けら す。 ゆうかん(台風中継ピンク男)名前は家老佑(けら・ゆう)で大学は日本薬科?女装の理由は?

けらすスーツ騒動

けら す

オケラとは、「アンパンマン」の原作者で絵本作家・漫画家のやなせたかし氏(1919~2013年)作詞の童謡「手のひらを太陽に」の歌詞に登場する、あのオケラです。 現代では、実物を見たことがないという人のほうが多いとも聞きます。 正式和名はケラ(螻蛄 Gryllotalpa orientalis)で、直翅目キリギリス亜目コオロギ上科に属し、ケラ科として3属70種ほどから構成される独立グループ。 日本には北海道から八重山諸島までの全土に、ただ一種の東洋ケラ(Gryllotalpa orientalis)の島嶼型亜種のみが分布する、稀有な昆虫です。 体長は成虫で3cm前後から大きな個体で5cm程度になります。 この上半身に筒型で長い腹部が接続し、ちょっと特急列車のようにも見えます。 孵化から成虫に至るまで、一生のほとんどを水分の多い水辺などの泥の中で過ごし、この生態のために獲得したショベルカー型の大きな前肢や筒型の丸い胴部、口の先端が細くなったずんぐりした流線型の頭部などモグラと共通した特徴は、土の中に潜って生活する生態に適応した収斂進化(まったく別系統の生物同士が、その環境適応の中で似通った進化形態や機能を獲得すること)の典型例として、しばしば言及されます。 土中で邪魔にならないよう、昆虫にしては肢が太くて短くむちむちしています。 全身にはビロードのような手触りの柔毛が生えていて、泥をはじいて汚れがつきにくくなっているなど、どうも昆虫っぽくありません。 化石痕跡からは、少なくとも白亜紀ごろには、ケラの祖先が生きていたことがわかっています。 ちなみにですが、「虫けら」のけら=虫のケラのことではない…というのが定説です。 空へ地中へ水面へ、どこでも行けちゃう。 でも乾燥だけは勘弁な! ケラは、ショベルカー型の前肢で力強く土を掘り進み、ミミズやセミ・コガネムシなどの幼虫、ダニや生物の死骸、草の根や葉、種子や実など、ありとあらゆる有機物を旺盛に摂食する大食漢です。 湿った土の中での生活が一生のほとんど全てを占めますが、実は「五能の虫」といわれる万能運動選手。 普段は背中の真ん中にコンパクトに畳まれている後翅は、実は広げると大きく、この翅で空を飛びまわることも出来ます。 地上に出て移動することもあり、その際には短めの肢でそれなりに早足で走ることが出来ます。 また、全身の毛で水をはじくため容易に水に浮き、大きな前脚をオールにして、全身をくねらせて巧みに泳ぎます。 さらには、垂直の壁や樹木を這い登ることも可能で、「掘る・飛ぶ・走る・泳ぐ・登る」という水陸空地中、全てで活動可能な全能の昆虫とされているのです。 これに「跳ぶ・鳴く」を加えて「螻蛄 おけら の七つ芸」「螻蛄芸」「螻蛄才」という成語もあります。 ほめているようですが、どんなこともそれなりにこなすがどれも中途半端でたいして役に立たない器用貧乏な奴、という、あまりよくない喩えとして使われるものです。 『和漢三才図会』(寺島良安 1712年)の「中之巻 巻五十三 化生虫」の「螻蛄」の項目に、 此蟲有五能而不成一 技其五能能飛不能過屋能𦂁不能窮木能游不能度谷能穴不能掩身能走不能免人 とあり、「この虫は五つの能力があるがどれもまともな技能ではない」と辛らつに貶めています。 しかし、「土を掘る」ということにおいてケラに匹敵する昆虫はなく、能力を貶めすぎのような気がします。 12mのトンネルを1分で掘るなんて、重機を使っても不可能ですよね。 さらに、Uターン出来ないほど狭い隙間を通過中に、向かいから危険が迫っても、ケラは体を反転させずにそのまま猛スピードでバック出来るという特技も持っています。 ケラが貶められるのは、ユーモラスな外見や、カマキリや甲虫類のように強靭な武器や堅い殻を持たないため、何となく「だめなやつ」というイメージをもたれてきたせいかもしれません。 しかし、それほどダメなやつが、日本全土のさまざまな風土でニッチ(生態的地位)を獲得し、繁殖し続けることが出来るでしょうか。 武器らしい武器も持たない弱いケラに、空、水場、起伏のある陸地などを自由に移動する高い能力・適応力があったからこそではないでしょうか。 しかし、そんな五能のケラ、最大の弱点は乾燥で、水分が少ない環境におかれると、一日で衰弱して死んでしまうといわれています。 