えむこ をち。 【プロスピA】 横浜ベイスターズ 応援歌 パスワード

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えむこ をち

archive. 首尾の 卷を 併せ て、 全 部 七 卷、 約 四千 頁の 大著で ある。 今 その 第 一 卷の 世に出 づ るに 常つ て 一 言 を 添 ふること は、 余 の光榮 で あるば かりで な く、 又 本書に 對し て いさ 、 か 關 係 を 有 し て ゐ る 余 の 義 務 で ぁ る こ と を ず る の で ぁ る。 故芳 S 博士が 東京 帝國大 學 の 敎 壇 を 引返され て、 余 がその 後 を 襲うて 國文學 講座 を擔 任す る ことに なった 頃、 余 は 責任の 頗る 重大なる こと を 忍う て、 密 に 講座 以外に 極 種の 計 畫を立 てた。 不敏な 余 一 人の 力で は、 如何に 硏 究に沒 頭し、 精 進した 所 で、 成 就 し 得 ベ き 所 は 恐らく 言 ふに も 足らない であら う。 それに は具體 的な 方策と し て、 雜 誌 の 發 刊、 新硏究 叢書 の 出版、 新 註釋書 の 著述、 特殊 辭典 の 編纂、 講演 旅行, や. - 々 を 實 行したい ものであると 考 へた。 而 して その 巾の ニー は、:!: 感 !!: 學 君の 多大な 協力 援助 を? 4- て、 現に 實 行の 途中に. 當時 新註釋 書と して 余の 求めた 所 は、 過 去 の 業績 を 集成す ると 北ハ に、 こ れ を 增 補し、 打 正 し、 a つ 先人の 成し 得な か つた 方面に,: 1: つ て 、现 代の 新 學問を 以て 新し い 開拓 をな した ものと いふので あつ たつ かう いふ ことが 一 朝 一 夕に 成し べき こと で な い 位 はせ::々 承知の ことであった が、 余 はこれ を 新進 氣 鋭の 學者? i 君 に 希 し、 勸 誘 し てパふ ,!z の 造詣の いものに つ い て實行 されん こと を懇 求した。 余 は 色 勝れた る の で あ かう い これ は 余 か は 固よ 周知の こ 實 な 態 度 ある。 そ づ ベ き も 年の 歳月 は 空しく 斷の 努力 を 以て 謠 こ の 難 業に 從事さ こ 、 に 本書の 完成 嬰 兒の逢 婆 役を務 る つ て は 君に 對 して の 衷情で ある。 佐 成 君の 斯學の 大家 で ある。 そ ものに 由つ て 世人の 推 ゐ る 蘊蓄 は早晚 必ず 纒 る。 余の 勸, 說は唯 その 幸に 佐 成 君 は た。 二 W 數卜番 に 敬服に 餘りぁ きく て、 让逾 で、 1 谷 愉快と をお ぼえ 知れない。 併し 待たず と も、 い つ 謠 典 能 樂」 硏 究 は の 平素の 熱 心、 忠 重して ゐる所 で めら れ て、 世 に 出 時期 を!: トめ たに 過ぎない。 君が 余の 企て を 賛成し て、 本書 の 完成 を 約され て か ら、 w くす ると、 數 枚の 15- 稿 を携へ て來て 示された。 然 る に、 そ の 後 君 は 又 大部の 稿 木 を 持 參 さ れ て、 全 部 稿 を 改めた といって 示された。 余 は 君の 業に 忠實 なのに 驚歎した。 そ して 初 稿より 更に 一 段の 進歩 を 示 し、 面 目 を 一 新して ゐ るの を 知つ て、 木 15 の 儿 成の 日 を 待つ 念 は 一 曆深 くな つたの で あ る。 意 匠 を 用 ひら れる ことにな つた。 今 その 第一 卷を 見る に、 余 の 期待に 背かず、 こ の 種の 著と して 確に 劃期の 大著 勞作 として、 又よ く 書架 を 飾る に 足る 美本と し て、 こ れを 世に 獎め 得る こと を 喜と し、 光 榮 とする。 蓋 し、 新 を 追 ふば かりが 我々 の 能と すべき もので は あるまい。 や 奇を銜 ふが 如き は、 寧 ろ その 國家 社會に 及ぼす 弊の 多き に堪 へ な いので ある C 我が 國は 世界 特殊の 文化 を 有 し、 又 誇 る ベ き 古典 文 藝 を 有する 國 であるに 拘ら ず、 國 民は餘 りに 祖國の 文化に 冷淡で あり、 餘 りに 自國の 古典 文 藝 に 無 知 で あ る。 謠 曲 能 樂 は 我が 古典 文 藝 の 一 と し て、 我 々 の眞 面目な 鑑 賞. 研 究を 必要と する もの で ある。 のみ な ら ず、 我 々は その 特 質. 價 値 を 世界に 紹へハ し て、 世 界 の 藝 術に 寄與せ んと 期すべき もの で あ ら う。 け れ ど も、 特 殊な 古典 藝 術 で あるから、 我々 と雖 も、 卒 爾 として その 詞章に 臨 み、 演 能 を觀れ ば、 到 底 十分に 理 解 し、 鑑 赏 する こと を? S: ない。 然 る に、 古 來 「謠 鈔」 「拾 葉抄」 「通解」 な ど の、 詞 章の 註釋書 や、 又 特殊な 硏 究 など も あるが、 いづれ も 十分に 纒 まった もので ない。 隨 つて そこに 非 s な 不便が あった。 木 書 は あらゆる 方面 を 集めて ゐる 所に 特色 の 一 が ある。 この 點に 於て 先づ 時弊 を 救 ふ ものである。 作 者. 粳 槪. 出 典. 槪 評 を 述べ、 そ れ から t:- を 三 段に 區 劃し て、 巾 段に は詞 章 が あ る。 詞章の 中に は、 演 出の 場合 の、 間 狂 言 の詞. ヮキゼ リフか ら 、型. 裝 束 等 を 示して ある。 上 段に は 語句の 註釋が ある。 かくてl? 忍 ふに 謠 曲 は、 そ の 詞章の みを讀 むすら 頗る!: 難で ある。 出典の 多い 語句 の義を 明らかにする ことの 困難な 上 に、 緣 語. 能 の 演出 方面 は、 そ の 専門家 達 に 秘められた ものが あつ て、 學者 研究の 便を缺 くこと が 多い。 余 は 躊躇な く、 こ れを 學界と 一 般 家庭と に 椎獎 す る。 昭和 五 年 十月 本書の 成功 は 一 に 恩師 文學 博士 藤 村 作 先生の 御 一: il 庇に よる もの であります。 思 へ ば、 私 が 小 謠. 仕 舞の 敎へを 受けた の は、 今 を 去る 三 十 餘年小 學 生 時代の ことで ありまし た: や 、 長 じて 謠曲を 今少し 深 く 究 し たいと 考へ はじめた 顷か ら、 是 非 欲 し い と 思った の は、 演 能の 仕 科 を 示す 型附 であり まし た。 謠 本に 記されて ゐ な い 詞 章、 間 語 の 詞 で あ りました。 謠曲 文の 難解に 苦しむ 每 に、 他 の 古典 文 藝 に は續々 と し て 口語 譯が 出る の に、 謠 曲に はどうして 誰も 譯を つけて くれない の だ らうと 疑 ひました。 か、 丄が M き ち に、 资 料 は 少し 手に した ゆの 立: こ の 問、 恩 知 は懇 5- に敎 示し ありがたい 仕 合 藤 村 先生から 擎を 執つ て る 二 は 幽 玄 に 行の 資料 息して 街 も の は、 自 研究題目 ま し た。 偶然』 いもの で へ、 或は てド さつ 整 つ て 參 の で あ り P 一 l-in き P く 赏 あ ま。 終日 書 率 度あった こ 眼 を 射る。 して 置けば の だな ど と、 けて 行く う 語 の 寫本を りました。 を K 與 し、 或 こ と は、 IM に ま し た す。 さ て 命 r 可な り 困難 な 業 で 常に 激 遂 に の で あ く神佛 さ て、 び 畫 譜 曲名の 例 言 に な ほ、 に 揮 毫 れた斯 あ り 出来 り ま の 冥 か う を、 別 五十 於 て 表紙 し て 道 の と は、 著 者 の ま し た" ま た て 本書 を 完成 上りました。 微力な 私 護 だ と 思 はれ し て 出來ま し 卷に 索引 を 載 音 順に 從っ て 細述 する こと の 圖 案、 首 卷 の 貰 ひました。 權 威で、 本書 の 浸 も饮 幸と す し て も 筆 る やう 顧みれば に 兎に角 てなら な た 本書 は、 せ、 そ の 間 收め まし と 致し ま 畫 譜、 毎 曲 氏 は 能 畫 爲に その ると ころ を 投げた に 鞭韃し それほど これ だけ いので あ これ を 七 の 五卷に た。 各 曲 寅 能圖等 について 蘊蓄 を 傾 く 卷 の なりました。 先 下さいました。 い 歳月で はな か もの の出來 たの に 分 ち、 首 卷に總 行 曲 二百 三十 五 取扱 ひ 方に つい はすべ て 深 見 坦 郞 三 十 年餘の 硏鑽を けて 妙 擎を揮 はれ で、 讀 者 諸君 も 亦 これ を諒と 生 は つ た は、 全 說及 番を て ま、 畫 白 M ま た こ せ ら れ る で あらう と 111!? ずる ので ありま す。 を 整備し て、 幾 ともなき 校正 を 快諾せられ たこと は、 著 者と して 愤ー 悅に堪 へない ところであります。 ふので ありま す。 狂 一一 一一" 方. 