよ。 もう大丈夫だよ。 ……わっ! 湯婆婆のとこへ行くんだ。 どうしよう、ハクが死んじゃう! "竜を追って走り出す千の肩に式神が張り付く。 " 蛙男 おっ…と。 こら、何をする。 千: 上へ行くんです。 蛙男 駄目だ駄目だ。 ……ん?あっ!血だ!! 千: あっ…… 兄役 どけどけ!お客さまのお通りだ! 千: あ、あのときはありがとうございます。 兄役 何をしてる、早ぅど……うっ!? カオナシ: あ、あ、あ…… "千に両手いっぱいの金を差し出す。 " カオナシ: え、え、…… 千: ……欲しくない。 いらない! カオナシ: え、え…… 千: 私忙しいので、失礼します! "こぼした金に群がる群衆をすり抜けて千が出ていく。 " 兄役 ええい、静まれ!静まらんか!!下がれ下がれ! これは、とんだご無礼を致しました。 なにぶん新米の人間の小娘でございまして…… カオナシ: ……おまえ、何故笑う。 笑ったな。 兄役 ぇえっ、めっそうもない! 兄役・湯女: わっ、わっ、わああっ! "丸呑みにされる兄役と湯女。 皆がパニックで散っていく。 " "窓からパイプづたいにはしごへ行こうとする千。 走り出すと、パイプが外れて崩れていく。 " 千: わっ、わっ、わっ、わあっっ!! "かろうじてはしごに飛びつく千。 はしごを登り出す。 " 千: はぁっ、はぁっ……あっ!湯婆婆! うっ、くっ……くっ!くっ…あぁっ! "窓を押し開けようとする千。 式神がカギを外して中に落ちる。 坊の部屋へ。 " 湯婆婆: 全くなんてことだろねぇ。 千: ! 湯婆婆: そいつの正体はカオナシだよ。 そう、カ オ ナ シ! 欲にかられてとんでもない客を引き入れたもんだよ。 あたしが行くまでよけいなことをすんじゃないよ! …あぁあ〜、敷物を汚しちまって。 おまえたち、ハクを片づけな! 千: はっ! 湯婆婆: もうその子は使いもんにならないよ! 千: あっ……あ、あ、あ…… "クッションの中に隠れる千。 湯婆婆が来てクッションを探る。 " 湯婆婆: ばぁ〜。 坊: んんーー、ああー……ああーー…… 湯婆婆: もぅ坊はまたベッドで寝ないで〜。 坊: あ…あああーーーん、ああーん…… 湯婆婆: あぁああごめんごめん、いい子でおねんねしてたのにねぇ。 ばぁばはまだお仕事があるの。 (ブチュ) いいこでおねんねしててねぇ〜。 千: ……あっ!…ぅう痛い離してっ!あっ、助けてくれてありがとう、私急いで行かなくちゃならないの、離してくれる? 坊: おまえ病気うつしにきたんだな。 千: えっ? 坊: おんもにはわるいばいきんしかいないんだぞ。 千: 私、人間よ。 この世界じゃちょっと珍しいかもしれないけど。 坊: おんもは体にわるいんだぞ。 ここにいて坊とおあそびしろ。 千: あなた病気なの? 坊: おんもにいくと病気になるからここにいるんだ。 千: こんなとこにいた方が病気になるよ!……あのね、私のとても大切な人が大けがしてるの。 だからすぐいかなきゃならないの。 お願い、手を離して! 坊: いったらないちゃうぞ。 坊がないたらすぐばぁばがきておまえなんかころしちゃうぞ。 こんな手すぐおっちゃうぞ。 千: うぅ痛い痛い!……ね、あとで戻ってきて遊んであげるから。 坊: ダメ今あそぶの! 千: うぅっ……… 坊: ……あ? 千: 血!わかる?!血!! 坊: ……うわぁあーーああぁあぁあーーーー!!!! 千: あっ!ハクーーーー! 何すんの、あっち行って!しっしっ!ハク、ハクね!?しっかりして! 静かにして!ハク!?……あっ! "湯バードにたかられる千。 その隙に頭たちがハクを落とそうとする。 " 千: あっ、わっ……あっち行って! あっ!だめっ!! "部屋から坊が出てくる。 " 坊: んんっ……んんんっ…… 血なんかへいきだぞ。 あそばないとないちゃうぞ。 千: 待って、ね、いい子だから! 坊: 坊とあそばないとないちゃうぞ……ぅええ〜〜…… 千: お願い、待って! 式神 ……うるさいねぇ。 静かにしておくれ。 坊: ぇえ……? 式神 あんたはちょっと太り過ぎね。 "床から銭婆が現われる。 " 銭婆: やっぱりちょっと透けるわねえ。 坊: ばぁば……? 銭婆: やれやれ。 お母: さんとあたしの区別もつかないのかい。 "魔法でねずみにされる坊。 " 銭婆: その方が少しは動きやすいだろ? さぁてと……おまえたちは何がいいかな? "湯バードはハエドリに、頭は坊にされる。 " 千: あっ…… 銭婆: ふふふふふふ、このことはナイショだよ。 誰かに喋るとおまえの口が裂けるからね。 千: あなたは誰? 銭婆: 湯婆婆の双子の姉さ。 おまえさんのおかげでここを見物できて面白かったよ。 さぁその竜を渡しな。 千: ハクをどうするの?ひどいケガなの。 銭婆: そいつは妹の手先のどろぼう竜だよ。 私の所から大事なハンコを盗みだした。 千: ハクがそんなことしっこない!優しい人だもん! 銭婆: 竜はみんな優しいよ…優しくて愚かだ。 魔法の力を手に入れようとして妹の弟子になるなんてね。 この若者は欲深な妹のいいなりだ。 さぁ、そこをどきな。 どのみちこの竜はもう助からないよ。 ハンコには守りの呪い(まじない)が掛けてあるからね、盗んだものは死ぬようにと…… 千: ……いや!だめ! "坊になった頭が坊ネズミとハエドリを虐めている。 " 銭婆: なんだろね、この連中は。 これおやめ、部屋にお戻りな。 白竜 グゥ…! "隙をついて竜の尾が式神を引き裂く。 " 銭婆: !……あぁら油断したねぇ〜…… "反動で落ちる竜と千、坊ネズミ、ハエドリ。 " 千: ハク、あ、きゃああーーーっ!! ハクーーーっ!! "落ちていく中で水の幻影が浮かぶ。 " "力を振り絞って横穴に入る竜。 換気扇を破ってボイラー室に出る。 " 釜爺: なっ……わあっ!! 千: ハク! 釜爺: なにごとじゃい!ああっ、待ちなさい! 千: ハクっ!苦しいの!? 釜爺: こりゃあ、いかん! 千: ハクしっかり!どうしよう、ハクが死んじゃう! 釜爺: 体の中で何かが命を食い荒らしとる。 千: 体の中?! 釜爺: 強い魔法だ、わしにゃあどうにもならん…… 千: ハク、これ河の神様がくれたお団子。 効くかもしれない、食べて! ハク、口を開けて!ハクお願い、食べて!……ほら、平気だよ。 釜爺: そりゃあ、苦団子か? 千: あけてぇっ…いい子だから……大丈夫。 飲み込んで! 白竜 グォウッ、グオッ……! 釜爺: 出たっ、コイツだ! 千: あっ! ハンコ! 釜爺: 逃げた!あっちあっち、あっち! 千: あっ、あっ!あぁあああっ、ああああっ! (ベチャッ!) 釜爺: えーんがちょ、せい!えーんがちょ!! 切った! 千: おじさんこれ、湯婆婆のおねえさんのハンコなの! 釜爺: 銭婆の?…魔女の契約印か!そりゃあまた、えらいものを…… 千: ああっ、やっぱりハクだ!おじさん、ハクよ! 釜爺: おお……お…… 千: ハク!ハク、ハクーっ! おじさん、ハク息してない! 釜爺: まだしとるがな。 ……魔法の傷は油断できんが。 釜爺: ……これで少しは落ち着くといいんじゃが…… ハクはな、千と同じように突然ここにやってきてな。 魔法使いになりたいと言いおった。 ワシは反対したんだ、魔女の弟子なんぞろくな事がないってな。 聞かないんだよ。 もう帰るところはないと、とうとう湯婆婆の弟子になっちまった。 そのうちどんどん顔色が悪くなるし、目つきばかりきつくなってな…… 千: 釜爺さん、私これ、湯婆婆のおねえさんに返してくる。 