楽器を作り、ゆりかごを作り…オケラは細やかなクラフター ケラの寿命は通常二年程と考えられ、発生は年一回で初夏から夏。 秋までに8~10回ほどの脱皮を繰り返して羽化(成虫化)し、成虫として土中で越冬して、翌春に目覚めると繁殖活動に入るというサイクルです。 北日本の暖かい時期が短い地方では、二年に一度の発生で、寿命も三年ほどになる個体もあるようです。 3月から4月ごろの春の夜、オスは地上に這い出て空を飛び、生活・繁殖に適した場所を探し回ります。 場所が定まると地面を掘り、ねぐらとなる30cmほどの深さの縦穴と、採餌・移動用の浅い部分にはりめぐらせた横穴ルートからなる巣穴を形成します。 そして5月から6月ごろの初夏、気温が上がり、田んぼに水が引かれ、雨量も多くなる頃。 オスは巣穴の中で左前翅を右前翅にこすりあわせ、音を発します。 この際、オスは巣穴の横穴の一部を独特の形状に作り替えます。 一本のトンネルから地上に分岐した二管の穴を開け、自身は分岐点からやや奥の穴の中に陣取って、そこからメスを呼ぶコーリングソングを奏でるのです。 鳴き声はトンネルの壁に反響し、共鳴して、地上に開いた二つの穴から外へと、増幅されて拡散します。 まさにダブルホーンの管楽器。 発声する昆虫は数多くいますが、増幅装置を自作する昆虫は、ケラだけでしょう。 この音に惹かれてメスが飛んできて、オスの巣穴にメスが導き入れられ、巣穴の中で交尾します。 受精したメスは、約二週間ほど経つと地中に深さ30cmほどの穴を掘り、その奥で産卵します。 まず泥と草を押し固めて「おはぎ」のような泥の塊をいくつも作り、その内側に空間を開けて卵のゆりかご「卵室」を作ります。 それぞれの卵室に、数十個ずつに分けて卵を産みつけ、穴をふさぎます。 卵は乳白色の粒グミキャンディーのようで、産卵する卵の総数は300個ほど。 卵は20日ほどで孵化しますが、その間メスは卵室が乾燥したり外敵に襲われないよう、傍にとどまり、卵を守るといわれています。 孵化した幼虫は最初は真っ白で、やがて茶褐色に変わりますが、羽がなく小さい以外は親とほぼ同じ形状をしていて、卵室に埋め込まれた草を食べて成長し、やがて外に出て、おのおのがぴょんぴょんとコオロギのように跳ね跳びながら新天地に巣立っていきます。 ケラはかつては身近な里山昆虫でどこにでも見られましたが、近年各地で数を大きく減らしているようです。 各地で進む都市化による乾燥と、水田の減少が大きく関わっていると考えられています。 特に目立つ生き物と言うわけではありませんが、日本の風土文化の中で共存し、愛されてきた存在であることは間違いありません。 しっとりとした日本の風土によりそって生きてきた、特異な生き物が今後も生きられる環境であってほしいものです。

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「虫けら」の‟けら”ってなに?土の中から響く不思議な音色の正体は…(buildandquote.challenger-ag.comサプリ 2020年05月09日)

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オケラとは、「アンパンマン」の原作者で絵本作家・漫画家のやなせたかし氏(1919~2013年)作詞の童謡「手のひらを太陽に」の歌詞に登場する、あのオケラです。 現代では、実物を見たことがないという人のほうが多いとも聞きます。 正式和名はケラ(螻蛄 Gryllotalpa orientalis)で、直翅目キリギリス亜目コオロギ上科に属し、ケラ科として3属70種ほどから構成される独立グループ。 日本には北海道から八重山諸島までの全土に、ただ一種の東洋ケラ(Gryllotalpa orientalis)の島嶼型亜種のみが分布する、稀有な昆虫です。 体長は成虫で3cm前後から大きな個体で5cm程度になります。 この上半身に筒型で長い腹部が接続し、ちょっと特急列車のようにも見えます。 孵化から成虫に至るまで、一生のほとんどを水分の多い水辺などの泥の中で過ごし、この生態のために獲得したショベルカー型の大きな前肢や筒型の丸い胴部、口の先端が細くなったずんぐりした流線型の頭部などモグラと共通した特徴は、土の中に潜って生活する生態に適応した収斂進化(まったく別系統の生物同士が、その環境適応の中で似通った進化形態や機能を獲得すること)の典型例として、しばしば言及されます。 