ウミガメのスープ カーテン。 真っ暗な夜明け

真っ暗な夜明け

ウミガメのスープ カーテン

「…ただいま入りましたニュースです。 洋画家で芸術院会員の芝山泰司さんが亡くなりました。 今朝早く、自宅アトリエで首をつって死んでいるのを家の人が発見しました。 遺書などは残っておらず、発作的な自殺ではないかと見られています。 」 直子は画面に釘付けになった。 昨日、直子は芝山に会ったばかりだった。 「芝山さんは昭和38年に、40歳で日本洋画壇にデビュー。 力強い作風は海外にも広く認められ、世界的な画家として活躍していました。 芝山さんの自殺の動機について、周囲の人たちは全く心当たりがないと 言っており、大き謎として波紋を投げかけそうです。 日曜版の特集の打ち合わせで。 」 「そのとき何か感じなかったか? 自殺する予感とか。 そう、雰囲気とか」 「んー、雰囲気…。 」 昨夜のことを思い返し、思い当たるキーワードを1つ口にした。 「スープ。 」 「スープ!?」 「ええ。 海亀の。 「毎週日曜日の絵のページを楽しみにしている読者が、結構いるんです。 先生のように人気のある方の特集を組ませて頂けることになって、 編集部でも張り切っています。 」 「それは光栄です。 私もできる限り協力させていただきます。 」 ウエイターが最初の料理を運んできた。 「メインディッシュの前のスープです。 本日は非常に珍しい海亀のスープを用意させて頂きました。 」 「ほー、海亀か!」 ひどく感激したように声をだす。 皿に注がれたのは黄褐色のスープだ。 彼はそれを一口啜ると、突然こわばった表情になった。 「…ちがう、ちがうよ、君! …これは、海亀じゃない。 」 「え?」 「青くなった?」 「ええ。 幽霊を見たみたいに。 」 「本当に…、海亀の…、スープなのかね…」 「セレベス沖で捕れました、アカウミガメと聞いておりますが。 」 「あぁぁ…、アカウミガメ… 本当に…、海亀なんだ…」 「味に問題ありましたら、シェフを呼びますが。 」 無表情のままウェイターは言った。 「これが…、海亀だったのか… どうしておれは…、おれは…!」 「どうなさったんですか!?」 編集長「しかしスープを飲んだだけで自殺なんて。 なんかありそうだな。 」 「何なんでしょうね。 」 「とにかく世間じゃ謎の自殺だと騒いでるんだ。 芝山の自殺の真相を突き止めれば、大スクープだぞ。 直子、追いかけてみろ。 その中に、見覚えのある男を見つけた。 確か昨日、あのレストランにいた男だ。 昨夜、レストランでスープを一口啜った後、芝山は青ざめて席を立ち、 よろよろと歩き出した。 「芝山先生、ちょっと待ってください。 今、車呼んできますから。 」 直子が彼の体を支えようとしたが、彼はその手を振り払った。 「いい、一人にしてくれ!帰らせてくれ!うぅぅ…」 「先生ー…」 店の玄関まで追ったが、芝山は行ってしまった。 ため息をついて直子が振り返ると、 この様子を見ていた一人の男と目が合ったのだった。 この男が、彼と何か関わっていると察し、 直子は歩き去る男の後を追う。 トンネルの入り口に差し掛かったところで呼び止めた。 「あのー、あのー。 昨日あのレストランにいらっしゃいましたよね。 少しお話を聞かせてもらえませんか。 実は私、自殺の動機が先生の過去にあるような。 それもかなり古い過去。 なにかご存知なんですね。 何があったんですか。 」 男は何も答えず、背を向けて歩き去ろうとする。 「…海亀ですか?」 その単語を聞いて、男はぴたりと足を止めた。 「芝山さんは言いました。 『これちがう、海亀じゃない』って」 男は息を呑み、振り返る。 「あなたも何か関係あるんですか?」 「私は昨夜、偶然彼を30年ぶりに見かけた。 …それだけだ。 」 男はそれだけを答えると、再び歩き始めた。 直子は男に走りより、問いただした。 「なにがあったんです!? 人には話せないことなんですか? …犯罪?…まさか殺人?」 大声がトンネル内に響き、通行人が不審そうに振り返った。 「私は芝山先生が自殺する3、4時間前まで いっしょにいたんです。 同じ海亀のスープを飲んだんです それなのにあの方はもうこの世にいない。 どうしてなんです? 私知りたいんです。 人ってそんな突然死ねるんですか? じゃあ…、人って何なんです。 」 「何なんだろう…。 カーテン越しに波音が聞こえる。 