返して、謝って、ハクを助けてくれるよう頼んでみる。 お姉さんのいるところを教えて。 釜爺: 銭婆の所へか?あの魔女は怖えーぞ。 千: お願い。 ハクは私を助けてくれたの。 わたし、ハクを助けたい。 釜爺: うーん……行くにはなぁ、行けるだろうが、帰りがなぁ……。 待ちなさい。 たしか……どこに入れたか…… 千: みんな、私の靴と服、お願いね。 リン: 千!ずいぶんさがしたんだぞ! 千: リンさん。 リン: ハクじゃん。 ……なんかあったのかここ。 なんだそいつら? 千: 新しい友達なの。 リン: 湯婆婆がカンカンになっておまえのこと探してるぞ。 千: えっ? リン: 気前がいいと思ってた客がカオナシって化けもんだったんだよ。 湯婆婆は千が引き入れたって言うんだ。 千: あっ……そうかもしれない。 リン: ええっ!ほんとかよ! 千: だって、お客さんだと思ったから。 リン: どうすんだよ、あいつもう三人も呑んじゃったんだぞ。 釜爺: あったこれだ!千あったぞ! リン: じいさん今忙しいんだよ。 釜爺: これが使える。 リン: 電車の切符じゃん、どこで手に入れたんだこんなの。 釜爺: 四十年前の使い残りじゃ。 いいか、電車で六つ目の沼の底という駅だ。 千: 沼の底? 釜爺: とにかく六つ目だ。 千: 六つ目ね。 釜爺: 間違えるなよ。 昔は戻りの電車があったんだが、近頃は行きっぱなしだ。 それでも行くか千? 千: うん、帰りは線路を歩いてくるからいい。 リン: 湯婆婆はどうすんだよ? 千: これから行く。 ハク、きっと戻ってくるから、死んじゃだめだよ。 リン: ……何がどうしたの? 釜爺: わからんか。 愛だ、愛。 湯女: きゃああぁーーっ!ま、ますます大きくなってるよ! 湯女: いやだ、あたい食われたくない! 湯女: 来たよ! 父役: 千か、よかった、湯婆婆様ではもう抑えられんのだ。 湯婆婆: なにもそんなに暴れなくても、千は来ますよ。 カオナシ: 千はどこだ。 千を出せ! 父役: さ、急げ。 湯婆婆様、千です。 湯婆婆: 遅い!……お客さま、千が来ましたよ。 ほんのちょっとお待ち下さいね。 何をぐずぐずしてたんだい!このままじゃ大損だ、あいつをおだてて絞れるだけ金を絞りだせ……ん? 坊ネズミ チュー。 湯婆婆: なんだいその汚いネズミは。 千: えっ、あのー、ご存じないんですか? 湯婆婆: 知る訳ないだろ。 おーいやだ。 さ、いきな!……ごゆっくり。 父役: 千ひとりで大丈夫でしょうか。 湯婆婆: おまえが代わるかい? 父役: エっ? 湯婆婆: フン! カオナシ: これ、食うか?うまいぞー。 金を出そうか?千の他には出してやらないことにしたんだ。 こっちへおいで。 千は何がほしいんだい?言ってごらん。 千: あなたはどこから来たの?私すぐ行かなきゃならないとこがあるの。 カオナシ: ウゥッ…… 千: あなたは来たところへ帰った方がいいよ。 私がほしいものは、あなたにはぜったい出せない。 カオナシ: グゥ…… 千: おうちはどこなの?お父: さんやお母: さん、いるんでしょ? カオナシ: イヤダ……イヤダ……サビシイ……サビシィ…… 千: おうちがわからないの? カオナシ: 千欲しい……千欲しい…… 欲しがれ。 千: 私を食べる気? カオナシ: それ……取れ…… 坊ネズミ チュウ!(ガブ) カオナシ: ケッ…… 千: 私を食べるなら、その前にこれを食べて。 本当はお父: さんとお母: さんにあげたかったんだけど、あげるね。 カオナシ: ……ウッ!グハァ……ゲホ、ゲホ…… セェン……小娘が、何を食わし……オグゥ…… "カオナシが吐きながら千を追いかける。 " 湯婆婆: みんなお退き!お客さまとて許せぬ!! カオナシ: オグゥ……! 湯婆婆: あらっ!? 千: こっちだよー!こっちー! カオナシ: グゥゥ…… "逃げ回る千を追いかけるカオナシ。 湯女と兄役を吐き出す。 " カオナシ: グハァッ……!!……ハァッ、ハァッ……許せん…… "外に出ると、リンが盥船を出して待っている。 " リン: セーーン!こっちだー! 千: こっーちだよー! リン: 呼んでどうすんだよ! カオナシ: あ、あ、…… 千: あの人湯屋にいるからいけないの。 あそこを出た方がいいんだよ。 リン: だってどこ連れてくんだよー! 千: わかんないけど。 リン: わかんないって……!……あーあついてくんぞあいつ…… カオナシ: ……ごふっ! "青蛙を吐き出すカオナシ。 " 青蛙: ん? リン: こっから歩け。 千: うん。 リン: 駅は行けば分かるって。 千: ありがとう。 リン: 必ず戻って来いよ! 千: うん! リン: セーーン!おまえのことどんくさいって言ったけど、取り消すぞーー! カオナシ!千に何かしたら許さないからな! 千: あれだ! 電車が来た。 くるよっ。 千: あの、沼の底までお願いします。 えっ?……あなたも乗りたいの? カオナシ: あ、あ、…… 千: あの、この人もお願いします。 カオナシ: あ、あ、…… 千: おいで。 おとなしくしててね。 "ボイラー室で目覚めるハク。 釜爺を揺り起こす。 " ハク: おじいさん。 釜爺: ん?んん……おおハク、気が付いた。 ハク: おじいさん、千はどこです。 何があったのでしょう、教えてください。 釜爺: おまえ、なにも覚えてないのか? ハク: ……切れ切れにしか思い出せません。 闇の中で千尋が何度も私を呼びました、その声を頼りにもがいて……気が付いたらここに寝ていました。 釜爺: そうか、千尋か。 あの子は千尋というのか。 ……いいなあ、愛の力だなあ…… "ガウン姿で暖炉の前に座る湯婆婆。 " 湯婆婆: これっぱかしの金でどう埋め合わせするのさ。 千のバカがせっかくのもうけをフイにしちまって! 青蛙: で、でも、千のおかげでおれたち助かったんです。 湯婆婆: おだまり!みんな自分でまいた種じゃないか。 それなのに勝手に逃げ出したんだよ。 あの子は自分の親を見捨てたんだ! 親豚は食べ頃だろ、ベーコンにでもハムにでもしちまいな。 ハク: お待ち下さい。 青蛙: ハク様! 湯婆婆: なぁんだいおまえ。 生きてたのかい。 ハク: まだ分かりませんか?大切なものがすり替わったのに…… 湯婆婆: ずいぶん生意気な口を利くね。 いつからそんなに偉くなったんだい? フン…… "真っ先に金を確かめる湯婆婆を哀れげな瞳で見るハク。 " "ふと坊に目を向け術を解くと、頭たちが逃げていく。 " 湯婆婆: な……あ……あ…… "金塊も土に代わる。 " 湯婆婆: ……ああ……きぃいいいーーー坊ーーーー!!! 青蛙: 土くれだ! 湯婆婆: 坊ーーーーーー!!どこにいるの、坊ーーーー!!! 出てきておくれ、坊ーー!坊、坊! ……おぉのぉれぇぇええーーー!!キィイイイーー!! あぁたしの坊をどこへやったぁーーー!!! ハク: 銭婆のところです。 湯婆婆: 銭婆……?……あぁ…… 湯婆婆: なるほどね。 性悪女め……それであたしに勝ったつもりかい。 で!?どうすんだい!? ハク: 坊を連れ戻してきます。 その代わり、千と両親を人間の世界へ戻してやってください。 湯婆婆: それでおまえはどうなるんだい!?その後あたしに八つ裂きにされてもいいんかい!?? 千: この駅でいいんだよね。 ……行こう。 "疲れて坊ネズミを持ち上げられないハエドリ。 坊ネズミが自分で歩き出す。 " 千: 肩に乗っていいよ。 "坊ネズミは無視して歩き続ける。 " "一本足の電灯が跳んできて、家まで道案内をする。 " 銭婆: おはいり。 千: 失礼します。 銭婆: 入るならさっさとお入り。 千: おいで。 銭婆: みんなよく来たね。 千: あっ、あのっ……! 銭婆: まあお座り。 今お茶を入れるからね。 千: 銭婆さん、これ、ハクが盗んだものです。 お返しに来ました。 銭婆: おまえ、これがなんだか知ってるかい? 千: いえ。 でも、とっても大事なものだって。 ハクの代わりに謝りに来ました。 ごめんなさい! 銭婆: ……おまえ、これを持ってて何ともなかったかい? 千: えっ? 銭婆: あれ?守りの呪い(まじない)が消えてるね。 千: ……すいません。 あのハンコに付いてた変な虫、あたしが踏みつぶしちゃいました! 銭婆: 踏みつぶしたぁ!?……あっはははははは。 あんたその虫はね、妹が弟子を操るために竜の腹に忍び込ませた虫だよ。 踏みつぶした……はっはははは…… さぁお座り。 おまえはカオナシだね。 おまえもお座りな。 千: あっ、あの……この人たちを元に戻してあげてください。 銭婆: おや?あんたたち魔法はとっくに切れてるだろ。 戻りたかったら戻りな。 (ぷるぷる) 銭婆: あたしたち二人で一人前なのに気が合わなくてねぇ。 ほら、あの人ハイカラじゃないじゃない? 魔女の双子なんてやっかいの元ね。 おまえを助けてあげたいけど、あたしにはどうすることも出来ないよ。 この世界の決まりだからね。 両親のことも、ボーイフレンドの竜のことも、自分でやるしかない。 千: でも、あの、ヒントかなにかもらえませんか?ハクと私、ずっとまえに会ったことがあるみたいなんです。 銭婆: じゃ話は早いよ。 一度あったことは忘れないものさ……想い出せないだけで。 ま、今夜は遅いからゆっくりしていきな。 おまえたち手伝ってくれるかい? 銭婆: ほれ、がんばって。 そうそう、うまいじゃないか。 ほんとに助かるよ。 魔法で作ったんじゃ何にもならないからねぇ。 そこをくぐらせて……そう、二回続けるんだ。 千: おばあちゃん、やっぱり帰る。 ……だって……こうしてる間にも、ハクが死んじゃうかもしれない。 お父: さんやお母: さんが食べられちゃうかもしれない……。 銭婆: まぁ、もうちょっとお待ち。 ……さぁ、できたよ。 髪留めにお使い。 千: わぁ……きれい。 銭婆: お守り。 みんなで紡いだ糸を編み込んであるからね。 千: ありがとう。 銭婆: いい時に来たね。 お客さんだよ、出ておくれ。 千: はい。 千: ああっ……!ハク! ハク、会いたかった……ケガは?もう大丈夫なの?よかったぁ…… 銭婆: ふふふ、グッドタイミングね。 千: おばあちゃん、ハク生きてた! 銭婆: 白竜、あなたのしたことはもう咎めません。 そのかわり、その子をしっかり守るんだよ。 さぁ坊やたち、お帰りの時間だよ。 また遊びにおいで。 坊ネズミ ちゅう。 銭婆: おまえはここにいな。 あたしの手助けをしておくれ。 カオナシ: あ、あ…… 千: おばあちゃん!……ありがとう、私行くね。 銭婆: だいじょうぶ。 あんたならやり遂げるよ。 千: 私の本当の名前は、千尋っていうんです。 銭婆: ちひろ。 いい名だね。 自分の名前を大事にね。 千: はい! 銭婆: さ、お行き。 千: うん! おばあちゃん、ありがとう!さよなら! "竜に乗って飛び立つ千。 " "記憶がフラッシュバックする。 水に流れていく靴。 水に落ちるだれか……。 " 千: ……ハク、聞いて。 お母: さんから聞いたんで自分では覚えてなかったんだけど、私、小さいとき川に落ちたことがあるの。 その川はもうマンションになって、埋められちゃったんだって……。 でも、今思い出したの。 その川の名は……その川はね、琥珀川。 あなたの本当の名は、琥珀川…… "瞬間、白竜から輝く鱗が剥がれ落ち、ハクの姿になっていく。 " 千: ああっ! ハク: 千尋、ありがとう。 私の本当の名は、ニギハヤミ コハクヌシだ。 千: ニギハヤミ……? ハク: ニギハヤミ、コハクヌシ。 千: すごい名前。 神様みたい。 ハク: 私も思いだした。 千尋が私の中に落ちたときのこと。 靴を拾おうとしたんだね。 千: そう。 琥珀が私を浅瀬に運んでくれたのね。 嬉しい…… "朝。 油屋の前で皆が待っている。 " リン: 帰ってきたーー!! みんな: おおっ…… 湯婆婆: 坊は連れて戻ってきたんだろうね?……えっ? 坊: ばぁば! 湯婆婆: 坊ーー!! ケガはなかったかい!?ひどい目にあったねぇ!……坊!あなた一人で立てるようになったの?え? ハク: 湯婆婆様、約束です!千尋と両親を人間の世界に戻してください! 湯婆婆: フン!そう簡単にはいかないよ、世の中には決まりというものがあるんだ! 皆: ブー、ブー! 湯婆婆: うるさいよっ! 坊: ばぁばのケチ。 もうやめなよ。 湯婆婆: へっ? 坊: とても面白かったよ、坊。 湯婆婆: へぇっ?ででででもさぁ、これは決まりなんだよ?じゃないと呪いが解けないんだよ? 坊: 千を泣かしたらばぁば嫌いになっちゃうからね。 湯婆婆: そ、そんな…… 千: おばあちゃん! 湯婆婆: おばあちゃん? 千: 今、そっちへ行きます。 千: 掟のことはハクから聞きました。 湯婆婆: フン、いい覚悟だ。 これはおまえの契約書だよ、こっちへおいで。 ……坊、すぐ終わるからねぇ。 千: 大丈夫よ。 湯婆婆: この中からおまえのお父: さんとお母: さんを見つけな。 チャンスは一回だ。 ピタリと当てられたらおまえたちゃ自由だよ。 千: ……?おばあちゃんだめ、ここにはお父: さんもお母: さんもいないもん。 湯婆婆: いない!?それがおまえの答えかい? 千: ………うん! "ボン!と破れ消える契約書。 " 湯婆婆: ヒッ!? 豚に化けた従業員たち おお当たりーー! みんな: やったあ!よっしゃーーー!!! 千尋: みんなありがとう!! 湯婆婆: 行きな!おまえの勝ちだ!早くいっちまいな! 千尋: お世話になりました! 湯婆婆: フン! 千尋: さよなら!ありがとう! 千尋: ハク! ハク: 行こう! 千尋: お父: さんとお母: さんは!? ハク: 先に行ってる! 千尋: 水がない…… ハク: 私はこの先には行けない。 千尋は元来た道をたどればいいんだ。 でも決して振り向いちゃいけないよ、トンネルを出るまではね。 千尋: ハクは?ハクはどうするの? ハク: 私は湯婆婆と話をつけて弟子をやめる。 平気さ、ほんとの名を取り戻したから。 元の世界に私も戻るよ。 千尋: またどこかで会える? ハク: うん、きっと。 千尋: きっとよ。 ハク: きっと。 さぁ行きな。 振り向かないで。 "結んだ手が名残惜しそうに離れる。 " "門の入り口で、父: と母: が待っている。 " 母: 千尋ー。 なにしてんの、はやく来なさい! 千尋: ああっ……! お母: さん、お父: さん! 母: だめじゃない、急にいなくなっちゃ。 父: 行くよ。 千尋: お母: さん、何ともないの? 母: ん?引越しのトラック、もう着いちゃってるわよ。 "振り向こうとして、とどまる千尋。 " 父: 千尋ー。 早くおいでー。 足下気をつけな。 母: 千尋、そんなにくっつかないでよ。 歩きにくいわ。 父: 出口だよ。 ……あれ? 母: なぁに? 父: すげー……あっ、中もほこりだらけだ。 母: いたずら? 父: かなあ? 母: だからやだっていったのよー…… 母: オーライオーライ、平気よ。 父: 千尋、行くよー。 母: 千尋: !早くしなさい! おわり.