土中で邪魔にならないよう、昆虫にしては肢が太くて短くむちむちしています。 全身にはビロードのような手触りの柔毛が生えていて、泥をはじいて汚れがつきにくくなっているなど、どうも昆虫っぽくありません。 化石痕跡からは、少なくとも白亜紀ごろには、ケラの祖先が生きていたことがわかっています。 ちなみにですが、「虫けら」のけら=虫のケラのことではない…というのが定説です。 空へ地中へ水面へ、どこでも行けちゃう。 でも乾燥だけは勘弁な! ケラは、ショベルカー型の前肢で力強く土を掘り進み、ミミズやセミ・コガネムシなどの幼虫、ダニや生物の死骸、草の根や葉、種子や実など、ありとあらゆる有機物を旺盛に摂食する大食漢です。 湿った土の中での生活が一生のほとんど全てを占めますが、実は「五能の虫」といわれる万能運動選手。 普段は背中の真ん中にコンパクトに畳まれている後翅は、実は広げると大きく、この翅で空を飛びまわることも出来ます。 地上に出て移動することもあり、その際には短めの肢でそれなりに早足で走ることが出来ます。 また、全身の毛で水をはじくため容易に水に浮き、大きな前脚をオールにして、全身をくねらせて巧みに泳ぎます。 さらには、垂直の壁や樹木を這い登ることも可能で、「掘る・飛ぶ・走る・泳ぐ・登る」という水陸空地中、全てで活動可能な全能の昆虫とされているのです。 これに「跳ぶ・鳴く」を加えて「螻蛄 おけら の七つ芸」「螻蛄芸」「螻蛄才」という成語もあります。 ほめているようですが、どんなこともそれなりにこなすがどれも中途半端でたいして役に立たない器用貧乏な奴、という、あまりよくない喩えとして使われるものです。 『和漢三才図会』(寺島良安 1712年)の「中之巻 巻五十三 化生虫」の「螻蛄」の項目に、 此蟲有五能而不成一 技其五能能飛不能過屋能𦂁不能窮木能游不能度谷能穴不能掩身能走不能免人 とあり、「この虫は五つの能力があるがどれもまともな技能ではない」と辛らつに貶めています。 しかし、「土を掘る」ということにおいてケラに匹敵する昆虫はなく、能力を貶めすぎのような気がします。 12mのトンネルを1分で掘るなんて、重機を使っても不可能ですよね。 さらに、Uターン出来ないほど狭い隙間を通過中に、向かいから危険が迫っても、ケラは体を反転させずにそのまま猛スピードでバック出来るという特技も持っています。 ケラが貶められるのは、ユーモラスな外見や、カマキリや甲虫類のように強靭な武器や堅い殻を持たないため、何となく「だめなやつ」というイメージをもたれてきたせいかもしれません。 しかし、それほどダメなやつが、日本全土のさまざまな風土でニッチ(生態的地位)を獲得し、繁殖し続けることが出来るでしょうか。 武器らしい武器も持たない弱いケラに、空、水場、起伏のある陸地などを自由に移動する高い能力・適応力があったからこそではないでしょうか。 しかし、そんな五能のケラ、最大の弱点は乾燥で、水分が少ない環境におかれると、一日で衰弱して死んでしまうといわれています。 楽器を作り、ゆりかごを作り…オケラは細やかなクラフター ケラの寿命は通常二年程と考えられ、発生は年一回で初夏から夏。 秋までに8~10回ほどの脱皮を繰り返して羽化(成虫化)し、成虫として土中で越冬して、翌春に目覚めると繁殖活動に入るというサイクルです。 北日本の暖かい時期が短い地方では、二年に一度の発生で、寿命も三年ほどになる個体もあるようです。 3月から4月ごろの春の夜、オスは地上に這い出て空を飛び、生活・繁殖に適した場所を探し回ります。 場所が定まると地面を掘り、ねぐらとなる30cmほどの深さの縦穴と、採餌・移動用の浅い部分にはりめぐらせた横穴ルートからなる巣穴を形成します。 そして5月から6月ごろの初夏、気温が上がり、田んぼに水が引かれ、雨量も多くなる頃。 オスは巣穴の中で左前翅を右前翅にこすりあわせ、音を発します。 この際、オスは巣穴の横穴の一部を独特の形状に作り替えます。 一本のトンネルから地上に分岐した二管の穴を開け、自身は分岐点からやや奥の穴の中に陣取って、そこからメスを呼ぶコーリングソングを奏でるのです。 鳴き声はトンネルの壁に反響し、共鳴して、地上に開いた二つの穴から外へと、増幅されて拡散します。 まさにダブルホーンの管楽器。 発声する昆虫は数多くいますが、増幅装置を自作する昆虫は、ケラだけでしょう。 この音に惹かれてメスが飛んできて、オスの巣穴にメスが導き入れられ、巣穴の中で交尾します。 