離 子方 等の 役柄が あります が、 そ の 卞體 をな す もの はシテ 方で 二 般に行 はれて ゐる謠 本 も 亦シテ 方の もので あ b ます。 ュ、 し て、 こ の シ テ 方に は觀 世. 金 春. 喜 多の 五 流 膽? 5? が あ, まし て. 各 流 二百 十番 乃至 百 八十 番を 現行 曲と して ゐ ます。 そし て、 ュ、 の 大 部 分 は 各 流 共通の もので あ ります が、 ュ、 の 間に 多少の 出入が あ, ま. し て、 五 流 現 行 仙 は 凡て 二百 三十 五番と なる のであります。 本 文• 語 釋, 口 語 譯. 考 異の 五部 門に 分つ て、 こ れ を揭げ ました C そ し て. 本 文. 語 釋. 春 金 春. 剛 金 剛. 喜 喜 多 の 略符號 を用ゐ ました。 能 柄. 人 物. 異 稱. 作 者. 梗 槪. 出 典. 槪 評 S 諸 に 細分して 記し ま 類. 脇 能• ! 一 番 目上 二 番目 等の 分類 は、 確 乎た る 根據の ある ものと もし 曲 柄 を 知る のに は 甚だ 便-: な もので あ 夢 幻 能. 發 聲順 又は 登場 順によ つて 掲げました。 一 である ことに は 疑 の が少く あ. ませ を 明 示 し、 な ほ 後 世 れてゐ る 吉田兼 持 きました。 なほ こ 著 書、 室 町 時代 公卿 謠曲 解題から 得た せ ん。 さう した 場 月 一 一月 の や う に 記 ひが あ b ません が- ん。 本書に は、 世 阿 の 書で は あ.. 」 前後の 二 段に 於て 牛; 要 場所の 移 を 表示し ました。 : 材は. 作 者 S 創作 態 す か ら、 典 據 の に 供へ ました チ槪. ぼ す ベ て 文 學 準 は 定め 難:, は, 誠 に を こ が あ. h う 力 と 思 様の 捜索 を 試みました の で、 同 書 の 經卿 記に 就ての 研究に 食 ふ 所も少 き 漏 を 多 少 あ, o ませ 補 ひ 得 ん Q ました。 なほ 口 語 譯を 試みた の ぐめ まし た。 であります か ら. 梗 槪は 一 見して その 大要 を 知 b 大部分 先進 文藝か ら 度 を 兄る 上に も, 謠 曲 索め 得た もの は, な る 得た を 正 ベ く 術の 批評 鑑赏 は、 そ もの だと 思 ひます。 謠 曲 一 ことで ありま と對 照す る 便 も し で、 客 觀, 批 な- は 多少 參 や 的な 一定の 基 ど を 述 ベ る の になる こと も 本文に つ いて ィ 底本の 選定 謠 曲の 本文 は、 諸 流と も大 あります。 そ れ で、 本 書 の 後引續 いて 現在 も 最も 流 いもの は、 上 懸 として 觀世 寶生流 を 採り、 上懸 二流に 金 春 流 を 採 b, 次いで 金剛 ま し た。 a 本文の 校訂 本文の 底本に は、 そ の 流の 流謠 本を參 酌して、 そ の 穩 用 語. 世 阿 -彌 の ゐる觀 世 流の も の を 採 ,0、 觀 世 流 近 い. そ して 現在 觀 世に 次いで 廣 てゐ ない もの は、 下 懸 三 流の 中で り、 最 後に 五 流の 中 最も 新しい 喜 の 出 人した 所が 流 系で あ り. ュ、 の で 行 はれて ゐな く 行 はれて ゐる 流 系の 最も 4,:! い 多 流の 文 を 採 現行 謠 當 な も ニ定の 本 を 採 b ましたが、 漢 字. 假 名 遣 等 は. 古 謠 のに 從 ひまし た。 そして その 振 假名 は 字音 假名 遣. 歷 史 假名 遣に 從ひ ましたが, 謠 に は 特殊な 謠ひ 方が 少 くありません の で. 假 名 で も. 讀 み 誤 る 恐れの ある もの は、 「今 H 見す は」 な ど と. ヮ 行、 叉 は " 行 「は」 であ る 時 は、 そ の 音 が タ行 又は ナ行 或は そ の 拗 音 に 轉 じて、 「今 日 は」 「御 ん.. かう した 場 合. 漢 字の 振 假名に は その 發音 假名 を 記 しました が、 假名 書きの 場合に は、 これに 一 々傍訓 を 施す の は、 餘 b に 煩 はしい ので. 省略し ました。 節 附 の 名 稱. 次 第. すべて 謠 本の 指定に 從っ てこ れを附 し、 呼 掛. たぐ, 力 、 ヶ打切 は 本書の 如き 性質の ものに は、 煩 はしい ばか で 必要の ない ものと 思 つ て 省き まし た C なほ 謠 がかり の 部 分 者に は 「 の 印 を附け は 引用文 を 表示した ハ 本文の 補修 能樂の 實 演を 一度で の謠 曲註釋 書に 記し れてゐ ない 狂 言 詞 や 理解す る ことが 出來 家に 相傳 して ゐるだ して これ. を 見出す こ ほどの 詞 は、 洩 れ なく シテ詞 ふ レ詞 は、 そ ヮキ詞 は、 現在 家 元. と 節 を つ こ れ を の で、 こ し 扛 る 詞 詞 時 の で ,世間 出来 を收 現行 續し に も ないた、、、 詞の 部 分 と は, そ の 句 頭 に、 前 者に は 『 後 した。 口 華 等に 附 けた 「『は, 會話文 又 れと よ ゐ ま の は、 高 安 し ま は 全 あ る て ま 參 殆 ど た の や う の に る 唯 く 意 人 は、 詞章 シ テ 出 て で. す に 力 從ひ, 一 の 流• 春 H 語 を 異にして ゐ ます でもす ぐ氣づ くやう に. 謠 全部で は あ ません。 謠 を も を 知らなくて は. 精細 これらの 詞は寫 本と して. ない のであります が、 著者 ての 曲 を 通じて, 舞 臺で述 ま し た。 そ の 中、 キ方 である 脇寶生 流の 古 藤 流な どに 從 ひました。 「ト書 ない 謠 する こ 記して れてゐ ありま 山, 木 派- ありま 杜 M 葡 ン こ き」 の な 曲 文 は は、 そ の 都度 そ の 旨 を 斷 と 狂 一一 一一: には大 藏. 和 泉 倉 るの であります か そ ジ し て, 現 在 行 はれて ゐる -和泉 流の 三 宅 派と 山 脇 す。 能 樂の演 麦 を 想 察 す る との 出來 ない もの だと 思 ひま て 置 き ので も 1 と 野 村 ベ く 古 政 頃 に 見ました。 そし て. い 原形 據. く, 型 附も 殆ど 見當ら ない ので あ b 知る に 力め ましたが、 一 二の 曲に 就 まった ものが あり ま す。 可 な b 輕重の 差が つけられ の 聞き方」、 謠曲 界述載 能手控 を 參考 とし ま 厳密に 規定して ゐま な 型附の 記載 は 本書 なる も の で あ b ま す く め ま し た。 百番內 外が 屢" 實演 せ すが、 他の 百 數十番 は す。 著者 はなる ベ く は、 装 束附 及び 登場 人 の 「うた ひ 通解」、 大觀世 連 し に。 Ms ノブ す C そ 大 少く ろ で 體を 本 等 が 少 と. ホイ ン ト として. 本に も 時折 記して ゐるこ ものと 同様の ものである 本の 文に 從 ひ、 謠 本の 文 を 明示して 置きます が. そ の ト とし て、 體 裁 を 整へ まし めて 新しく 加へ たもので あ れてゐ る 部分 は 十二 ポ イン. 活字の 大小 を 以て これ を辨 とが あ b ます。 そ の 場 合、 そ 時には これに 從 ひ、 大 差 あ る 參考と して 上欄に 掲げ-い づ 謠 本に 從 つたと 否と に拘ら こ 10 ,0 ます か ら、 そ の 差別 を 明ら トノ V の 他の 詞は 九, ホイ ン 卜、 別し ました。 评釋, 丸 岡 枝 氏 の 觀 ft 流 改訂 謠本 刊行 會本 辭解等 に 於て、 更に これ を修 補せられ て. 著 者の 新しく 加へ 得る 所 は 甚だ 少 かった ので あ, ますが. 本書に 掲げた 語釋 は. な る ベ したが、 引 歌. 詞章 上に 旨 商 i こ t 一 よ も, 謠 多 少 の 曲 を 解 すと. そ し て, こ の て も. 大 切な こと だ の 索め 得ました もの は. そ れを 現行 曲と 比較し て. そ の 相異は 大小と なくす ベ て な ほ、 世 子 六十 以後 申樂談 儀、 金春禪 竹の 五 音 次第. 五 昔 三曲 集 等に 謠 曲の 一節 を 引 いて ゐ ます もの は どれ こそ 原形 を 知る 最も 大切な 資料で あ, ます か ら. 本 の 末• 畫 伯が 本書の 爲に 苦心して 終に これ を 完成せられ たの は、 また 一 に は 斯道の 劃期 的 事業で あつたと 信じる ので あ,. 謠曲 大観 第 一 卷 緖 言 例. 言 5 い 雨 び 岩 一生 碇藍峻 嵐 緩 海 葵 淡 田 染 仙 敦 月 舟 飼 船人 盛 f ほ 川 通 山鼓士 上 路 次 ニー 九 八 七 六 四 ニー 〇 八 六 五 三 七三 七 37. : ハ八 一 -パ八 九 七 〇ー 1 【能. この 詞章 を 特に 「神 歌」 とい ふ。 【作者】 他の 謠 曲と は 全く 別趣な、 遙 かに 古い 作. て あるが、 その 作者 は 分らない。 其 後 六十 六番 ま. て は 一 日に 勤めが たしと て、 其 中 を 選んで、 稻 積の 翁 翁 面 、 代 繼の翁 三番 申樂 y 父の 助、 これ 三を定 む。 