男は2つのグラスに大きな氷を入れた。 「いいところですね。 「ずっとこちらにお住まいで?」 「つい一月まえから。 それまではずっと、コロラドの山の中に暮らしていました。 30年。 」 「30年も。 」 直子は長いテーブルの端に座った。 「海を忘れたくてね。 でも…帰ってきてしまった。 」 「あなたの忘れようとした海と、芝山先生の自殺と何か関係あるんですか?」 男は無言のまま、グラスに洋酒を注ぐ。 「あるんですか?」 相変わらず口の重い男は、遠くを見るように顔をあげ、 無言のまま長いテーブルの反対側に座った。 やはり何か、言いたくないことがありそうだ。 そしてそれは、芝山の自殺の真相のカギ。 「YESかNOか、それだけでも質問に答えてください」 男は眼鏡を外し、まっすぐ見つめて言った。 「YES」 直子は男の言葉をヒントに、推理しながら質問を始めた。 あなたと芝山先生をつなぐものは、海。 海の好きな男たちと、海亀。 …あなたは漁師だった?」 「No」 「じゃあ船乗り?」 「YES」 男はためらいがちに答えた。 「ちょっと待ってください。 芝山先生は40歳のときにデビューしたんでしたよね? そのまえはあの方も船乗りだった?」 男は首を縦に振った。 「女? 船乗りだったあなたと芝山先生は、一人の港の女を同時に愛してしまった。 その女は海亀のスープを作って、あなたたちのどちらかに飲ませた。 たぶんあなたに! それを芝山先生が嫉妬してその女を…」 「女は関係ありません。 」 推理を進めていく直子の言葉を遮るように、彼は言った。 そのとき強い風が窓から吹き込み、カーテンが揺れた。 「嵐? 嵐であなたたちが乗ってた船が難破した?」 「あぁ…」 と辛そうな表情で頷いた。 「そしてどこかの島に流れ着いた?」 「…セレベスの沖でした。 」 「でもそこは無人島で、食べるものが何も無かった?」 「何も無かった。 」 「そこで海亀を捕まえて食べた。 もちろんスープも作って飲んだ。 」 「私は、海亀のスープは飲んだことはありません。 」 「じゃあ、海亀のスープを飲んだのは芝山先生だけ?」 「NO。 昨日彼は、初めて海亀のスープを飲んだはずです。 」 直子は驚いて聞き返した。 「そんなことはありません。 だって…… どういうことなんです? 飲んだことも無いのにどうして味が違うって。 」 話が混乱しそうなので、これまでの話をまとめて確認した。 「船乗りだったあなたたちの船は難破して無人島に流れ着いた。 そこでスープは飲んだんですね?」 「YES」 「でもそれは海亀じゃなかった。 魚?」 「NO」 「じゃあ木の実?例えば椰子の実とか。 」 「NO」 「じゃあ動物?ネズミとかヘビとか。 …でもそんなもののスープと昨日のスープの味が違うからって 自殺することはない…。 」 男は震えるように息を呑みこんだ。 「じゃあ何のスープ……」!!!!!!!!!!!!!!!!!! 恐ろしいことを想像してしまった直子は、思わず手で顔を覆う。 指の隙間からゆっくり男の顔を見ようとする。 「島にたどり着いたのは、…あなたと芝山先生だけじゃなかった…? もう一人いたんですか!?」 男は無言で頷いた。 直子はむせびおののきながら、核心を尋ねる。 「もしかしたらその… イヤー!!だって、そんな!」 震えながら、直子は恐る恐る次の質問をした。 「…その人は、あなたたちより先に死んだ…?」 男が静かに頷くと、 直子は喚き声をあげ、涙を机につき伏せてしまった。 「次は芝山の番だった。 衰弱は激しく、死ぬのは目に見えていた。 だから私は…。 芝山は拒否しつづけました。 食べなければ死ぬと何度言っても 決して口にしようとしなかった。 私は彼を、だましてでも救けようと思った。 だからそれでスープをつくりました。 」 「あなたはそれを、海亀のスープだと言って彼に飲ませた…? 」 「昨日、芝山が海亀のスープを飲んで、味が違うと言ったのはそのためです。 そして彼は、あの日、島で何を飲んだのかを知り…。 …これが芝山の自殺の真相です。 運命は皮肉です。 彼にスープを飲ませた翌日、私と芝山はフィリピンの漁船に発見され、 救けられた。 あの日彼にスープを飲ませるのをもう一日我慢していたら 芝山は死ななくてすんだかもしれない。 私の一人が罪を背負えばよかった。 」 直子は声を絞り出して男に言った。 「芝山先生が自殺したのはあなたの責任じゃないわ。 