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「千と千尋の神隠し」八百万神の食事

千 と 千尋 の 神隠し 泥 団子

声優&キャラクター紹介 (引用:) 荻野千尋… 柊瑠美 甘えん坊で泣き虫な10歳の女の子で荻野家の一人娘。 引っ越し先へ向かう途中に立ち寄った廃墟の向こう側で両親と一緒に不思議な世界に迷い込んでしまう。 異世界で豚に変えられてしまった両親を助けるために油屋(温泉旅館)の支配人湯婆婆の下で『千』という名前をもらって働くことになる。 (引用:) ハク… 入野自由 湯婆婆の弟子として油屋で働いている少年。 ハクというのも湯婆婆に付けられた名前で、本当の名前は忘れてしまっている。 不思議な世界に迷い込んだ千尋を助けようとする。 千尋は覚えていないが、ハクは千尋が小さい頃から千尋を知っているらしい。 油屋で働く他のメンバーや湯婆婆の前では冷静沈着な態度だが、千尋と2人きりの時だけは千尋に親切で優しい一面を見せる。 (引用:) 湯婆婆(ゆばーば)… 夏木マリ 油屋の支配人の魔法使いの老婆。 がめつくずる賢い。 油屋に迷い込んだ生き物たちから本当の名前を奪って支配する。 銭婆という双子の姉がいる。 自身の子である坊を溺愛している。 (引用:) 銭婆(ぜにーば)… 夏木マリ 湯婆婆と見た目も声もそっくりな双子の姉。 彼女も湯婆婆と同様に魔女であり、性格は湯婆婆と比べるとかなり穏やかでしたたか。 湯婆婆とはあまり関係がよくない。 (引用:) 釜じい… 菅原文太 油屋のボイラー室で客に出す特製の薬湯の準備をする老人。 石炭を運ぶ仕事をしているススワタリたちを仕切っている。 ボイラー室にきた千尋に湯婆婆のところに行くように進言する。 (引用:) リン… 玉井夕海 油屋で働く千尋より少し年上の女。 人の姿をしているが、ヤモリの黒焼きが好きなことから本来の姿は動物だと思われる。 口が悪いが姉御肌で面倒見が良い。 油屋に迷い込んだ千尋の面倒を見る。 (引用:) カオナシ… 中村彰男 油屋に続く橋の上に佇み千尋を見つめる、お面の部分以外は真っ黒な謎の存在。 欲しがっているものを手の平から出し、それを受け取った人はカオナシに飲み込まれてしまう。 言葉を話せないが、喋れる存在を飲み込むとその声を借りて話すことが出来るようになる。 油屋に迷い込んだ千を欲しがって動き始める。 ・その他のキャスト 荻野明夫(千尋の父親)… 内藤剛志 荻野悠子(千尋の母親)… 沢口靖子 青蛙… 我修院達也 坊… 神木隆之介 番台蛙(ばんだいかえる)… 大泉洋 河の神… はやし・こば 父役(ちちやく)… 上條恒彦 兄役(あにやく)… 小野武彦 ほか ネタバレあらすじ 荻野家の一人娘で10歳の 千尋、父親の 明夫、母親の 悠子は引っ越し当日のその日、マイカーで新居に向かっていた。 途中で道を間違えたのか山道に入りこんでしまった3人は、異国の雰囲気漂う赤い廃墟の前にたどり着いた。 興味を持った明夫に悠子と千尋がついて行くと、建物を通り抜けた先には広大な草原、さらにその先には美しい浅瀬の川があった。 この場所が何となく不気味に感じていた千尋は帰りたがったが、明夫と悠子はどこからか漂ってきた良いにおいに連れられて、川を越えてどんどん奥へと行ってしまう。 仕方なく千尋がついて行くと、川を越えて下り坂を降りた先には異国情緒漂う不思議な商店街に繋がっていた。 明夫と悠子は、においの元である中華料理のような惣菜を出しているカウンター席のある屋台にたどり着いた。 そこには誰もおらず、おいしそうな料理だけがズラリと並べられていたので、明夫と悠子は「後でお金を払えば良い」と勝手に食べ始めた。 (勝手に料理を食べ始めた亜紀をと悠子 引用:) 食べる気がしなかった千尋は両親を置いて散策していると、少し行った先に『油屋』という看板が掲げられた巨大な温泉施設のようなものがあった。 油屋の前の橋の上にいた千尋は、突然現れたおかっぱ頭の美少年に声をかけられた。 少年は鬼気迫る様子で「ここに居てはいけない!暗くなる前に川の向こうに戻れ!」と言う。 少年を不審に思いながら千尋が両親の所に行くと、両親が座っていた席には豚が居て屋台の料理を食い散らかしていた。 車に戻ろうと川へ走ったが、浅かったはずの川は深くなり、もう千尋には渡れなくなっていた。 さらに廃墟だった赤い建物には明かりが点き、川からは巨大な船が到着して明らかに人間ではない何かが大勢船から降りてきている。 恐怖で動けなくなった千尋の所に再びおかっぱ頭の少年が現れて、千尋を落ち着かせてくれた。 おかっぱ頭の少年は ハクと名乗り、 ハクは千尋が小さい時から千尋を知っていること、 千尋の両親には後で会わせてくれること、 この世界では人間はあまり良く思われていないことを教えてくれた。 しかし千尋にハクと会った記憶はなかった。 さらにハクは、 この世界では働かない者は動物に変えられて食べられてしまうこと、 この建物の地下にあるボイラー室にいる釜じいという人に会って「 働きたい」と頼むこと、 断られても諦めず、「帰りたい」とか 泣き言を絶対に言ってはいけないことを千尋に言い聞かせると、ハクを探している従業員の所に行ってしまった。 千尋は1人でどうにかボイラー室にたどり着き、そこで薬湯の調合をする 釜じいに会うことが出来た。 地面には、まっくろくろすけに手足が生えたような姿の ススワタリが火釜の中に炭を運んで放り込む仕事をしていた。 千尋は働きたいと釜じいに頼んだが、ここはもう人手が足りていると言う。 釜じいは千尋に、ハクは油屋の支配人である魔女の 湯婆婆の弟子で、油屋の番頭 (支配人の次に偉い立場)だということを教えてくれた。 釜じいは、ボイラー室に食事を運びにきた従業員の リンに、千尋を湯婆婆の所に連れていくよう頼んだ。 千尋はリンに連れられて、人ではない何かや、千尋と同じくらいの背丈のカエルの従業員などが歩き回る油屋の中を進み、リンと別れてエレベーターに乗って湯婆婆の前にたどり着いた。 湯婆婆が言うには、ここ『油屋』はお客様である 八百万の神様たちに癒しを提供する温泉施設で、 千尋の両親は準備していたお客様用の料理を勝手に食べたため、罰として豚に変えてしまったそうだ。 千尋は泣きそうになりながらも両親のために、ただ「働かせて下さい!」とだけ言い続け、折れた湯婆婆と契約を結んだ。 千尋は『 千(せん)』という新しい名前を与えられ、油屋の従業員になった。 翌早朝。 ハクに呼ばれた千尋は豚になった両親に会わせてもらった。 両親は今は人間だったことは忘れているらしく、スヤスヤと眠っていた。 その後、千尋は私服のポケットに入っていた前の学校の友達からのお別れのメッセージを見て、自分の本当の名前が『千尋』だったと思い出した。 