今の 代の 式 三番 これな り。 則ち 法 報 應の三 身の 如来 を 象り 奉る 所な り C といって ゐる。 よって、 大和 屮樂是 を 本と す。 當世、 京 中、 御前な どに て は、 式 三番 悉く はなし。 今 は 神事の 外 は 悉く はなし。 といって ゐる やうに、 翁を大 夫の 役と して 第 一番に 演ずる ことに 定まった の は、 義滿將 軍が 始めて 觀 阿の 藝を 觀た應 安七 年 三 〇;-.! : の 吉例に よる もので、 しかも、 その 頃の 式 三番の 形式 は、 五十 年 を經た 永享の 頃まで 續 かず、 神事 能の 外 は、 古式が 大分 省略 せられて ゐ たので ある。 今日に 於ても、 〔翁-に、 初日 之式丄 IB 之式丄 二日 之 式. 四日 之 式. 法會之 舞• 十二月 往來• 父 尉 延命 冠者な どの 變 式が あり、 千歳 や 面 箱 持の 役 格が 上懸 と下懸 と. て 違って ゐ るの は、 〔翁〕 が 永らく 流動して ゐ た名殘 であらう。 とはいへ、 巾樂談 に、 申樂の 舞と は、 いづれ と 取 立てて 申すべき ならば、 この 道の 根本なる が 故に、 翁の 舞と 申すべき か。 又謠の 根本 を 申さば、 翁の 神樂 歌と 申すべき か。 といって ゐ るので あるから、 世 阿彌 時代 に旣に 〔翁〕 を申樂 の 神聖な 根源と して 取扱って ゐ たこと は 疑 はれない ので ある。 【梗 槪】 數 種の 歌舞 を雜 然と 寄せ集め たものに 過ぎない が、 大體四 部に 分れて ゐて、 その 第一 部で は 翁が 地謠 との 連吟に よって、 「とうと うたら り. 一 「所 千代まで おはし ませ」 と謠 ひ、 次に 千歳が 「鳴る は 瀧の 水」 と 今 漾を謠 つて 舞 を 舞 ひ、 第三 部で はまた 翁が 立って 祝 一一 一一 は を 述べ 舞 を 舞 ふ。 舞 ひ 終って 翁と 千歳が 退場した 後、 最後の 第 四 部と して、 三番 叟が面 箱 持に 勸 めら れて、 これ も 亦 舞 を 舞 ひ、 めでたく 舞 ひ 納めて 一曲 を 終る ので ある C , 【出典】 〔翁〕 は、 總說第 一 章 第 四 節に 述べた やうに、 申樂 能の 成立す る當 初、 優娟 な稚兒 舞に 對 して 演ぜられた 滑稽な 翁 舞の 整理 せられた ものであって、 その 詞章 は 大體當 時流 行して ゐた 歌謠を 組み合せ たものに 過ぎない。 例へば、 古く 他 馬 樂の酒 飲の 曲に、 酒 をた うべ て、 たべ 醉 うて、 たうと 懲りん ぞゃ、 詣で くる、 なよ ろぼ ひそ、 詣. てあらう か。 さう すれば、 もとは この 前に 何 か謠ひ 物が 翁 三 あつたの. てあらう。 或は 高 辰 之 博士が B 本 歌 謠史に 擧げて 居られる やうに- 舞樂の 最初に 演 する 「振舞」 の 笛の 譜、 ト 引 ト 引 - タ ァハァ ラロ- トヲ リイ ラァ o』 トラ ァリ イラ リ、 チイ ラリイ リ イラ、 タ アリア リャリ 引 c』 トラ ァロリ チラ ァ ハ、 チイ ャ リイ ャ ラタ ァハ ハ ハ ル ラル ラ アルラ、 ト ヲヒタ ロヒ、 トヲヒ 引 の 訛った ものである かも 知れない。 ソゥ 瑞祥• 作 成と いふ 意 の詞、 トブ トウ SW 物 は タラ リ 輝き: タラ リこフ か やいて: r タラ リ 輝き は ァ 嗟 呼 ガレ ララ 何れも 樣に リ トウ 壽き あ れ や 、 ツエ• ャッ 壽命 は 長く 善く タラ" 輝き タラ リラ か やいて y 夕ラリ 輝き は」 ァ 嗟 呼 ガレ ゾラ. 何れも 樣 に リ トウ 壽き あれ や であると いふ。 それ は、 式 三番が 一度 は 大人 猿樂. 師の翁 舞で 固められ たが、 これへ も稚兒• 前記 義滿將 軍の 御覽 能に、 觀 阿彌淸 次が 翁 を 第 一 番に 演じた とい ふの は、 この やうな 順序 を 古い 形に、 翁• 小 冠 丄ー 一番 SJ- の顺に 整へ たの. て は 翁 舞 本来の 趣旨に 房る の, て、 現在 千歳の 翁で あるか、 將來 千歳 を 保つべき 冠者, て あるか、 どちらに でも 解釋の 出来る 「千歳」 に 改名した の-てな からう かと 思 ふの. て ある。 1が多く、 その 配役 を 見ても.. 千歳 を 上懸. さて、 上述の 見地 を 以て、 〔翁〕 の 歌詞 卽ち 「神 歌」 を 兌る と- 三番 叟は 狂言 役と して 別種の 取扱 を 受けた のに 不思議 はない が、 翁と 千 歳との 歌詞が、 翁• 翁 とい ふ 三部から 成り- 翁が 千歳の 前後に 二度 謠 ふこと となって ゐ るの は、 もと 翁が 千歳の 後に- S じて ゐ たも の を、 千歳の 前に、 第 一番に 演じる につ いて、 特殊な 歌詞 を 加へ" しかも 本の 形 を も遣存 したの. てな からう か。 そして、 その 特殊な 歌 詞と はこの 翁の 爲に 新しく 作った もの.. て はなく、 申樂談 儀に も 見えて ゐる 「露拂 ひ」 の謠 つた もの を; 翁 舞の 詞に採 入れた の. て はな か らう か。 翁が これ を 謠ふ間 直面で みる こと も, その ー證 左. て あり. 殊に この 詞が 前述の通り 振舞の 笛譜の 訛った ものである とすれば、 一 層 この 感を强 くす るの-て ある C 〔翁〕 は 凡そ この や、 つな 變遷 を經 て、 しかも 元来 滑稽な 自由な 形であった ものが、 儀式 化し 神聖 視 せられる に從 つて、 今日で は 解し 難い 點の 多い ものに なって しまったが、 それにしても- この やうな 古い 形の 保存 せられて 来た こと は、 歷 史的に 見て 極めて 貴い ことで ある とい はなければ ならない C 本 文 【二 シ テ 翁、 翁 烏帽子. 襟 白• 着附白 綾. 翁 狩 衣. 翁 扇 の 装束、 ッレ 千歳、 侍 烏 精子, 襟 赤• 着附段 厚板, 千歳 直 垂, 込 大口, 小刀, 神 扇の 装束、 狂言 三番 叟、 折 烏 精子• 委しく は 解說に い.. : -リ とう」 のと の 音 を 重 ねて 所と い つ た。 こ の 所に 於て いつまでも 榮ぇ 、りれ よ と いふ 意。 以下 一. 幸 ひ 心に tB せたり」 まで 七; i-gl 句の 今 接。 面 箱 持 翁の 前に 出で、 白 式 尉 面 を 箱よ リ取 出し、 羞の 上に 置き、 脇 座の 次に 行きて 着座す。 千歳 脇 座に 行きて 平伏し、 三番 叟は 仕手 柱 際にて 下に 居り、 維 子方 は 常の 座に、 地謠は 常と は異 "維子 斑の 後に 坐す。 雜 子方 打 出して、 翁 は 座の ままに て、 翁 『とうとうたら りたら りら。 たらり あがりら ら り-とう 地 『ちり やたらり たら りら。 たらり あがりら らり とう S 所 千代まで おはし ませ 地 『われら も 千秋 さむら はう 翁 『鹤 と龜 との 齢に て 地 『幸 ひ 心に 任せたり 翁 11 とうとうたら りたら りら 地 『ちり や だら りたら りら。 たらり あがりら らり とう 翁 「とう.. 私 ども もい つまで も 御前に お 仕へ 申し ませ、 うから。 鳴る は 瀧の 水 日 は 照る とも と謠 ひながら 立上り、 地 『絕ぇ ずとう たり ありうとうと うとう 千歳 『絕 えずとう たり。 常にとう たり と 大小 前よ" 面 先に 出で、, たらく と 後に 下リ て、 f 千歳 舞〕. き-, 5 ち. と、气 へ こ と あ を ニー め は 1ビ ろ な 千歳 『君の 千歳 を 經ん事 も。 天つ 少女の 羽衣よ 鳴 たき みづ ひ て る は 瀧の 水 日 は 照る とも 地 『絕 えずとう たり ありうと う と う と う 〔千歳 舞. : 一 舞 ひ 納めて、 脇 座に 歸り、 もとの 如くに 平伏す。 【三】 翁 この間に. m 式 尉 面 をつ け、. -; 乂常 稱,, is? :K 歲 1 也、 件 一せ はこ 此樂曲 こ と。 〇 三 極— 天地人の 三才。 易 地 『參 らう れんげり やとん どや と 大小 前の 方へ 行く。 この 時 三番 叟も 立ちて 二人 向 合 ひ、 翁 正面に 向く と、 三番 叟は 狂言 柱の 下に 行きて 下に 居る。 翁 『千 早 振る。 神の ひこ さの 昔より。 又 萬 だい いけ かめ かふ きょく そな なぎさ いさご さく 代の 池の 龜は。 甲に 三 極を備 へたり。 港の 砂。 瀧の 水。 冷々 とし よる つき 6V. 、や う てんが fc いへい こく ど もん のん て 夜の 月鮮 かに 浮かんだり。 天下 泰平 國土 安穏。 今日の 御祈禱 なり a 在 原 や。 なぞの ノ翁 ども ?三 番叟の 方 を!: S おき な 地 『あれ はなぞの 翁 ども。 さう だ、 さう だ。 わが S を 祝って、 千年の 年 を經た 鶴が 萬 歳 樂と謠 つた。 池の 中の 萬 年 を 經た龜 は、 その 甲に 天地人の 三才 を 現した の だ。 實に めでたい こと だ: 夭 下 は 太平で、 國土は 安全。 !體何 處の 老人たら う。 まあ それ は それと して、 さう だ- 今日は わが 君の 千年 萬 年お 榮ぇ 繁辭傳 に 「六爻 之 動、 三 極 之 道 也」 龜甲は 占卜に W ゐ られ るから、 かう いったの であら ラ Q 〇 索々 として I さら X- と して C C 一朝の 日の 色 を 朗 じ —「朗 じ 一 は 映 じの 意 か。 〇 在 原 や一在 原と は 業 平 を 指し、 伊勢 物語の 歌 一翁 さ び 人な 咎め そ 狩 衣 今日ば か りと ぞ田鶴 も 鳴くなる」 に 據 つて、 翁と いふ 意に 用ゐ たもの か。 しかし それで は 餘リ 無理な 用ゐ 方と いはな ければ ならな い。 或は、 も と は 「あれ は そや」 であ つた もの を 「あ ひ は そや」 「あり はら や」 と謠ひ 誤った ので あらう か。 〇 なぞ 何 ぞの。 どう い 〇 そや— それや。 それ はま あ C 【四】 〇 この 所よ W 外へ は ー 悅び を 永く この 所に 留め て、 外 へ遒 がし はしな い。 「所 千代 までお はし ませ」 と 同じ 意。 〇 おん も ふ—; 思 ふの 撥音 便 〇 あど—, 狂言の 脇役。 歡び の 舞 なれば。 一 舞 ま はう 萬 地 『萬 歲樂 翁 『萬 歳樂 地 『萬 歳樂 【四】 と 舞 ひ 納めて、 扇 をた 、みながら もとの 座に 歸リて 面 を. 取り、 K 面に 出で、 始めの 如くに 禮拜 し、 静かに 慕に 人る。 千歳 も 後よ" に 入る。 三番 叟、 この間に 折 烏 幘子を 三番 叟 烏帽子に かへ て、 千歳 幕 に 入る と. 萬 歳樂、 萬 歳樂、 萬 歳樂」 -t 謠ひ舞 ひ 納めて! asr その後、 三番 叟 もめで たく 舞 ふリ さし 萬 三番 「ぉゝ さいお、 さい 喜び あり や。 喜び あり や。 喜び あり や。 この 所より 外へ はやら じと ぞ おん も ふ とい ひて. 【揉 之 段】 を 舞 ひ、 濟 みて 後見 座に くつろぎ、 黑式尉 面 をつ け、 名乗 座に 立つ e 面 箱 持 も 立ちて 三番 叟と向 合 ひ、 面 箱 「あ、 ら めでた や。 物に 心得た る あどの 大夫 殿に。 ちょっと けん ざう 申さう 九 變諸锄 型 流 異 三番 「たがお 立ちに て候ぞ 面筘 「あどと 仰せ 候 程に。 某隨分 物に 心得た ると 存じ、 お あどの ために 罷り 立ちて 候 三番 「ほ S う. 面 箱 「今日 Si: 祝儀 を 千秋 萬歲 とめで たき やうに 舞うて をり そへ。 色の 黑ぃ尉 殿 三番 「今日の 御 祝儀 を。 この 色 S 黑ぃ 尉が 千秋 萬 歳と めでたい やうに 舞 ひ 納めう する 事 は。 何より 以 て易ラ 候。 尉 殿の 舞より 以て 易う 候。 先 御 舞 ひ 候へ. 三番 「まづ 御 直り 候へ 面筘 「ま づ御舞 ひ 候へ 三恭 「いやた 5- 御 直り 候へ 面筘 「あ , ら めでた や。 さあら ば 鈴 を 參ら せう 三番 「あらやう がまし やな 面 箱 持铃を 三番 叟に 渡して 橋懸 より 墓に 入る e 三番 叟 これより 【鈴 之 段】 を 舞 ひ、 舞 ひ 納めて 慕に 入る。 E 流 下懸 一一 一流で は、 千歳 を 狂言 方で 勤める。 〔翁」 に は、 初 n の 式、 二日の 式、 三: w の 式、 四日の 式が ぁリ、 德川 時代の 演 能に は、 數:; :述 綾 する 場合に も, 大抵 毎日 I 翁〕 を 演じ たもので、 初:: "から 四日まで その 式を變 へ、 五日 c" には復 もとの 初日の 式 を 演じた。 なほ 特殊の 場合に は、 この 外に、 法會の 舞、 十二 W 往来、 父 尉 延命 冠者の 式 を も用ゐ たが、 現今で は 幾日 親いても、 初日に 〔翁」 を 演ずる だけで、 それ も m 日の 式 を 用ゐる ことと して ゐる。 本文に 揭 げたの が卽 ちそれ である。 左に 他の 六 式の 詞章 を揭げ る と、 初日 點を 施した 語句が 日の 式と 變る 語句 〇 をリそ へ— 居リ 候へ。 〇 尉 ー 老翁。 尉 は 丈の 借 宇 で、 丈 は 丈 人、 杖 をつ く老 人の 意。 〇 おもく と —重々 しく。 〇 御 直り— お 坐り。 〇 やうが まし— 樣子 ありげ である。 晴れが ましい。 翁 『とうとうたら リ たら りら。 たらり あがりら ら りとう。 地 『ちリ やたら リ たら W ら。 たらり あがりら らリ とう。 翁 『所 千代まで おはし ませ。 地 『われら も 千秋 さ ぶら はう。 翁 『鶴と 龜 との 齡 にて。 地 『幸 ひ 心に 任せた リ。 翁 『とうとうたら リ たら りら。 地 『ち" やたらり たら りら。 た らリぁがリららりとぅ。 鳴る は 瀧の 水 日 は 照る とも。 地 『絕 えずとう たり や w うとうとう とう。 千《 『絶えずと うたり。 常にとう たり。 千 『所 千代まで おはし ませ。 地 『われら も 千秋 さ ぶら はう。 千歳 『鶴と 龜 との 齡 にて。 所 は 久しく 榮ぇ給 ふべ しゃ。 鹤は千 代 經る君 は 如何 經る。 地 『萬 代 こそ 經れ やりう とうとうとう。 翁 『總角 やとん どや。 地 『尋 ばか リ やとん どや。 翁 『や あ 坐して 居 たれ ども。 地 『參 らう てんげ り やとん どや。 翁 『松 やさき。 翁 や 先に 生まれ けん。 いざ 姬小松 年 比べ せん。 地 『そよ やりち や。 翁 『凡そ 千年の 鷂 は。 ? e! 歳 樂と謠 うたり。 又 萬 代の 池の 龜は。 甲に 三 極を備 へた"。 港の 砂。 索々 として 朝の 日の 色に 朗じ。 瀧の 水。 冷々 として 夜の H: 鮮 かに 浮ん だり。 天下 泰平 國土 安穏。 今日の 御祈禱 なり。 在 原 や。 なぞの。 翁 ども。 地 『あれ はなぞの 翁 ども。 そや いづく の 翁とうと う。 翁 『そよ や。 翁 『千秋 萬 歳の。 祝 ひの 舞 なれば。 一 舞 ま はう 萬 歳樂。 地 『萬 歳樂。 翁 『萬 歳樂。 地 『萬 歳樂 二 B 初日の 式と、 千歳の 歌 章 を 異にし、 千歳 『千歳 まし ませ。 千歳 まし ませ。 松の木 末に。 地 『鶴 や 住むな リ やりう とうとうとう。 千歳 『鶴 や 住むな リ。 鸛ゃ 住むな り。 天つ 少女の 羽衣よ 千歳 まし ませ 松の 稍に。 地 『鶴 や 住むな" やりう とうとうとう 三 B これ も 初日の 式と、 千歳の 缺章を 異にして、 , 千 幾 『萬 歳 まし ませ。 萬 歳 まし ませ 巖が 上に。 地 『龜ゃ 住むな リゃ W うとうと うとう。 千歳 『龜ゃ 住むな り龜ゃ 住むな り。 千歳 『君が je! 代貍ん 事 も。 天つ 少女の 羽衣よ 萬 歳 まし ませ 厳が 上に。 そや いづの 翁とうと う、 翁 『そよ や」 の 次に 翁 『萬 歳の 龜 これに あり。 千年の 松 庭に あり。 誠に めでたき ためしに は。 石をぞ 引く ベ かりけ る。 右 「そ もや そ も何條 事に て 候ぞ。 左 「か る めでたき みぎん に は 十二 月 の往來 こそ めでたう 候へ。 左 『睦月の 松の 風。 右 『八 殺の 琴 を 調べたり。 左 『更衣の 霞 は。 ; の 桃の 花。 右 『三千 翁 一 一 年 も猶荣 ふる。 左 『卯 の 橘 は。 右 『常世の 國 も變ら じ。 耳、ぃ"ぃ-。 右 『幸 を もとむ る 種と かや。 左 『葉 HJ の 月 は そ も。 り や 1 翁 『松 やさき」 以下 「そや いづく の 翁とうと う」 まで を 省き、 あ れ はな ぞ 小 冠者 ぞ や。 地 『釋迦 牟尼佛 の 小 冠者 ぞゃ。 地 『、そ 、の、 ま、 し、 ま、 さ 、ば。 、と V. 德は w 海に 餘"。 悅びは 日々 に し」 上 は の 欲い い! ともに 嬉しく。 地 『物見 ざり けり ありうと-つとう を 加 ふ。 小町 三番 目 一 段 劇 能 ヮ キ 陽 成 天皇 勅使 新 大納言 行 家、 近江國 關寺邊 陽 成 天皇 御宇 三月 作者 及び 演 能に 關 する 古記 錄は見 當らな い。 陽 成 天皇が 歌道に 御 執心の 餘り, 小 野 小町が 老後 落魄して、 近 江 國關 寺邊に 住居して ゐる由 を 聞し 召され、 新 大納言 行 家 を 遣して、 御 憐 みの 御 歌 を 賜った. - 小町 は 鸚鵡返しの 返歌 を 奉り、 歌 S の 物語 をし、 わが 身の 零落 を 歎いた: そして 行 家の 求めに 應 じて、 業 平の 玉 津島法 樂の 舞に 眞 似て 舞 を 舞 ひ、 勅使と 悲し い 別れ を 告げた。 小 町 一 四 物 云 ふ 詞を眞 似て 鳴く 鳥な り。 その 如く 人の 方より 來 りたる 歌 を、 そのうちの 文字 一つ 二つ 取り かへ て、 わが 歌に なして 返しす る を、 鹦鵲 返しと 申すな り。 …… 小町 老い 衰 へて 後、 大内 ゆかしげ に 見物 申しけ るに、 大 内の 女房 達見て、 小町が はてなる とい ひ、 又 それに はなき などと 言ひ爭 ひける が、 或 女房の いひ 給 ふやう は、 「歌 をよ みかけて 心 を 見 給へ、 小町なら ば 返歌 をすべし! とい ひけれ ば、 敬 をよ みかけた るに、 もとの 身の ありし すみかに あらね ども この 玉 簾の 内 やゆ かしき 小町 はもと 大內に は 住まぬな り。 玉 簾の 内と はす だれの 内の 事な り。 この 返しに、 もとの 身の ありし すみかに あらね ども この 玉 簾の 内ぞ ゆかしき かやう にある は、 皆 鸚鵡返し なり。 と ある。 但し、 本 曲に 引いた 歌 は、 民 部 卿 成範の 事と して、 十訓抄 第一 「可 レ定 二心 操. 振舞 一事 J に、 成 範民部 卿、 事 ありて 後、 召し 歸 されて、 内裡に 參られ たりけ るに、 昔 は 女房の 入 立に て ありし 人の、 今 はさし もなかり ければ、 女 房の 中より、 昔 を 思 ひ 出で て、 雲の上 はありし 昔に 變らね ど 見し 玉 だれの 内 やゆ かしき とよみて 出 だしたり ける を、 返事 せんとて- 燈爐 のき はに 寄りけ る ほどに、 小 松の 大臣の 參り給 ひければ、 急ぎ たちのく とて、 燈爐 の 火の かきあげの 木の はしに て、 や 文字 をけ ちて、 そばに ぞ 文字ば かり を 書きて、 みすの 内へ さし 入れて 出. てられに けり-」 女房と り て 見る に、 文字 一 つに て、 返し をせられ たりけ る、 ありがた かりけ り。 とあって、 本 曲の 作者 はこの 二 傳說を 取 交 せて 構想し た も の であらう。 :槪 評】 本 曲 は 三番 HI 物で あるが、 劇 能の 脚色. て、 複式 夢幻 能と はや、 趣 を 異にして ゐ るが、 序 段に 次第 及び 道行 を缺 いて ゐる だけで、 外に 著しい 特異な 點 はない。 シテの 掛 一女 二人 T 妹 名 二 小町 T 欲 人 也」 〇 小 野の 小町— 古今 集 序に 六 歌仙の 一 として 擧 げられ た 著名の 歌人で あるが、 そ の 傳記は 明らかで ない。 〇 關寺— 近江國 逢坂 山の 東 にあった 寺。 小町が 關 寺に ゐた事 は 〔關寺 小町〕 に 記さ れてゐ る。 【二】. 名乘 笛に て、 ヮキ新 大納言 行 家、 風 折 烏 幘子. 着附 厚板• ごん S き いへ ヮキ 「これ は 陽 成院に 仕へ 奉る 新 大納言 行 家に きみ しき しょ A ち おんこ ころ て 候。 さても わが 君 敷 島の 道に 御 心 を かけられ。 あ まね うた せん えい ケの うた 普く 歌 を 撰 ぜられ 候へ ども。 釵 慮に 叶 ふ 歌な し。 で i:4 -、 に, での よし 5? ね むすめ , での こ まち ここに 出 羽の 國小 野の 良實が 女に 小 野の 小町。 なら ラた じ や-つ ーす いま I. せ かれは 雙び なき 歌 の 上手に て 候が。 今 は 百年 の むは せき でら へん よしき こ め およ 姥 となりて。 關寺邊 にある 由 聞し 召し 及 ば れ。 ど おん あはれ おん ね ii くだ :ん r. 帝より 御憐 みの 御 歌 を 下され 候。 その 返歌に よ 力 さ い くだ せん じ ま, ii,- いま り。 重ね て 題 を 下すべき との 宣 旨に 任せ-唯今 關寺邊 小 野の 小町が 方へ と 急ぎ 候 と いひて 脇 へ 行き 下に 居る" 【一一】 一 聲の雜 子に て、 シテ小 野 小町、 面 姥. 無色 髮帶• 襟 白, 着 附摺箔• 無色 唐綠壺 折• 扇の 装束に て 笠 を 被 リ杖を つ き て 出 で、 橋懸 一 の 松に 立ち、 Z 【二 舞 S- は 初め 京都で、 ヮキ降 成 天皇の 勅使 新大納 言行 家 登場、 行 家 「私 は 陽 成 天皇 にお 仕 へ 申して ゐる新 大納言 行 家です。 さて、 わが 君に は 和歌 に 御 心 をお 懸け 遊ばされ、 廣く 人々 の 歌 を 索め てお 撰びに なり ましたが、 これ は と 御 感心 遊ばす やうな 歌が ありません 8 ところが, 出 羽 國の小 野良 寶 の 女に 小 野 小町と いふ 者が あって I これ は 天下に 雙 ぶ 者の な. い 歌の 上手です が、 今 は 非 C めな 老婆と なって、 關 寺の 邊にゐ ると いふ こ と を- お聞き 遊ばされて、 帝より 御憐み の 御 歌 を 賜 はった の,. をつ きながら 梳懸に as で、 武 パ 町 〇 身 は 一人 I この 一 の 字に よって、 「四の 宮河 IS 四の 辻 い つ 乂六 つの」 と、 数字 を 重ねて 文の あやとした。 や —誰 を か 待 つ を 松に いひ かけた。 辻— 粟 E ロ十禪 M 辻 をい ふ。 〇 六つの 巷 衆 が: 死 輪 廻す, 世界、 地 は、 餓鬼、 杏 千:、 修賊、 人 問, 天り 六 近 をい ふ。 いつ 死んで 冥途 に 迷 ふこと であ、 り- ゥと いふ 意。 〇 額ば せ は憮悴 と 袞へ. 惟悴 はやつ れ衮 へた こと。 史梨 シ テー聲 『身 は 一 人-われ は 誰 を か 松 坂 や。 四の 宮 河 M-g: の 辻。 い つ 又 六つの-巷 ならん シ テサシ 『昔 は 芙蓉の 花たり し 身 なれ ども。 顏 ばせ は 憔悴と 衰へ。 人 を 恨 ふ な わろ やす ものぐ る ひ み 身 を かこち。 泣い つ 笑う つ 安から ね ば-物 狂 と 人 はいふ す いのち み -V シ テ上耿 『さりと て は,、 捨てぬ 命の 身に 添 ひ て ?舞 蹇へ 進み。 捨てぬ 命の 身に 添 ひて-面影に 九 f 九 がみ む K し こ しの 髮。 かから ざり せば かから じと 昔を戀 ふる 忍び ね 9 め ね 一? め なが よも は 音 の 夢 は寢覺 の 長き 夜 を. 飽き 果 てたり なわ が 心 飽き 采て たりな わが 心 と 舞 に 入" 常 座に 立つ。 てあら、 つ。 そして、 人 を 恨んだり、 わが 身 を 歎いたり、 泣く かと 思へば 笑 ひ、 少しも 心の 靜 かな 時が ない ので、 世間の 者 は 皆 自分 を氣違 ひだ といって ゐ ます。 この やうな 身上に なりながら も、 捨て. よ うに も 捨てられない 命が、 身に つ いて 離 れず、 たに 昔の 面影が 眼に ちらついて" あの 時 あ、 しなかった ならば、 かう もな ら なかった-てあら うと" とかく 昔が 戀し くて、 忍び泣きに 泣く もの だから、 夜 も 碌々 寢る ことが 出来ない" あ、 この やう なつ まらない 命 を 生き 長ら へ て、 何の 甲 斐が あらう。 凍 梨 は 凍った 梨で、 ざら く としな びた 膚の 形容。 〇 か こ ち - 愚痴 を い ふ こ と 〇 捨てぬ 命の 身に 添 ひて I 捨てよう としても 拾 てられ ない 命が、 身に つ いて 離れ ない と いふ 意 C 〇 面影に 九十 九髮… 昔の事 が 面影に つく を 九十 九髮に いひ かけた。 九十 九髮は 「つ くも 1 と いふ 海藻の やうに 亂れ 縮れた 老人の 髮。 長き 世 は 長生の 意。 【三】 〇 雲の上 人: 朝廷に 仕へ る 高官の 人。 m シテ 「見 奉れば 雲の上 人に てまし ま す が。 小町と 承 り 候 かや 何事に て候ぞ ヮキ 「さて この 程 は 何處 を 住家 と 定めけ る ぞ シテ 「誰留 むる と はな けれ ど も。 さす がに 都 遠 か ら で。 岡 居に は 面白き 听 なり シテ 「前に は 牛馬の 通 ひ路ぁ つ て。 立ち 出で 見れ ば 深山 邊の。 梢に かかる 白雲 は? 右の 方 を 見〕。 花 か 小 町 【三】 行 家、 小町の 姿な 見て、 行家「 おい、 そなた は 小町 か」 小町 「お見上げ すれば、 雲上人. てが、 花の やうに 見えて 而 ,:n いこと. て ございます。 それから, 松風 も 花の香に 匂 ひます し, 枕 もとに も 花が 散 つて 來 ますし- た もう 一 面白 雲の やう 七 〇 誰 むる と は なけれ ど も— 關は人 を める 所で あ るが、. :: 分 は 誰に も 引お め られた の ではない がと いふ 牛 の Si 路 I 大津へ 通 ふ 街 近 を 指す。 ? ひ— 西 三條. 〇 身の 類 ひ— た 一 本 だけ や: き つてむ る 老松 は、 獨 リ 身で 老い. S 寺の 如意 輪 觀 1?? 枕に 花 し-. 、 も ひろ.! 北に 出 づれば 湖の 志賀辛 崎の 一 つ 松 は。 身の 類 ひなる もの をハ I か に步 みし。 東に 向 へ いし やま• 、 わんせ おん せ た ば ありがた や C と is- に, M: き 合き。 石山の 觀世音 勢 田の 長 橋 は 狂人の- つれ き 命の かかる ためしなる べし• と 常 に 立つ。 ヮキ 地上 欲の 初めに 下に SS る。 f ET】 みやこ --ひ し. 都路 、, ,っ ひ こ こ え ふき なみだ U ? でら に 出で て 物 を 乞 ふ。 「乞 ひ 得ぬ 時 は 淚 の 關 寺に K り 候 としを" なが、 り 下に 居: テ に 向 ひ、 仗 を 下に 置き 笠を脫 ぐ。 