だって、だって、あなたがスープを飲ませなかったら、 彼は救けの船が来る前に死んでたかもしれないじゃないの! そうよ! 何のスープが出されたか分からなかった彼の方が愚かなのよ! そうよ!! それを30年もたって、何のスープだか分かって、 罪の意識で死んでしまうなんてもっと愚かよー!! もっと愚かよー!!」 「私にこの話をしたあなた、死ぬつもりだったんでしょ。 死んじゃだめ。 きれいなことも汚いことも、みんなひっくるめて人間なんだと 私思います。 人間は死ぬために生まれてきたんじゃない。 人間は生きるためにつくられているのよ。 そうよ。 「編集長?スープが自殺に関係してるなんてとんでもない 思い違いでした。 大スクープになると思ったんですけど、 ひどいガセねたで一晩無駄にしちゃいました。 真相?んー、さあー人間なんてわかりませんからね。 たいしたことじゃないんじゃないですか。 いいお天気。 きれいな海。 じゃあ。 」 晴れた海岸を歩く直子。 直子が通り過ぎた後、近くで海亀の泳ぐ姿があった。

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ウミガメのスープ カーテン

「…ただいま入りましたニュースです。 洋画家で芸術院会員の芝山泰司さんが亡くなりました。 今朝早く、自宅アトリエで首をつって死んでいるのを家の人が発見しました。 遺書などは残っておらず、発作的な自殺ではないかと見られています。 」 直子は画面に釘付けになった。 昨日、直子は芝山に会ったばかりだった。 「芝山さんは昭和38年に、40歳で日本洋画壇にデビュー。 力強い作風は海外にも広く認められ、世界的な画家として活躍していました。 芝山さんの自殺の動機について、周囲の人たちは全く心当たりがないと 言っており、大き謎として波紋を投げかけそうです。 日曜版の特集の打ち合わせで。 」 「そのとき何か感じなかったか? 自殺する予感とか。 そう、雰囲気とか」 「んー、雰囲気…。 」 昨夜のことを思い返し、思い当たるキーワードを1つ口にした。 「スープ。 」 「スープ!?」 「ええ。 海亀の。 「毎週日曜日の絵のページを楽しみにしている読者が、結構いるんです。 先生のように人気のある方の特集を組ませて頂けることになって、 編集部でも張り切っています。 」 「それは光栄です。 私もできる限り協力させていただきます。 」 ウエイターが最初の料理を運んできた。 「メインディッシュの前のスープです。 本日は非常に珍しい海亀のスープを用意させて頂きました。 」 「ほー、海亀か!」 ひどく感激したように声をだす。 皿に注がれたのは黄褐色のスープだ。 彼はそれを一口啜ると、突然こわばった表情になった。 「…ちがう、ちがうよ、君! …これは、海亀じゃない。 」 「え?」 「青くなった?」 「ええ。 幽霊を見たみたいに。 」 「本当に…、海亀の…、スープなのかね…」 「セレベス沖で捕れました、アカウミガメと聞いておりますが。 」 「あぁぁ…、アカウミガメ… 本当に…、海亀なんだ…」 「味に問題ありましたら、シェフを呼びますが。 」 無表情のままウェイターは言った。 「これが…、海亀だったのか… どうしておれは…、おれは…!」 「どうなさったんですか!?」 編集長「しかしスープを飲んだだけで自殺なんて。 なんかありそうだな。 」 「何なんでしょうね。 」 「とにかく世間じゃ謎の自殺だと騒いでるんだ。 芝山の自殺の真相を突き止めれば、大スクープだぞ。 直子、追いかけてみろ。 その中に、見覚えのある男を見つけた。 確か昨日、あのレストランにいた男だ。 昨夜、レストランでスープを一口啜った後、芝山は青ざめて席を立ち、 よろよろと歩き出した。 「芝山先生、ちょっと待ってください。 今、車呼んできますから。 」 直子が彼の体を支えようとしたが、彼はその手を振り払った。 「いい、一人にしてくれ!帰らせてくれ!うぅぅ…」 「先生ー…」 店の玄関まで追ったが、芝山は行ってしまった。 ため息をついて直子が振り返ると、 この様子を見ていた一人の男と目が合ったのだった。 この男が、彼と何か関わっていると察し、 直子は歩き去る男の後を追う。 トンネルの入り口に差し掛かったところで呼び止めた。 「あのー、あのー。 昨日あのレストランにいらっしゃいましたよね。 