千という名前をもらってまだ一晩しか経っていないのに、千尋はもう本当の名前を忘れかけていたのだ。 湯婆婆は名前を奪って支配するらしい。 ハクは自分の本当の名前がどうしても思い出せずにいるとこぼした。 ハクから元気が出る魔法をかけたというおにぎりをもらった千尋は、大粒の涙をこぼしながらそれを食べきった。 おにぎりのおかげで元気が出た千尋はその後、リンや他の従業員たちと共に元気に働いた。 (ハクが作ったおにぎりを食べる千尋 引用:) お客様が来るのは夜だけで、油屋が開店するのは日暮れと同時だった。 夕方、縁側で作業をしていた千尋は、千尋がこの世界に来た時からずっと油屋の前の橋に立っていた黒い存在、 カオナシが雨の降る外に立っていることに気付いた。 カオナシを客だと思っていた千尋は親切心からカオナシに声をかけ、雨宿りできるように窓を開けたままにして別の作業に移った。 千尋が去った後、カオナシは縁側から油屋に入り込んだ。 その日、リンと千尋は汚れがひどい客専用の風呂場『大湯』を任された。 そしてその日、湯婆婆が『 オクサレ様 (お腐れ様)』と呼ぶ、ヘドロにまみれた客が来店した。 オクサレ様の接客を任された千尋は、近づいただけでも気絶しそうなにおいを放つオクサレ様を大湯に案内した。 オクサレ様が湯船につかった時、千尋はオクサレ様の体に何かが刺さっていることに気が付いた。 それを聞いた湯婆婆は、この客がオクサレ様ではなく別の神様であることを見抜き、刺さっている物を引っ張り出すように命じた。 皆で力を合わせて刺さっていた物を引っ張り出すと、自転車などの大量のゴミが飛び出した。 その神様は、ヘドロの塊のような姿からおじいさんの顔をした竜に姿を変えて「あ~、よかった」と気持ちよさそうに言うと、窓から空へ飛んで帰って行った。 湯婆婆いわく、あの神様は 名のある河の神様だったそうだ。 神様が帰った後、千尋の手には神様からのお礼らしき 茶色い団子が握られていた。 また、神様が残したゴミや砂の中には砂金が紛れていて、湯婆婆は思わぬ報酬に喜んで「よくやった!」と千尋を褒めたたえた。 その後、千尋は興味本位で団子をかじってあまりの苦さに体が震えた。 千尋が起きると同じ部屋で寝ていたリンや他の従業員たちの布団が空っぽだった。 寝坊かと思って慌てて支度をしていると、外で白い竜が小鳥のようなものに追われて暴れまわっているのが見えた。 竜は苦しそうに暴れまわりながら湯婆婆の部屋に向かっている。 竜がハクだと直感した千尋は、ハクを助けようと湯婆婆の部屋に向かった。 窓から湯婆婆の息子の 坊の部屋に侵入した千尋は、湯婆婆が手下の物の怪、 頭にハクを捨てるように命じているのを聞いた。 湯婆婆が去った後すぐに千尋はハクを助けようとしたが、頭、坊、湯バードに遮られていた。 そこに、湯婆婆の双子の姉の魔女 銭婆の分身が現れて、魔法で坊をネズミに、湯バードをハエドリに、頭を坊の姿に変えた。 銭婆はハクに大切なハンコを盗まれて、それを取り戻しに来たという。 さらに銭婆は、ハンコには盗んだ者が死ぬような魔法がかけられていて、ハクはもう助からないと千尋に告げた直後、ハクが人型の紙切れを叩き切ると銭婆は消えた。 その後、苦しむハクと千尋は釜じいのいるボイラー室にたどり着いた。 千尋はとっさに河の神様からもらった団子をちぎってハクに飲ませると、ハクは黒いモヤモヤに包まれたハンコを吐き出して大人しくなった。 この団子は釜じいいわく『 ニガダンゴ』らしく、食べた人物の中にある 悪いものを吐き出させて浄化する効果があるらしい。 ハンコには黒い芋虫のような魔法の元がくっついていて、千尋は思わずそれを追いかけて踏み潰した。 ハクは人間の姿に戻ったが、意識はなかった。 ハクに薬を飲ませて寝かせると、釜じいは千尋にハクがこの世界に来た経緯を教えてくれた。 ハクは千尋のように突然油屋に現れて「もう帰る場所がない、働かせてほしい」と釜じいに頼んだという。 その後ハクは湯婆婆と契約を結び、魔法の力を手に入れるべく湯婆婆の見習いになったそうだ。 千尋はハンコを銭婆に返しに行く決意をした。 すると釜じいが、40年前に使ったという列車の切符をくれた。 銭婆の所へは、油屋の下に広がる川を走っている列車に乗って6番目の駅で降りれば行けるらしい。 千尋が釜じいにお礼を言った時、リンが千尋を探しに来た。 油屋でカオナシが大暴れしているらしい。 カオナシは河の神様の騒動の後、下働きの 青蛙を飲み込んで声を手に入れ、従業員に砂金をバラまいて油屋に居座っていた。 油屋の従業員たちは青蛙が呑み込まれたことも知らず、突然現れた太っ腹な客を歓迎していたが、カオナシはさらに他の従業員も飲み込んで、今は「千を出せ」と大騒ぎしているらしい。 千尋がカオナシの待つ部屋に行くと、カオナシは千尋に何が欲しいのかと尋ねた。 千尋は「私が欲しい物はあなたには絶対に出せない」と答え、残りのニガダンゴをカオナシの口の中に放り込んだ。 ニガダンゴを食わされたカオナシは怒り、油屋で飲み込んだ物を吐き出しながら逃げていく千尋を追いかけた。 千尋はカオナシを誘導しながらリンが出してくれた桶の船に乗り、坊ネズミ、ハエドリ、カオナシと共に川の上に浮かぶ駅へ行き、電車に乗った。 一方、カオナシの件と千尋が油屋から消えたことで怒った湯婆婆は、千尋の両親を調理するように 兄役たちに命じていた。 そこに意識を取り戻したハクが現れて、坊が頭にすり替わっていること、坊は千尋と一緒に銭婆の所に行ったことを湯婆婆に告げ、坊を取り戻すかわりに千尋と千尋の両親を元の世界に帰してやって欲しいと頼んだ。 銭婆の家に着いた千尋は、すぐに銭婆にハンコを返し、ハンコに付いていた芋虫は踏みつぶしてしまったことを謝った。 銭婆は、あの芋虫は銭婆のまじないではなく、 湯婆婆がハクを操るために仕込んでいた虫だと言って大笑いした。 銭婆は千尋に、湯婆婆と銭婆は2人で一人前のはずなのにどうしても気が合わず、こうして離れ離れで生活しているのだと明かし、もう夜遅いから今夜は泊まるように言った。 千尋はしばらく考えて、両親やハクが心配だからやっぱり油屋に戻りたいと答えると、銭婆は皆で紡いだ糸で作った髪留めを千にプレゼントした。 (みんなで作った髪留めをプレゼントする銭婆と千尋の手 引用:) そのとき、銭婆の家の外に元気になったハク(竜の姿)が到着した。 千尋、坊ネズミ、ハエドリはハクと一緒に油屋に戻り、カオナシはここに残って銭婆のお手伝いをすることになった。 千尋は銭婆にお礼を言い、ハクと一緒に空に飛び立った。 油屋に戻る途中、千尋はまだ小さい頃に遊んでいて川に落ちたことがあり、その川は今は埋め立てられてしまって無いが、あれがハクの川だったのではないかと言い、その川の名が『 琥珀川』だったことを告げた。 その瞬間、ハクは自分の本当の名が『ニギハヤミコハクヌシ』だったと思いだした。 