ヮキ、 シ ヮキ 「いかに 小町" さて 今 も 歌 を 詠み 候べき か シテ 「われ 古 百 家 仙 洞の 交 はりたり し 時 こ そ。 事 1 八 な 花盛りで、 色香の 勝れて 面白い ことで ございます。 でも、 北の方に 出ます と, 唐 崎の 一 つ 松が ありまして、 あのた に 一 本の 老松 を 見ます と、 賴 るべ もない 老の 身 に 引き 比べ られて 悲しう ご ざ い ますが 又 東の 方 を 見 ますれば、 石山の 觀世 昔が 拜 まれて ありがたい ことで ございます。 そして、 誰 から も K へない 時 は、 涙ながら に、 また こ の關 寺に 歸っ てく るので ございます」• 瀨 田の 夕 照 も 八 量の 一 〇 狂人の… 小町 自身 を い つ たので ある。 〇 か 、るた めし —畏 橋の S い につけて つれな き 命の 畏 い こと を怨ん だので ある。 「か、 る 一は 橋の 緣語。 【四】 、 、 〇 たよ リ 梨の— 便リ 無し を 梨に いひ かけた。 ;;: 家 は 朝廷に 出: il する;. : :;官り 专 5。 W に對し 千と 重ねて 仙 洞と いひ かけた。 〇 事に よそ へ て— 物事に 寄 せ なぞら へ て。 〇 花 薄穗に 出で そめて: 古 今 築 序の 「花 薄德に 出す ベ き 事に も あらず I を 借リて 人 や: の 秋 深くな リ、 わが 身 の 老衰した 意に 用ゐ た。 〇 さだかに,— 確かに。 はつ -!. 'た i い i はな f す ほ い によ そへ て 歌 を も 詠みし が。 今 は 花 薄穗に 出で そめて" 霜の かかれる 有樣 にて。 浮世に な が ら ふ るば かりに て繁 もつ i だ. つ リ 八- ど おん あ はれ おん J た ヮキ 「げに 尤も 道理な り。 帝よ り 御憐 みの 御 歌 を 下されて 候。 これこれ 見 候へ と懷 中よ リ文を 出し、 シテへ 寄リ、 これ を 示す。 それ こて 遊、 まさ:;. あり し 昔に 變ら ね ど。 さあ これ を拜兑 なさい」 1 帝の 御 歌な:: 小す。 小町 「何と 仰 しゃいます。 帝から 御憐 みの 御 歌 をば 賜った ので ございま すか。 ど、 つかあなた, そこでお 詠み 下さ いませ」 行 家 「それで はお 聞きなさい」 小町 「どうか 高い 聲. てお 詠み 下さ い 」 行 家 「 11 『雲の上 は ::: 小町 r 11 『雲の上 は …… -. -」1 仃 家が 一句な SS む 毎に その 句 を 繰返して いふ。 —バ P れの。 內ゃ ゆかしき シ テ 「あら 面白 の 御 歌 や 候。 『悲し やな 古き 流れ を 汲んで。 水上 を 正す とすれ ど。 歌 詠む ベ しと も 思 はれず。 「又 申さぬ 時 は 恐れな り。 それ 歌 は 三十 一 字を述 ねて だに。 心の 足らぬ 歌 も あるに。 一字 の ikl 歌と 申す 事。 『これ も 狂 氣の故 やらん シテ 「いや そとい ふ 文字 こ そ 返歌 なれ ヮキ 「ぞ とい ふ 文字と はさて いかに ふだ ど おん ねに えい y ん た. シ テ 「さ らば 帝の 御 歌 を。 『雲の. ありし 昔に 變らね ど。 - 何 も IB り ts ない! i、 お前 tiH 分のお 馴れ;. ! 御所の 中 をな つかしく ば s. 5i ないか -A-ss む。 小町 「あ 面白い 御 歌で ございます。 とこ ろ. 私 は 悲しい ことに、 古の 衣 通姬の 流 を 引いた 者と して、 あの やうな 正しい 歌道 を 保ちたい と 思 ひましても、 もはや 歌 も 詠 めさう に は 思 はれない ので ござい ます。 と 中して, 御 返歌 を 中し 上げない では, 又 恐 人った こと. て ございま すから 結局た t 一字. てこの 御 返歌 を 中し あげ ま せう」 行 家 「不思議な こと をい ふ 人 だ。 一 體敏と いふ もの は、 三十 1 文字 を述 ねて さへ、 意味の いひ 足りない もの も あるのに、 1 字の 返歌 を 申す と は、 これ も、 氣が 違つ てゐ るから- その やうな 事 を. すの か 知 らん」 小町 「いえ、 ぞ とい ふ 文字が 返歌-て ノ J ざ い ます」 行 家 「ぞ とい ふ 文字と は, ー體 どうい ふこ となの だ」 小町 「それ. て は、 帝の 御 歌 をお 詠みなさい ませ」 I 仃家 「不 港な こと だが、 それ. 〇 天の 恐れ— 天罰の 恐れ。 【五 J C 長歌— K 字句• 七 字句が 六 句 以上 續 いて 最後 を 七 字 句で 結ぶ 歌體" 卽ち 次の K 句の 短歌よ リは五• - 來 ぬ る た び を し 5 て 田; -ふ」 〇 誹諧 耿, 滑 博 味 を 持った 敬" 例 へ ば 古今 集 素性 法師 「山吹の 花色 ご ろ も、 王 や の -ち なし たれ 問へ ど 答へ ず- 5 混本缺 ー 旋頭缺 9 M 名で あるな どとの 說も あるが、 1": 迪には 七. 七 の 二 十 m 文字の 缺體 であると い はれて ゐる。 例へば 安部 淸, ぞ ゆかしき と 詠む 時 は。 小町が 詠みた る 返歌な り ヮキ 『さて 古 も かかる ためしの ある やらん シテ 『なう 鸚鶴 返しと いふ 事 は 地上 缺 『こ の 歌の 樣を 申すな り。 帝の 御 歌 を。 ば ひ 參ら せて 詠む 時 は 天の 恐れ も 如 ならん リ 和歌 みち ふ ゆる たうと の 道な ら ば 神 も 許しお はし ませ と 合掌。 貴から ずして。 高位に 交 はると い ふ 事。 唯 和歌の 德と かや 唯 和歌の 德と かや ヮキ 「ば ひ參ら せて」 に 文 を 懐中し、 上 欲 終る と 脇 に 歸り下 に 居る。 【五】. 地ク" 『それ 歌の 樣を尋 ぬるに。 長歌 短歌 旋頭 歌。 唐土に つ の 鳥 あり 鷉賴 小町 をお 詠み 申し あげて 見よう —— 『雲 の 上 はありし 昔に 變らね ど 、見 し 玉 だれのう ちゃ ゆかしき』 — 」 、 小町 「そこで ございます- その 『內 やゆ か しき』 の や をと りの けて、 『內ぞ ゆかしき,】 と 詠みます と、 私の 詠んだ 返歌と なる の. て ございます」 行 家 「すると、 昔に もこの やうな 例が ある ので あらう か」 小町 「さやう, 鸚鷓 返しと いふの が、 この 歌の 樣を 申す の. て ございます。 帝の 御 欲 をお 奪 ひ 申して 返歌 を 詠みまして は、 ど の やうな 天罰が あらう かと、 恐し く 思 は れ ますが、 和歌の 道の 爲 なれば、 祌樣も お許し 下さい ませう。 どうぞ 祌 お許し 下さい ませ。 ::1位 の 方々 と 交 はる ことの 出來 るの は、 和 欲 の德. て ございます」 I 五. この 鳥 は 人の 言 ふ言雜 を; W 似 て、 その 言葉 を その まト I: 分の 囀り 聲と 致します。 例へば 何々 と 或 言雜を い へ ば その 言葉の 通りに 答へ ます。 との isMQ 〇 夜 を こめて— 夜の 明けな いうちに 〇 稍 荷 山— 京都 の 南に あ る。 夜 を こめて 出 づを稻 荷 に いひ かけた。 つら 近 く— お葉の 衷を浦 に いひ かけた。 一 J— 袖 を 廻ら すと いひ かけて、 その? お 時 の樣を W れひ 出せば と いった ので ある, - 〇 信 夫 招: 忍せ の 葉で 模探 を. WIiss リ つけた もの。 こ 、ではお 1! 32チ.. の 略で、 神 佛が衆 チ濟」 耽 二 四 シテ 『和 光の 光玉 律 島 地 『廻らす is や。 波が へり 〔序 舞〕 シテ 『和歌の 浦に。 月に は 愛で じ シテ 『これ ぞこ の 地 『積れば 人の 地 『かほ ど に 早き 光 の 陰の。 時人 を 待 た ぬ。 習 ひ と は 白波の シテ 『あら 戀 しの やな. と 下に て し をる。 - いふ になった 想で、 小町 「ほんと に 月 曰の 經 つの は 早い もの だ のに、 時 は 人の 爲に 少しも 待って くれな いとい ふこと に氣 がっかなかった。 その 光 を 承け て 玉と 續 けた。 〇 波が ヘリ— 舞の 手。 〇 和缺の 浦に 潮滿ち 來れぱ !?! 「かた をな み 】 は 潮が 満ちて 干潟が なくた るとの 意。 〇 立つ 名 もよ しゃ— 鶴の 音 を 重ねて 立つ といった。 忍 び 音に 泣いて 戀ひ 慕って ゐ たが、 浮 名が 立つならば、 それでも 構 はない との 意。 〇 月に は 愛 で じこ れぞ こ の— 古今 集 伊勢 物語に も 在 原 業 平の 欲 「お ほかた は 月 を もめで じこれ ぞこ の镜 れば 人の 老 となる もの」 を tIT 'レた 〇 時人 を 待たぬ: 陶淵 明の 詩に 「盛年 不一 ーま來 T 一 日 難 二 再 小町 も 小町 「では、 お別れ 申します」 と、 杖に 總っ て、 よろくと 立ち、 別 れを 惜しむ 涙 は せきとめられず、 涙に 袖 を 濡らしながら、 關寺 の柴の 庵に 歸 つた。 