受精したメスは、約二週間ほど経つと地中に深さ30cmほどの穴を掘り、その奥で産卵します。 まず泥と草を押し固めて「おはぎ」のような泥の塊をいくつも作り、その内側に空間を開けて卵のゆりかご「卵室」を作ります。 それぞれの卵室に、数十個ずつに分けて卵を産みつけ、穴をふさぎます。 卵は乳白色の粒グミキャンディーのようで、産卵する卵の総数は300個ほど。 卵は20日ほどで孵化しますが、その間メスは卵室が乾燥したり外敵に襲われないよう、傍にとどまり、卵を守るといわれています。 孵化した幼虫は最初は真っ白で、やがて茶褐色に変わりますが、羽がなく小さい以外は親とほぼ同じ形状をしていて、卵室に埋め込まれた草を食べて成長し、やがて外に出て、おのおのがぴょんぴょんとコオロギのように跳ね跳びながら新天地に巣立っていきます。 ケラはかつては身近な里山昆虫でどこにでも見られましたが、近年各地で数を大きく減らしているようです。 各地で進む都市化による乾燥と、水田の減少が大きく関わっていると考えられています。 特に目立つ生き物と言うわけではありませんが、日本の風土文化の中で共存し、愛されてきた存在であることは間違いありません。 しっとりとした日本の風土によりそって生きてきた、特異な生き物が今後も生きられる環境であってほしいものです。

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けらす / 鉄道・旅行系チャンネルの30日間推移|YouTubeランキング

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オケラとは、「アンパンマン」の原作者で絵本作家・漫画家のやなせたかし氏(1919~2013年)作詞の童謡「手のひらを太陽に」の歌詞に登場する、あのオケラです。 現代では、実物を見たことがないという人のほうが多いとも聞きます。 正式和名はケラ(螻蛄 Gryllotalpa orientalis)で、直翅目キリギリス亜目コオロギ上科に属し、ケラ科として3属70種ほどから構成される独立グループ。 日本には北海道から八重山諸島までの全土に、ただ一種の東洋ケラ(Gryllotalpa orientalis)の島嶼型亜種のみが分布する、稀有な昆虫です。 体長は成虫で3cm前後から大きな個体で5cm程度になります。 この上半身に筒型で長い腹部が接続し、ちょっと特急列車のようにも見えます。 孵化から成虫に至るまで、一生のほとんどを水分の多い水辺などの泥の中で過ごし、この生態のために獲得したショベルカー型の大きな前肢や筒型の丸い胴部、口の先端が細くなったずんぐりした流線型の頭部などモグラと共通した特徴は、土の中に潜って生活する生態に適応した収斂進化(まったく別系統の生物同士が、その環境適応の中で似通った進化形態や機能を獲得すること)の典型例として、しばしば言及されます。 土中で邪魔にならないよう、昆虫にしては肢が太くて短くむちむちしています。 全身にはビロードのような手触りの柔毛が生えていて、泥をはじいて汚れがつきにくくなっているなど、どうも昆虫っぽくありません。 化石痕跡からは、少なくとも白亜紀ごろには、ケラの祖先が生きていたことがわかっています。 ちなみにですが、「虫けら」のけら=虫のケラのことではない…というのが定説です。 空へ地中へ水面へ、どこでも行けちゃう。 でも乾燥だけは勘弁な! ケラは、ショベルカー型の前肢で力強く土を掘り進み、ミミズやセミ・コガネムシなどの幼虫、ダニや生物の死骸、草の根や葉、種子や実など、ありとあらゆる有機物を旺盛に摂食する大食漢です。 湿った土の中での生活が一生のほとんど全てを占めますが、実は「五能の虫」といわれる万能運動選手。 普段は背中の真ん中にコンパクトに畳まれている後翅は、実は広げると大きく、この翅で空を飛びまわることも出来ます。 地上に出て移動することもあり、その際には短めの肢でそれなりに早足で走ることが出来ます。 また、全身の毛で水をはじくため容易に水に浮き、大きな前脚をオールにして、全身をくねらせて巧みに泳ぎます。 さらには、垂直の壁や樹木を這い登ることも可能で、「掘る・飛ぶ・走る・泳ぐ・登る」という水陸空地中、全てで活動可能な全能の昆虫とされているのです。 これに「跳ぶ・鳴く」を加えて「螻蛄 おけら の七つ芸」「螻蛄芸」「螻蛄才」という成語もあります。 