千尋はハクが本当の名前を思い出したことを喜んで涙を流した。 その頃、油屋では従業員全員と、8匹の豚を並べた湯婆婆が千尋の帰りを待っていた。 千尋、ハク、坊ネズミ、ハエドリが油屋の前に降りると、「坊はどこだ?」と聞く湯婆婆の前で坊ネズミが本来の姿に戻った。 湯婆婆は「この世界にはルールがあり、千は問題に答えなければならない」と告げてから、8匹の豚の中から両親がどれか当てろと命じた。 千尋が「この中にはいない」と答えると、湯婆婆の持っていた千尋の契約書が粉々になり、8匹の豚が従業員に変わり「大当たり!」と声をあげた。 歓声を上げる従業員たちと不満げな表情の湯婆婆にお礼を言うと、千尋はハクと一緒に帰り道に向かって走った。 ハクも近いうちに湯婆婆に解放してもらって元の世界に戻ること、戻ったら再び千尋に会いに行くと約束した。 ハクに「建物を抜けるまで振り返ってはいけない」と言われ、千尋は頷いてハクと繋いでいた手を放して元来た道を戻った。 草原を進むと両親の声が聞こえ、赤い廃墟の前で両親が千尋を待っていた。 千尋は喜んで両親に駆け寄り「大丈夫だった?」と聞いたが、両親はあの世界にいた記憶が全く無いようだった。 そして、千尋は振り返るのを我慢しながら建物を抜けた。 車に戻って来ると、車の上には葉っぱや小枝が積もり、車の中は埃だらけになっていた。 両親は驚いて「誰かのいたずらか?」と文句を言いながら車のエンジンを点け、千尋は後ろ髪を引かれる思いで車に乗り込んだ。 本作で伝えたかったこと 宮崎駿監督は「 現代の日本を表したかった」とインタビューで答えています。 現代社会に例えると、油屋は湯婆婆が経営している『会社』、千尋はそこに就職した『新入社員』に置き換えることができます。 この世界では働かない者は生きていくことを許されず、千尋は豚に変えられた両親のために働くことになります。 湯婆婆は人物の名前を奪って支配してここから出られないようにしています。 本作における『本当の名前』は、『その人の夢や目標』に言い換えることができます。 会社はその人が本当にやりたいことや夢を忘れさせてずっと会社でこき使おうとする、ということが言いたいのではないでしょうか。 千尋は湯婆婆に名前を奪われて忘れかけるけど、ハクのおかげで忘れずにいられます。 このように千尋は油屋でハク、釜じい、リンのような素敵な出会いもしているので、会社は支配される場ではあるが、 人との出会いを多くくれる場所としても描かれています。 ちなみに親が豚に変えられたことにも意味があり、親がどん欲な存在であることを示すために豚に変えたそうです。 そして千尋は油屋で成長しましたが、千尋の両親は油屋の世界に居たことも千尋に救われたことも何も覚えておらず、何も変わっていません。 これは、子どもは成長して(肉体も精神も)変われるけど、両親(大人)は本質的なものは変わらないという割とシビアなメッセージでもあるようです。 日本の未来を子どもたちに託しているという意味でもありますね。 千尋については『 大切なことを見極める』、『 多く欲しがらない』というメッセージが強かったように思います。 それはカオナシから物を受け取らなかったり、ハクや両親を必死で助けようとする姿勢に描かれています。 また、ハク、カオナシには「自分の居場所」に対するメッセージが込められているように感じます。 ハクは現実世界で自分の川(居場所)を失い、油屋にやってきた人物です。 しかし油屋では湯婆婆に良いように使われてしまい、千尋と再会したことで勇気づけられて油屋を出る決意をします。 カオナシは後に書いているのでここでは省略しますが、居場所を求めてさまよう姿が描かれています。 ハクが油屋の中で千尋に冷たかった理由 油屋で働くことになった千尋は、リンに「ハクって2人いるの?」と聞き、リンは「あんなのが2人もいたらたまったもんじゃない!」(ハクは1人しかいない)と答えています。 千尋がリンにそう聞いた理由は、最初に会った時のハクと油屋で再会したときのハクの態度があまりにも違っていて「別人だったのかも?」と思ったからです。 千尋がこの世界に来てハクと会った時、ハクは千尋にとても優しく接します。 ところが、湯婆婆の部屋でハクと再会したとき、ハクは千尋に対してとても冷たかったですね。 これは恐らく、ハクにとって千尋は大切な存在だったので、それが湯婆婆にバレて湯婆婆が千尋に何かするのを避けるためだったのでしょう。 ハクが千尋に「私のことは『ハク様』と呼べ」と言ったのも、ハクは油屋の中では偉い立場なので、他の従業員も釜じいとリン以外はハクをハク様と呼んでいます。 突然現れた人間の娘がハクを呼び捨てにしていたら周囲に変に思われますし、従業員経由で湯婆婆に何か勘繰られるのを避けるためだったと思われます。 河の神様がくれたお団子の正体は? (神様からもらった団子を見つめる千尋 引用:) 千尋が河の神様からもらった茶色い団子については、釜じいが「ニガダンゴか」と名前だけは言いますが、効果については語られていません。 あの団子は、河の神様がため込んでいたゴミを取り除いた時に千尋がお礼としてもらったものです。 なので、恐らく『浄化』や『悪いものを吐き出す』効果がある団子だったのでしょう。 苦しんでいるハクに団子を飲ませたら、銭婆のハンコと湯婆婆がハクに忍び込ませていた黒いイモムシが出てきましたね。 ハンコには銭婆がかけた『盗んだ者が死ぬまじない』、イモムシは『湯婆婆がハクを操るために忍び込ませた虫』だと明かされているので、ハクにとって悪いものを吐き出したことになります。 そしてカオナシに団子を食べさせると、油屋で食べた大量の食べ物と飲み込んだ従業員たちを吐き出しました。 湯婆婆がカオナシを「欲に駆られた怪物だ」と言っていたことから、カオナシは恐らく欲望を食べて巨大化する存在なのだと思われます。 カオナシにとって悪いものは「欲に駆られて食ったもの」だったのでしょう。 千が飲み込めないカオナシが「さみしい」と言っていたように、カオナシが欲望を食べる理由はさみしさからなのでしょう。 しかし、淋しさは食べることや他人を飲み込むことでは解消されません。 なので、カオナシがさみしさゆえに飲み込んだものはカオナシにとって悪いものだと言えるのだと思います。 従業員たちがカオナシの砂金欲しさに作った大量の食事、飲み込んだ従業員たちにも欲の感情がこもっているので、カオナシは食べ物と従業員を吐き出したのだと私は思っています。 一番最初に団子を食べたのは千尋でしたが、千尋は団子を苦いと思っただけで何も吐き出しませんでした。 恐らく千尋にはため込んでいた悪いものはなかったのでしょう。 ちなみに名のある河の主の存在は、ハクもどこかの川の神様であることの伏線です。 商店街や電車の中にいた黒い影の正体 千が不思議の世界の商店街に迷い込んだ時や、銭婆の家に行くために乗った電車の中に半透明の黒い影が登場します。 