本 貞享 一一 一年 本. 一 異同がない 一 H. f5 觀 寶 春剛 喜 き 【能 柄】 四 番目 複式 夢幻 能 【人物】 ヮキ 日向 國の 者、 前シテ 狂言 阿漕 浦の 者、 後シテ 伊勢 國 阿漕 浦 秋 九月. 古謠 本に は 〔阿 濃〕 〔阿古 贵〕 〔阿古 木〕 などの 字を當 てた もの. 漁 翁 阿漕の io、 漁夫 阿漕 【 所 】 【 時 】 ある I 【作者】 能 本 作者 註文、 一 一: a 十番 謠目錄 ともに 世 阿彌の 作と す。 言 繼卿記 一 天文 元年 五月 一 日の 條に 演能 のこと、 言 經卿記 文 祿四年 四月 一 日の 條ー に註鐸 のこと が 出て ゐる。 て 消え失せる。 S 向の 男が 法 華 經を讀 誦して ゐ ると、 その 夢に 阿漕の 靈が 現れ、 娑婆. て 網 を 引いた 樣、 今 地獄で 苦しむ 樣を 示して、 海 底に 入る。 【出典】 この 傳說 の原據 は、 十;; 今 和歌 六帖 に、 鯛と いふ 題. て 掲げた、 讀 人知らず の 欲、 逢 ふこと を あこぎが 島に ひく 網の た び 重なら ば 人 も 知りなん から 出た もの• て、 これが 轉 じて, 源平 盛衰 記 卷八ぺ 讃岐院 事」 に、 さても 西 行發 心の 起り を尋 ぬれば、 源は戀 故と ぞ 承る。 申す も 恐れ ある 上臈 女房 を 思 懸け 進ら せたり ける を、 「あこぎの 浦ぞ」 と: K ふ 仰せ を i5 织 りて 思ひ 切り、 官位 は 春の 夜 見 はてぬ 夢と 思 ひ 成し、 樂み榮 え は 秋の 夜の 月 西 へ と 准ら へ て、 有爲の 世の 契り を 週れ つ 、、 無爲の 道に ぞ 入りに ける。 , 伊勢の 海 あこき が 浦に 引く 網 も 度重なれば 人 もこ そ 知れ と 云 ふ 心 は、 彼の 阿漕 の 浦に は 神の 誓 ひに て、 年に 一度の 外 は 網 を 引か-すと かや。 此の 仰せ を 承って 西 行が 讀 みける。 と あるに 據っ て、 謠. S 作者が 阿漕と い ふ 漁夫の 密漁 を 創案した ので あらう。 こ の 漁夫 阿漕の 事に つ いて は、 勢 陽雜 記. 阿古 木 草子. て、 謠曲 によって 記述した ものである。 【槪 評】 本 曲の 脚色 は 複式 能と して 一般的な 形式 をと つた ものて あるが、 たに 前段 シテの 語の 次に 地謠 があって、 その 次に 「片 クセ」 を 加へ てゐ るの が、 や、 變 つた 點. て ある。 文 段の 推移 も、 前段 シテヮ キの掛 合 第三 節 に 阿漕の 和耿 につ いて 語り、 次 第 四 節 に 阿 漕の 漁夫に ついて 述べ、 その 次 第五 節 にこれ と關聯 した 故事 を 語り、 ロンギ 第 六 節し に 前 ジテの 眞性を 明らかにして ゐ るの は、 圜 滑な 進展. て あり、 後段の、 密漁の イロ へから 地獄の 苦 嵐に 移る の も、 妥 當な變 化. て あると 思 ふ。 て は ヮキを 旅 肘と もせす、 在俗の 旅人と して ゐる爲 に、 一展 力が 弱い。 更に また これ を问 じく 殺 ii- の 者 を、 王材 とした 〔赛知 鳥〕 と比べて 見ても- 彼の 方が 凄慘な If 1 味 を 持って ゐる。 心づ くしと は 人の 心 を 動かし あはれ の 情 を 誘 ふこと で、 これ を 地 名の 筑紫 にい ひかけ た。 OH ぞす, なき— まだ 初秋 で 落葉が 少く、 從 つて 木 葉 が 茂って ゐて、 月の 光が 十 分に 兑 えない ので ある。 〇 口 向の 國の 者—. 古 謠本及 び 他流で は 僧と してんる。 〇 日に 向 ふ— 日向の 國の字 を 引延べ て、 日の出る 束 方 に 旅 をす る 意に いひ かけ た 〇 八重の潮路! 遠い 海路。 〇 淡 路;? !迎 ふ 千鳥の— 波の 泡 を 淡路に いひ かけ、 金 葉 集 源 兼 CI の 欲 一 淡路島 通 ふ 千鳥の 鳴く 萆に 幾夜ね ざめ ぬ須 磨の 關守 一 を 引いた。 M 覺を すると いひ かけた。 木 の 間の、 月ぞ すくなき 地 取に 正面 に 向き、 ヮキ 「これ は 九州 日向の 國の 者に て 候" われ 未だ 伊勢大神宮 に 參らず 候 程に。 唯今 思 ひ 立ちて 候 ヮキ 道行 『日に 向 ふ. " 國の浦 舟 漕ぎ出で て。 通 ふ 千鳥の 聲 聞き て。 , -C も ふ - 二で う- ゥ 磨の 浦" 關の戶 と もに 明け暮れて。 阿漕が 浦に i き にけ り 阿 ま 曰 が に 着き にけ り 「通 ふ 千鳥の 聲 聞きて」 と 右の 方に 向きて 二三 足 出で、 またも と に歸リ て、 阿 Is 浦 に 着きた る 心。 逍行濟 みて また 正面に 向き いそ ほど い サ.. 二 み C こほり ヮキ 「急ぎ 候 程に。 「人の 心に あ はれ を 感ぜ し め る 秋風が 吹 い て 来たが• まだ 秋に なつ たばかりな の• て は. その あたり を 往き来す る 千鳥の く? 18 を 聞 いて, 旅 の 夢 を さまし、 やがて 須 磨の 浦 を も 過 ぎ、 かう して, 船の 中に その 日 その 日. 〇 出 夫— 火。 九戒の 一。 述の わる い。 あさまし い。 【三】 〇 尉— 老翁。 潜 と や らん 中し 候。 一 の 離 子に て、 シテ漁 翁、 面 笑 尉. 襟 iK. 茶鲑水 衣. 乾す 隙 も な き海士 衣-身の 秋 い つ と。 限ら まし シ テサシ 『それ 世 を 渡る 習 ひ。 われ 一 人に 限らね ど しょ. 、 いと な でん ぶ あさ も j せめて は 職 を營 む 田夫と もなら ず。 かく 淺 ましき 殺生の 家に 生まれ。 明暮 物の 命 を 殺す 事 の 悲し さよ ?面を 伏 S。 「拙 かりけ る 殺生 かなと は 思 へ ども。 浮世の 業に て 候 程に。 今日 もまた 釣に 出で て 候 【三】 とい ひて 釣竿 を 下す。 師衣を 濡ら すだけ で はな い、 愚痴の 泯で袖 を: 瀧ら し てゐ るの だから" いつだつて 着物の 乾く 隙 はない 、まるで、 一年中 悲しみの 秋の やうな もの だ」 く」 成慨 を 述べ 、 is「 1 膣 この 世 を 暮らして 行く ために、 苦しい 働き をして ゐる もの は、. y 分 一 人 に 限った わけで はない が、 同じ 苦しむ に しても、 せめて 人間ら しい 職業 を營む WJ 姓に-て も なれば まだし も だが、 この やう な 浅ましい 殺生 を 仕事に する 家に 生まれ て、 明けても 暮れても. 委しく は 解說に いふ。 〇 六帖— 古今 和歌. ; ハ帖の 略 で、 或は 「紀 家-; ハ帖」 とも いひ、 赏 之が 女の 爲に集 めた もので あると も、 貫 之の 女の 撰んだ ものである とも、 或は 具 平 親王の 御 撰で あると もい ひ、 未だ 明 かにし 難い。 阿漕の 欲- 六 帖に は 「逢 ふ こと を あこぎ が 岛に 引く 網の たび 重なれ ぱ人も 知りなん」 と ある。 みろ め 〇 見 る IH — 海草 の 海松に レ 力け た 〇 心なき— 風雅な 心 の な 阿 シテ 「此方の 事に て 候 か 何事に て候ぞ ヮキ 「伊勢の 國に とりても。 こ の 浦 をば 如何なる ふころ t-r- 所と 申し 候ぞ V. かやう に 詠まれし -v. b おもしろ y ャ. P ふ 浦なる ぞゃ" 1 あら 面白 や 候 シテ 「あらや さしの 旅人 や。 所の 和歌 なれば など か は 知らで 候べき。 かの 六帖の 歌に。 『逢 ふこと も 阿漕が 浦に 引く 網 も-。 「度重ならば 顯 れ やせ ん 3 かやう に 詠まれし 海士人 なれば。 さも 心 な き 伊勢 をの 海士 の。 見る目 も 輕き身 なれば と て J 賤 しみ 給 ひ 候な よ ヮキ 『げ にや 名所 舊 跡に。 A- 仕舞 ひに は 人に 知られて しまった と, かう 詠まれた 浦な の だ。 この 土地 の 歌 だから、 私 も 勿論 知って ゐ ます。 か の 古今 六帖の 歌に —— 『逢 ふこと も 阿漕が 浦に 引く 網 も- 度 ま ならば 顧れ やせん』 人に 膝れ て 男女の HI ふこ. 、, i 、阿 is が 流で 密! g す る こ VJ も、 一 度 や 二度な C は、 人 も かっかない で濟 むで あらう が、 度 a なつたなら は、 人に 知. , T れて しま ふたら う この やうに 歌に 詠まれた 阿漕が 浦に 住む 漁師な の-てす から". 輕: g なされ てはいけ ません よ」 三 阿 I 〇tt めば 所に よる 波の ー 「住めば 所に よる」 を 波の 寄る にい ひかけ た。 〇 物の 名 も 所に よ リて變 り けり 范玖 波% に收 め、 り れ た述耿 ご、 前 句 一草の 名 も 所に よ リて變 るた リ 一、 救 法師の 付 句 「雜波 2 芦 は 伊5? 椅後撰 集 太に. 〇 許され 申す-こ 、に は a 流の 者と 認められて ゐ ると いふ 意。 〇 敷 により 來 る一敷ね は 耿 a をい ふ。 : 欲 『物の 名 も。 