少しお話を聞かせてもらえませんか。 実は私、自殺の動機が先生の過去にあるような。 それもかなり古い過去。 なにかご存知なんですね。 何があったんですか。 」 男は何も答えず、背を向けて歩き去ろうとする。 「…海亀ですか?」 その単語を聞いて、男はぴたりと足を止めた。 「芝山さんは言いました。 『これちがう、海亀じゃない』って」 男は息を呑み、振り返る。 「あなたも何か関係あるんですか?」 「私は昨夜、偶然彼を30年ぶりに見かけた。 …それだけだ。 」 男はそれだけを答えると、再び歩き始めた。 直子は男に走りより、問いただした。 「なにがあったんです!? 人には話せないことなんですか? …犯罪?…まさか殺人?」 大声がトンネル内に響き、通行人が不審そうに振り返った。 「私は芝山先生が自殺する3、4時間前まで いっしょにいたんです。 同じ海亀のスープを飲んだんです それなのにあの方はもうこの世にいない。 どうしてなんです? 私知りたいんです。 人ってそんな突然死ねるんですか? じゃあ…、人って何なんです。 」 「何なんだろう…。 カーテン越しに波音が聞こえる。 男は2つのグラスに大きな氷を入れた。 「いいところですね。 「ずっとこちらにお住まいで?」 「つい一月まえから。 それまではずっと、コロラドの山の中に暮らしていました。 30年。 」 「30年も。 」 直子は長いテーブルの端に座った。 「海を忘れたくてね。 でも…帰ってきてしまった。 」 「あなたの忘れようとした海と、芝山先生の自殺と何か関係あるんですか?」 男は無言のまま、グラスに洋酒を注ぐ。 「あるんですか?」 相変わらず口の重い男は、遠くを見るように顔をあげ、 無言のまま長いテーブルの反対側に座った。 やはり何か、言いたくないことがありそうだ。 そしてそれは、芝山の自殺の真相のカギ。 「YESかNOか、それだけでも質問に答えてください」 男は眼鏡を外し、まっすぐ見つめて言った。 「YES」 直子は男の言葉をヒントに、推理しながら質問を始めた。 あなたと芝山先生をつなぐものは、海。 海の好きな男たちと、海亀。 …あなたは漁師だった?」 「No」 「じゃあ船乗り?」 「YES」 男はためらいがちに答えた。 「ちょっと待ってください。 芝山先生は40歳のときにデビューしたんでしたよね? そのまえはあの方も船乗りだった?」 男は首を縦に振った。 「女? 船乗りだったあなたと芝山先生は、一人の港の女を同時に愛してしまった。 その女は海亀のスープを作って、あなたたちのどちらかに飲ませた。 たぶんあなたに! それを芝山先生が嫉妬してその女を…」 「女は関係ありません。 」 推理を進めていく直子の言葉を遮るように、彼は言った。 そのとき強い風が窓から吹き込み、カーテンが揺れた。 「嵐? 嵐であなたたちが乗ってた船が難破した?」 「あぁ…」 と辛そうな表情で頷いた。 「そしてどこかの島に流れ着いた?」 「…セレベスの沖でした。 」 「でもそこは無人島で、食べるものが何も無かった?」 「何も無かった。 」 「そこで海亀を捕まえて食べた。 もちろんスープも作って飲んだ。 」 「私は、海亀のスープは飲んだことはありません。 」 「じゃあ、海亀のスープを飲んだのは芝山先生だけ?」 「NO。 昨日彼は、初めて海亀のスープを飲んだはずです。 」 直子は驚いて聞き返した。 「そんなことはありません。 だって…… どういうことなんです? 飲んだことも無いのにどうして味が違うって。 」 話が混乱しそうなので、これまでの話をまとめて確認した。 「船乗りだったあなたたちの船は難破して無人島に流れ着いた。 そこでスープは飲んだんですね?」 「YES」 「でもそれは海亀じゃなかった。 魚?」 「NO」 「じゃあ木の実?例えば椰子の実とか。 」 「NO」 「じゃあ動物?ネズミとかヘビとか。 …でもそんなもののスープと昨日のスープの味が違うからって 自殺することはない…。 」 男は震えるように息を呑みこんだ。 「じゃあ何のスープ……」!!!!!!!!!!!!!!!!!! 恐ろしいことを想像してしまった直子は、思わず手で顔を覆う。 指の隙間からゆっくり男の顔を見ようとする。 「島にたどり着いたのは、…あなたと芝山先生だけじゃなかった…? もう一人いたんですか!?」 男は無言で頷いた。 直子はむせびおののきながら、核心を尋ねる。 「もしかしたらその… イヤー!!