商店街に居た影は、ぼんやりしていてちゃんとした形を持っていなかったので、夜になると実体化する神様や精霊の類か、迷い込んでしまって商店街で湯婆婆に働かされていた動物たちだったんじゃないかな~と想像しています。 それに比べて電車に乗っていた影はちゃんと人の形をしていましたね。 本作のタイトルに「神隠し」と付いているように、千尋と両親は神隠しにあって湯婆婆たちがいる異世界に来てしまったのでしょう。 そして、あの油屋は死後の世界とも繋がっていて、それを繋いでいたのがあの「中道」と書かれた電車だったのだと思われます。 中道とは仏教用語で『二つ(生と死、楽と苦など)のどちらにも偏らない』という意味です。 あの影たちは油屋の世界とは関係のない存在で、 死んだ人間の魂だったのではないかと想像しています。 黒い影たちが降りていった駅名が「沼原」、さらに進んで千尋たちが降りた6つ目の駅名が「沼の底」と下に降りていくようなイメージだったので、この列車は始発駅が神様のいる天国のような所で、終着点は地獄のような所だったのではないかと推測しています。 釜じいが「昔は戻りもあったが、近頃は行きっぱなしだ」と言っていたのは、恐らくですが、昔は神様になるような(付喪神のような)魂もいたが、今は大量生産大量消費や使い捨ての文化なので、そういうこともほとんどなくなったということなのではないかと想像しています。 カオナシについて (列車に乗る千尋とカオナシ 引用:) 宮崎駿監督によると、「カオナシは『 会社員』をモデルにしているが、誰の心にも存在するもの」なのだそうです。 自分自身の顔がなく、声はあるものの、誰かの声を借りることでしか話すことが出来ない。 (自分の意見がなく、上司や他の誰かが言っていたことのマネしかできない) 淋しさゆえに人の心、興味関心を物やお金で引こうとするが、それで人の心を手に入れても本当には満たされず、また同じことを繰り返す。 (自分自身に魅力がないと思い込んでいて、人の興味を物やお金で引く方法しか知らない) 自分の居場所がなく、居場所を求めてさまよっている。 書き出しているとなるほど、と思いました。 カオナシは千尋がこの世界の物を食べた後から登場し、ずっと千尋を見つめています。 恐らくカオナシは直感で千尋が優しそうで助けてくれそうに見えたんでしょう。 橋の上に立っていても誰も気づいてすらくれなかったのに、千尋にだけは気付いてもらえたのも、カオナシが千尋に注目した理由だと思います。 千尋のおかげで油屋に入り込んだカオナシは、自分の欲望を満たそうと、物(砂金)で従業員の気を引いて思う存分油屋のサービスを堪能します。 そしてカオナシの一番の目的は千尋から必要とされることだったのですが、カオナシは人の心を物で釣るような方法しか知らないため、ひたすら千尋に砂金を受け取るように迫ったり、欲しい物が何かを聞き続けます。 カオナシの意図を感じ取った千尋は「私が欲しいものはあなたには絶対に出せない」と断り、ニガダンゴを食べさせます。 千尋は欲しいものは本当はあるのでしょうが、カオナシが本当は淋しいだけだということ、何を食べても淋しさは解消されないことを千尋はわかっていたので、カオナシの質問を突っぱねたのだと思います。 この場面は、千尋が成長したことを表した場面だったのでしょう。 カオナシはニガダンゴの効果で欲望を全て吐き出して空っぽになってからは大人しい元の姿に戻ります。 千尋は恐らく油屋でのカオナシを見て「あの人(カオナシ)は油屋に居てはいけない」と言っていました。 カオナシは外からの影響を受けやすいので、欲望がうずまくような環境の中に居てはいけないということだったのでしょう。 カオナシはニガダンゴのおかげで欲望はなくなりますが、居場所がない淋しさは消えなかったので千尋について行き、結果 銭婆に必要とされてカオナシの心は満たされます。 このカオナシのストーリーは、自分の居場所を見つけることというテーマの1つとつながります。 千尋が豚たちの中に両親が居ないとわかったのは (豚の中から両親を当てるように命じられた千尋 引用:) これについては諸説あるようで、探して納得できると感じたものだけを書き出していきます。 ちなみにこの疑問について、宮崎監督は「私にも理由はわかりませんが、千尋はなぜかわかってしまうんです」とコメントしているようにあまりこれといった理由があることでもないようですし(しいて言えば『千尋の直感』が正解なのかもしれませんが)、作品を見た人それぞれが思い思いの解釈をする内容ですので正解はなく、逆に言えばすべてが正解です。 1つは『親子の絆』で両親がいないことが分かったという説。 2つ目は千尋が銭婆からもらった紫色の髪留めに、千尋の助けになるようなおまじないがかけられていて、千尋はそれに助けられたという説。 3つ目は、千尋自身が油屋で精神的に成長したから、という説です。 私は個人的には3つ目を信じています。 千尋は銭婆の所に行った時から、銭婆のことを「おばあちゃん」と呼びます。 そして、油屋に戻ってきたとき湯婆婆のこともおばあちゃんと呼んでいます。 これは恐らく、千尋が現実世界に帰るという決意が千尋の心を現実に近づけていたからだと思っています。 現実の世界にこんな不思議な銭湯はないし、魔法使いはいません。 (もしかしたらいるかもしれませんが、一般論として話を進めます) そして豚については、両親は魔法で豚にされていましたが、現実的に考えると魔法は存在しないので、両親が豚であるはずがありません。 そのため、千尋は「両親はこの中にいない」という答えを出したのではないかと思っています。

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映画「千と千尋の神隠し」のあらすじ・ネタバレと感想!動画の無料視聴方法も紹介

千 と 千尋 の 神隠し 泥 団子