ほめているようですが、どんなこともそれなりにこなすがどれも中途半端でたいして役に立たない器用貧乏な奴、という、あまりよくない喩えとして使われるものです。 『和漢三才図会』(寺島良安 1712年)の「中之巻 巻五十三 化生虫」の「螻蛄」の項目に、 此蟲有五能而不成一 技其五能能飛不能過屋能𦂁不能窮木能游不能度谷能穴不能掩身能走不能免人 とあり、「この虫は五つの能力があるがどれもまともな技能ではない」と辛らつに貶めています。 しかし、「土を掘る」ということにおいてケラに匹敵する昆虫はなく、能力を貶めすぎのような気がします。 12mのトンネルを1分で掘るなんて、重機を使っても不可能ですよね。 さらに、Uターン出来ないほど狭い隙間を通過中に、向かいから危険が迫っても、ケラは体を反転させずにそのまま猛スピードでバック出来るという特技も持っています。 ケラが貶められるのは、ユーモラスな外見や、カマキリや甲虫類のように強靭な武器や堅い殻を持たないため、何となく「だめなやつ」というイメージをもたれてきたせいかもしれません。 しかし、それほどダメなやつが、日本全土のさまざまな風土でニッチ(生態的地位)を獲得し、繁殖し続けることが出来るでしょうか。 武器らしい武器も持たない弱いケラに、空、水場、起伏のある陸地などを自由に移動する高い能力・適応力があったからこそではないでしょうか。 しかし、そんな五能のケラ、最大の弱点は乾燥で、水分が少ない環境におかれると、一日で衰弱して死んでしまうといわれています。 楽器を作り、ゆりかごを作り…オケラは細やかなクラフター ケラの寿命は通常二年程と考えられ、発生は年一回で初夏から夏。 秋までに8~10回ほどの脱皮を繰り返して羽化(成虫化)し、成虫として土中で越冬して、翌春に目覚めると繁殖活動に入るというサイクルです。 北日本の暖かい時期が短い地方では、二年に一度の発生で、寿命も三年ほどになる個体もあるようです。 3月から4月ごろの春の夜、オスは地上に這い出て空を飛び、生活・繁殖に適した場所を探し回ります。 場所が定まると地面を掘り、ねぐらとなる30cmほどの深さの縦穴と、採餌・移動用の浅い部分にはりめぐらせた横穴ルートからなる巣穴を形成します。 そして5月から6月ごろの初夏、気温が上がり、田んぼに水が引かれ、雨量も多くなる頃。 オスは巣穴の中で左前翅を右前翅にこすりあわせ、音を発します。 この際、オスは巣穴の横穴の一部を独特の形状に作り替えます。 一本のトンネルから地上に分岐した二管の穴を開け、自身は分岐点からやや奥の穴の中に陣取って、そこからメスを呼ぶコーリングソングを奏でるのです。 鳴き声はトンネルの壁に反響し、共鳴して、地上に開いた二つの穴から外へと、増幅されて拡散します。 まさにダブルホーンの管楽器。 発声する昆虫は数多くいますが、増幅装置を自作する昆虫は、ケラだけでしょう。 この音に惹かれてメスが飛んできて、オスの巣穴にメスが導き入れられ、巣穴の中で交尾します。 受精したメスは、約二週間ほど経つと地中に深さ30cmほどの穴を掘り、その奥で産卵します。 まず泥と草を押し固めて「おはぎ」のような泥の塊をいくつも作り、その内側に空間を開けて卵のゆりかご「卵室」を作ります。 それぞれの卵室に、数十個ずつに分けて卵を産みつけ、穴をふさぎます。 卵は乳白色の粒グミキャンディーのようで、産卵する卵の総数は300個ほど。 卵は20日ほどで孵化しますが、その間メスは卵室が乾燥したり外敵に襲われないよう、傍にとどまり、卵を守るといわれています。 孵化した幼虫は最初は真っ白で、やがて茶褐色に変わりますが、羽がなく小さい以外は親とほぼ同じ形状をしていて、卵室に埋め込まれた草を食べて成長し、やがて外に出て、おのおのがぴょんぴょんとコオロギのように跳ね跳びながら新天地に巣立っていきます。 ケラはかつては身近な里山昆虫でどこにでも見られましたが、近年各地で数を大きく減らしているようです。 各地で進む都市化による乾燥と、水田の減少が大きく関わっていると考えられています。 特に目立つ生き物と言うわけではありませんが、日本の風土文化の中で共存し、愛されてきた存在であることは間違いありません。 しっとりとした日本の風土によりそって生きてきた、特異な生き物が今後も生きられる環境であってほしいものです。

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