だって、そんな!」 震えながら、直子は恐る恐る次の質問をした。 「…その人は、あなたたちより先に死んだ…?」 男が静かに頷くと、 直子は喚き声をあげ、涙を机につき伏せてしまった。 「次は芝山の番だった。 衰弱は激しく、死ぬのは目に見えていた。 だから私は…。 芝山は拒否しつづけました。 食べなければ死ぬと何度言っても 決して口にしようとしなかった。 私は彼を、だましてでも救けようと思った。 だからそれでスープをつくりました。 」 「あなたはそれを、海亀のスープだと言って彼に飲ませた…? 」 「昨日、芝山が海亀のスープを飲んで、味が違うと言ったのはそのためです。 そして彼は、あの日、島で何を飲んだのかを知り…。 …これが芝山の自殺の真相です。 運命は皮肉です。 彼にスープを飲ませた翌日、私と芝山はフィリピンの漁船に発見され、 救けられた。 あの日彼にスープを飲ませるのをもう一日我慢していたら 芝山は死ななくてすんだかもしれない。 私の一人が罪を背負えばよかった。 」 直子は声を絞り出して男に言った。 「芝山先生が自殺したのはあなたの責任じゃないわ。 だって、だって、あなたがスープを飲ませなかったら、 彼は救けの船が来る前に死んでたかもしれないじゃないの! そうよ! 何のスープが出されたか分からなかった彼の方が愚かなのよ! そうよ!! それを30年もたって、何のスープだか分かって、 罪の意識で死んでしまうなんてもっと愚かよー!! もっと愚かよー!!」 「私にこの話をしたあなた、死ぬつもりだったんでしょ。 死んじゃだめ。 きれいなことも汚いことも、みんなひっくるめて人間なんだと 私思います。 人間は死ぬために生まれてきたんじゃない。 人間は生きるためにつくられているのよ。 そうよ。 「編集長?スープが自殺に関係してるなんてとんでもない 思い違いでした。 大スクープになると思ったんですけど、 ひどいガセねたで一晩無駄にしちゃいました。 真相?んー、さあー人間なんてわかりませんからね。 たいしたことじゃないんじゃないですか。 いいお天気。 きれいな海。 じゃあ。 」 晴れた海岸を歩く直子。 直子が通り過ぎた後、近くで海亀の泳ぐ姿があった。

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ウミガメのスープ カーテン

大好評だったウミガメのスープの良問を集めました。 前回書いたが結構な人が見てくれているようでありがたいです。 今回も、ユニ先生とふっくんの会話形式で、 ウミガメのスープの良問を厳選して3問お届けするので、楽しんでいってください。 ほんとは10問ぐらい書く予定でしたが、1問1問の会話が長いので1記事3つにすることにしました。 まだまだ良問が眠っているので後日記事を書こうかと思います。 念のためおさらいですが、ウミガメのスープは「YESかNOで答えられる質問をしていって状況を推理する」ゲームでしたね。 質問は何回しても良いので、どんどん質問して徐々に状況を絞っていきましょう。 そして何より推理の過程を楽しみましょう。 そんぐらい分かってんだよ早く問題出してくれ• ウミガメのスープにハマりすぎて、ウズウズしてますねこの子… ではさっそくいきましょう!あなたも一緒にお考えください! 画像はただのイメージなので特に関係ありません。 ウミガメのスープ実演 問題1「銃を突き付けられた男」 問題 男がバーに入り、バーテンダーに1杯の水を求めた。 しかしバーテンダーは、水を出す代わりに銃を出して男に向けた。 するとその男は「ありがとう」と言い残して店を出て行った。 男はしゃっくりを止めたくて水を頼んだ?• YES!閃きましたね。 あとは状況を補完すれば正解です。 男はしゃっくりを止めたくて水を頼んだ。 それを察したバーテンダーは機転をきかせ、「驚かせてしゃっくりを止めるために」銃を突きつけたんだな• 正解です。 素晴らしいです。 ドヤ 解説 男はしゃっくりが止まらなかった。 男はバーに立ち寄り、しゃっくりを止める為に水を一杯注文した。 そこでマスターは機転を利かせ、男に銃を突きつけた。 銃を突きつけられてびっくりした男はしゃっくりが止まり、マスターに「ありがとう」と言ってバーを去っていった。 出典元: 問題2「恋するフォーチュンクッキー」 問題 今日はバレンタインデー。 一体何故でしょうか?