今年の3月14日に公開されたアンデルセンの「雪の女王」をモチーフとしたディズニーアニメ は、7月16日現在の興行収入が249億円と国内歴代第3位となるメガヒット作品となっており、第2位の「タイタニック」(1997)の272億円も射程に捉えているが、今回はそのさらに上を行く304億円の歴代最高興行収入を記録した「千と千尋の神隠し」について述べていく。 興行的な成功だけでなく、世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭でアニメーション映画としては初となる最高賞の金熊賞を受賞するなど芸術的にも高く評価されている。 そして、数多く登場する食べ物絡みのシーンについてもファンの間でさまざまな解釈がなされるなど奥の深い作品である。 その食にまつわるシーンをたどりながら、物語を振り返ってみよう。 豚になった料理と豚にならない薬 千尋の両親が食べて豚に変えられた中華料理風の料理 映画の冒頭、千尋の父の運転する車は引越し先の町に向かう途中で地蔵や祠の点在する森の中に迷い込み、赤い建物の前の車止めに行く手を阻まれる。 千尋の静止を振り切って父母は建物のトンネルをくぐって行き、彼女も仕方なくそれについて行く。 トンネルの向こう側には草原が広がっていて、その先にある建物はバブル期に作られたテーマパークの廃墟のようにも見える。 何やらうまそうなにおいに誘われて先に進むと、そこには食堂街があり、店先には北京ダック、豚の角煮、春巻、フカヒレやクラゲのように見える中華風の料理が並んでいた。 子供そっちのけで料理を貪り食う両親の異常な様子から、すでにここが現実の世界ではない感覚が伝わってくるのだが、案の状、テーマパークに見えた場所のメインの建物は日本古来の信仰で万物に宿るとされる八百万(やおよろず)の神を接待する湯屋(油屋)で、料理は神々に饗するために用意されたものだった。 両親はそれに手を出した報いとして油屋の主人の魔女・湯婆婆(ゆばーば)によって豚の姿に変えられてしまう。 千尋も身体が消えかかるという窮地に陥るが、それを救ったのは湯婆婆の弟子で龍の化身・ハクであった。 彼はこの世界のものを食べないと消えてしまう、これを食べても豚にはならないからと言って千尋に赤い丸薬を飲ませる。 そしてこの世界では仕事を持たないと動物に変えられてしまうので、6本の腕と2本の足を持つ釜焚き担当の男・釜爺と湯婆婆に働きたいと頼むよう教えるのだった。 イモリの黒焼きと大根の神様とおにぎり 本作では大根の神様として描かれた「おしら様」 千尋は地下にあるボイラー室の釜爺のところに行くが、そこではすでに小さな妖怪ススワタリたちがたくさん働いていて、彼女の居場所はなかった。 しかし根は優しい性格の釜爺は千尋のためにまかない飯(釜爺には天丼、ススワタリには金平糖)を運んできた湯女のリンに、湯婆婆のところに連れていくように頼んでくれた。 このとき釜爺がリンを買収するために渡したのがイモリの黒焼きである。 これは一種の精力剤であり、油屋のきつい労働に従事する者たち全員の好物であった。 かくして千尋はリンの手引きで最上階にある湯婆婆の洋館までエレベーターで昇っていくのだが、その手助けをした神様が「おしら様」である。 おしら様は東北地方などで信仰されていて岩手県の遠野などでは馬の神様として知られているが、本作では大根を擬人化したトトロに似たずんぐりむっくりした姿で描かれている。 湯婆婆の脅しに負けずに雇用契約を取り付けた千尋だったが、名前を奪われ「千」という新しい名前で湯女として働くことになる。 翌朝、豚に姿を変えた両親のいる豚舎にハクと共に行った帰り、ハクが彼女に差し出したのが千尋が元気になるようまじないをかけて作ったというおにぎりである。 前日からの修羅場で何ものどを通らなかったひもじさと心細さが、ひとの温かい心に触れたことで涙腺が一挙に決壊し、彼女は大粒の涙をこぼしながらおにぎりを頬張る。 そしてハクは彼女に本当の名前を忘れると元の世界に帰れなくなるから必ず覚えているようにと言い聞かせるのだった。 河の神の苦団子 千(千尋)が河の神にもらった苦団子 その夜、ふたりの珍客が油屋を訪れる。 ひとりは「腐れ神」というヘドロの塊のような姿をした凄まじい悪臭を放つ神で、千に世話役が言い付けられる。 もうひとりは「カオナシ」という、仮面を被り半透明の黒い身体を持った神でもなく妖怪でもない謎の存在。 彼は油屋にかかる橋で千を見つけて以来ストーカーのように執拗に彼女につきまとう。 千はカオナシがくれた札を使って薬湯を出し腐れ神の汚れを流そうとするが、その身体には棘のようなものが刺さっていた。 他の者たちの力も借りて引き抜くと、自転車から釣り道具までさまざまなゴミが体内から大量に出てくる。 実は腐れ神の正体は河の神で、人間が捨てたゴミが原因でこのような姿になってしまったのである。 河の神は元の姿に戻してくれたお礼に千に緑色をした団子を渡し立ち去っていく。 この苦団子は物語の後半で、暴走するカオナシが飲み込んだ油屋の従業員たちを吐き出させたり、湯婆婆の双子の姉の銭婆(ぜにーば)から魔女の契約印を盗んだことで死の呪いをかけられたハクの体内から毒虫を追い払ったりと、浄化の象徴として大きな役割を果たすことになる。 グロテスクを越えて がもてはやされている中、今改めてこの作品を観てみると、清潔な優等生的な内容の「アナ雪」と比べ、ジブリアニメ特有の可愛いキャラクターデザインや久石譲の叙情的な音楽にカモフラージュされてはいるものの、グロテスクなシーンが多いことに驚かされる。 これは (1984)や (1997)といった他の宮崎作品にも共通する特徴である。 そのような描写は子供が鑑賞する映画にはそぐわないと思われるかも知れないが、グリム童話などの例を引くまでもなく、おとぎ話とはそもそも残酷な要素を含むものであり、子供たちはそこから禁忌や教訓を学んできたという側面がある。 現代はともすればそうした過激な描写から子供を遠ざける過保護な風潮があることを、本作では坊を甘やかす湯婆婆のエピソードなどで皮肉っているようにも見える。 こぼれ話 この映画の影の主役ともいえるカオナシのモデルは、スタジオジブリ所属のアニメーターで、現在公開中の最新作で監督を務めている米林宏昌とのことである(参考文献:シネマトゥディ )。 85) スタッフ 原作・脚色・監督:宮崎駿 映像演出:奥井敦 製作総指揮:徳間康快 製作:松下武義、氏家齊一郎、成田豊、星野康二、植村伴次郎、相原宏徳 プロデューサー:鈴木敏夫 プロデューサー補:石井朋彦 作画監督:安藤雅司、高坂希太郎、賀川愛 デジタル作画監督:片アマ満則 デジタル撮影:藪田順二、高橋わたる、田村淳 美術監督:武重洋二 美術監督補佐:吉田昇 音楽:久石譲 音楽プロデューサー:大川正義 主題歌:木村弓: 「いつも何度でも」 録音演出:林和弘 録音:東京テレビセンター 整音:井上秀司 効果:伊藤道廣、野口透 編集:瀬山武司 製作担当:奥田誠治、福山亮一 制作担当:高橋望 デジタル作画:泉津井陽一、軽部優、佐藤美樹、山田裕城、刀根有史 色彩設計:保田道世 色指定補佐:山田和子 キャスト(声の出演) 荻野千尋:柊瑠美 ハク:入野自由 湯婆婆、銭婆:夏木マリ 釜爺:菅原文太 お父さん:内藤剛志 お母さん:沢口靖子 父役:上條恒彦 兄役:小野武彦 青蛙:我修院達也 坊:神木隆之介 (参考文献:KINENOTE) 映画ウォッチャー 埼玉県出身。 第5回・第7回・第8回の計3回、キネマ旬報社主催の映画検定1級試験に合格。 第5回・第6回の田辺・弁慶映画祭の映画検定審査員も務めた。

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