• カメコはカメタのことが好き?• NOです。 NOなのかよ、なんでハートのクッキーあげたんだよ…• 「like」ではなく「love」という意味ではNOということです。 じゃあ逆に、カメタはカメコのことが好き?• YES!• 分かったぞ、「ひびが入ったハートのクッキーだったから、義理のクッキーであることを察した」だろ?• 残念ながらNOですが、実はちょっと良い線いっています。 「義理であることを察した」という部分はあっています。 なるほど。 カメタは、もらったクッキーが「本命じゃない」と分かったから悲しんだんだな?• YESです。 一歩進みましたね。 カメタは、カメコが本命の男にチョコを渡しているのを見たとか?• NOです。 ~悩むふっくん~• カメコには本命の男がいる?• YESです。 本命の男にもハート型のクッキーをあげた?• YESです!良い質問です。 ん~だったらなぜ本命じゃないと分かったんだ…?• ここからは発想の転換が求められます。 おう、そりゃそうだろ。 他に何が……あっ…• カメコがカメタに渡したクッキーと、本命の男に渡したクッキーの形は違うのか!?• YESです。 気づいたようですね。 ふっくんは答えに辿りついたようです。 あなたは答えが分かりましたか? 以下、解答と解説になります。 男以外に登場人物はいる?• NOです。 けど良いですね、関係している人がいるかどうかの確認は大事です。 ウミガメのスープに慣れてきましたね。 まあ、ウミガメのプロとして当然だな• 男がミスをしたから景色が綺麗だった?• YES!• ということは、ミスをしなければ景色は綺麗では無い…?• YESですが、「景色は綺麗では無い」というのは捉え方によるものがあると言っておきます。 カーテンを開けたのは朝?• YES!• 男は朝起きてカーテンを開けた?• YES!• 男は自宅にいた?• YES!調子が良いですね。 まあ、ウミガ 略 ~ふっくんが調子に乗ってきたので中略~• 晴れじゃないとこの話は成り立たないのか?• NOです。 実は天気は関係ありません。 外で起こった出来事を見てミスに気づいた?• NOです。 ん~、じゃあもしかして、景色の内容は関係無い?• YES。 いい質問です。 外を見ないと男は自分のミスに気付かなかった?• NOです!外を見なくてもミスに気づいたでしょう。 いいところまでいってる気がするけど、何のミスなのか全然わからん…• 男は寝坊した?• NOです。 男は何かを壊したとか?• NOです。 男は何かをし忘れた?• YES!良い質問です。 おおっ……!? ~ふっくん、さらに悩む~• 何かをし忘れたタイミングは朝ですか?• NO!いい質問です。 え、じゃあ寝る前に何かをし忘れたとか?• YES!良いところを絞れましたね。 てきとうに言ったら当たった…• 夜に目覚ましをかけるのを忘れたとか?• NOです。 「景色はとても綺麗だった」ことを思い出してください。 昨日の夜に何かをし忘れた…朝起きてカーテンをあけると景色はとても綺麗だった…• そして、外の景色の内容は特に関係無いとも言ってたな…• ………あっ!!!!!!!! ふっくんはやっと答えに辿りついたようです。 あなたは答えが分かりましたか? 以下、解答と解説になります。 どうでしたか、今回のウミガメのスープの問題は。 なかなか面白かったぜ• ふっくんも慣れてきたのか、状況を絞り込む質問の仕方が上手くなってきましたね。 「登場人物が何人いるか、どういう人なのか」とか「出来事が起こった場所、状況」とか、どんどん絞っていくのが大事だな• あと、問題文から「思いこみで勘違いしてる」可能性もあるから、発想の転換も必要ってことだな。 そのとおりですね。 次回はもっと深いウミガメのスープを出題しますので楽しみにしておいてください。 何言ってんの?朝までやるぞおら• ~完~ おわりに ウミガメのスープの厳選集はいかがだったでしょうか。 少しでも「これ良い!」と思ってくれる問題があったなら幸いです。 良ければツイッターなどでこの記事を拡散して、ウミガメのスープの面白さを知ってもらえれば超喜びます。 また、第二弾、第三弾と、厳選した問題をどんどん載せていくのでよろしくお願いします。 それでは~。

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