所に より て變 りけ り。 所に より て變 りけ り 難 波の 蘆の 浦風 も。 藻 S 燒く。 も 今は絕 えに けり。 月見ん とての。 海士 のし わ ざ にと。 許され 申す 海士 衣" 數 島に よ り來る 人な みに い かで A るべ き 【四】 ?. 0 --. J t ま おん io ";! ヮキ 「こ の 浦 を 阿濟が 浦と 中す いはれ 御物 語り 候へ. ヮ キも 下に 居る。 S 、雅な 心が 湧いて 來 ようと いふ もので す」 男 「自分自身. 1 も 風雅 な 者と 認められて ゐ るの です。 この やう な賤 しい 漁師• て も、 和歌の 道に 志す 人の 仲 問に 外れ はしない の, てす よ」 【四】 巧- この 浦 を 阿 115 が 浦と いふ わけ をお 話 し 下さい」. - いはれ て! si は 5? の 傍に 坐り、 【四】 〇 御 誓 ひ,: 御 誓約、 御利益。 つ ろく づ— 魚類。 〇 すた どリ— 漁。 〇 阿漕と いふ 海士 人— 謠曲 作者の 假作 人物。 〇 さたき だに-. : 祌 前に 供 へ る 物 を 盗んで 祌罰を 受けな くても、 漁 13 は 佛の殺 半: 戒 を 破った 罪の 深い ことで あ るの を いふ。 〇 苦しみの 海-— 佛敎で 生死 苦惱の 極まりな いこと を 海 に譬 へた 語。 させたい と 思 ふ 欲心の あさまし さに、 夜々 人に 隠れて、 網 を 引いた の• 暫 く は 人も氣 がっかなかった の. てす が、 皮 重なれば" 自然人に も 知れて, 阿漕 を總 り、 すぐ その 場. て、 この 浦の 沖に 沈めて しま ひました。 そ して、 死んだ 後まで も、 この 世で は Mm の惡 名を殘 され、 冥途. て は絕ぇ 間もなく 呵責の 責に 苦しめられ ると い ふ 重い罪 人 となって しま ひました。 どうぞ この 跡 を 弔って 下さい」• 拾 葉抄に 「古 今 榮雅抄 に 云 ふ、 秋 萩に う ら ぶれ をれば 足 引のと よめ る 注に、 うら ぶれ は 馴れ を れ ばと 云 ふ 心なり 云々、 私 云 ふ 阿漕が 浦 を 云 ひかけ て うら ぶれと は續 けた リ、 此 謠 のうら ぶれ はなれ 給 へ と 云 ふ 心な リ」 と あるに 從ふ ベ きで あらう か 〇 墨 衣— 僧の 着る 衣。 〇 手 綠の網 I 普通の 小 網。 手で 網 を綠リ 寄せる もので あるから、 かう いふ 〇 はやて— 颶風。 〇 敷 波— 頻リに 寄せて くる 波。 繰り 返 し 繰り 返 し 浮き ぬ 沈む と し よりも 正面 先にて 魚 を 釣る 形 をし。 每面陪 く かきく 丄 て。 0 しき う 添 ひ 漁の 燈 消え失せ て 正面に て 竿 をす てリ。 腰 帶, 扇の 装束に て、 名乘 へ 出で、 狂言 「かやう に 候 者 は。 阿漕が 浦に 住居す る 者に て 候。 今日は 诚に 出で 心 を 慰めば やと 存 する。 ヮキ を 見て いや 是に 見馴れ 申さぬ 方の 御座 候が。 いづく より いづ 方へ 御 通りな され 候へば。 これに は 休 らうて 御座 候ぞ ヮキ 「是 は西國 方より 出で たる 者に て 候。 尋ね 申した きことの 候 狂言 「畏 つて 候。 舞 臺の眞 中 へ 出で、 ヮ キ に 向 ひ 下に 居て〕 さて 御 尋ねな された きと は。 いか やうなる 御 m 阿 lili ハ OK 番六番 iff? 古 この 所に 於て 阿漕と 申す 釣 人の 果てたら 仔細。 御存じに 於て は 語って 御 聞かせ 候へ 狂言 「是は 思 ひも 寄らぬ 事 を 承り 候 もの かな。 我等 もこ S 邊に 住居 仕り 候へ ども。 さやう の 事 委しく は 存ぜす 候 さりながら。 めて 御 目に か ゝり御 尋ねな され 候 事 を。 何とも 存ぜ ぬと. す もい か tf に て 候へば。 凡そ 承り 及びた る 通り 御物 語り. 言 正面に 向きて〕 「ま づ この 池 を 阿漕が 浦と 申す 子細 は。 3 名に よりて つけたる と 申す。 その 故 は。 この 浦の 魚 は 大神宮の 御瞎に 供へ 申す 間。 常 は 殺 牛: 禁斷 にて 御座 候處 に。 こ S 沛に 阿漕と 申す 漁師 の ありし が。 夜な夜な 忍び 出で 網 を 引き 申し 候に。 暂しは 人 も 知ら ざり しが。 度重なる に從 つて 沛 の 者 ども。 これ を 聞きつ け 何卒 铺 へたし とて。 こ、 かしこに 忍びる て。 かの 阿漕 を 待ち 申す に。 左 樣 S 事と は 夢にも 知らす。 忍び 出で 網 を 引く 處を。 待ちる し 者 どもば つと 寄り。 その ま、 铺へ. K 竹 を 取り寄せ。 それ を さいて 贅に 編み。 その上に 阿漕 を寢 させ。 くるくると 卷 いて 五番 六番 きっとい ましめ。 大石を 括りつ け。 この 海の 深き 所に 柴请に 致し 候。 それより この 浦 を 阿漕が 浦と 申し 候。 されば 御耿 にも。 度重なれば 顯れぞ すると。 かやう に 詠ませられた ると 承り 候。 ヮキ に 向 ひ ま. つ 我等 S 承りた る はかくの 如くに て 候が。 何と 思し召し 御 尋ねな され 候ぞ。 近 不審に 存じ 候 ヮキ 「懇に 御物 語り 候 もの かな。 網み-引く に兒ぇ 〇 ー乘の 妙なる 花— 妙法 蓮 華經を いふ。 一 乘とは 一切 衆生 を 悉く 成佛 せしめる 法 で. 卽ち法 經を 指す C 同 鋰 方便" g に 「聞 一一 我 所說法 T 乃 Hi- 於 一一 一 偈 T 皆 成 佛無レ 疑、 十 方佛 土中、 唯 有 一二 乗法 T 無レ 二 無 匕 一一」。 「妙なる 花」 は 妙 法 華 を 和らげた ので ある。 笞 の 衣 は t5 衣 をい ふ。 衣の 玉 と は、 法 經經五 弟子 授記 品に 見えた 法 華 七喩の 一 、 衣珠喷 をい ふ。 こ こに は 法 華の 敎を 受けて 佛緣を 得た ならばと いふ 意に 用ゐ たの であらう。 【八】 〇 海士の 刈る 蓬に 棲む 蟲の われから と 音 を こそ 泣かめ 世 をば 恨み じ— 古今 集 典侍 直 子の 歌 cr われから」 は 海 草に 棲む 蟲の 名。 それ を わ が 心からの 意に 轉 じて、 上 二 句 を その 序と した。 阿 て 候が。 俄かに はやて 吹き 漁火 も 消 ゆると 見て。 姿 を 見失って 候よ 狂言 「これ は 奇特なる 事 を 仰せ 候 もの かな。 さて は 阿漕が 幽 霰顯れ 出で たると 存じ 候 間。 かの 跡 を 御 弔 ひ あれ かしと 存じ 候 ヮキ 「近頃 不思議なる 事に て 候 程に。 暫く 逗留 申し ありがたき 御 經を讀 誦し。 かの 跡 を 懇に弔 ひ 申さ うする にて 険 狂言 「御 逗留に て 候 は 重ねて 御用 仰せ 候へ ヮキ 「賴み 候べ し 狂言 「心得 申して 候 とい ひて 狂言 は 引-、。 【七】 ふむ.. いざ 弔 はん 數々 の-法の 中に も 一 乘の。 妙なる 花の 紐 解きて。 笞 の 衣の 玉なら ば ふ に 光 は、 嗜 か らじ 終に 光 は 【七】 喑 から じ 【八】 出端の 雜子 にて、 後ジテ 阿漕、 面 痩 男 ,黑 頭. 黑 地 鉢 卷. 襟淺 黄• 白 縷水衣• 腰 帶. 腰 蓑• 扇の 装束に て、 m 手 網 を 持ちて 橋懸に 出-て、 一 の 松に て、 後 ビア 『海士 の 刈る。 藻に 樓む蟲 の われから と。 世 をば 恨 み じ。 〇 人汐 I さし 汐。 勢の 名所な リ」 と ぁリ. 謠 曲 作者 もこれ を 安濃 郡の 海と 解して、 阿 と 音 を 重 ね、 その 枕詞と したので あ らラ e 〇i- 木 I 鹽を燒 く爲に 薪と する 木。 C 懲 W もせで— 木 を 植るを に いひ かけた。 持 網— 手に 持つ、 に 魚 を 捕る 網。 : をのみ 持つ とい ひかけ た。 御 膳の 贊の網 はま だ 引かれぬ よな う? 正 面 を 見廻し。 「よ き 隙な りと 夕月 なれば。 苻 より やが て入汐 の? 少し 前へ 出で リ。 沖に も。 唯 われ の みぞ あごの 海。 で シテ 『伊勢の 海。 波 は 却つ て: 猛火と な る ャてゃ と 立 上 リて網 を 後へ 投げ 松て。 あら 熱 や。 堪へ がた や と 脇 正面に 安 坐す。 て、 大 神宮 へ お供 へ する 爲の網 はま だ 引かな い やう だぞ。 今 は 夕月夜 だ から、 宵のう ちか ら ti 汐だ。 ;… いつ もとは 道を變 へ、 人 in を 忍ん-て 網 を 引か う。 網 を 打って やら う」 〔イロへ〕 に總 をう つ は をして ゐ るう ちに、 地お で 苦しめら れる 心; 5iJJV. s 地お の 苦しみき: ホし OA 三 つ — H- の 刻 は 今の 午 前 二 時。 それよ リ 寅の刻 午 前 四時まで を 四 分して、 丑 一つ、 fH 二つ、 三つと いふ。 轉 じて、 a 三つ を眞 夜中の 意に 用ゐる やうに なった。 〇 因果の 廻リ來 る— 前世で 殺生 をした 業因が 報うて 來 るとの 意。 〇 火 車に 業 積む— 火 車 は 地 獄で 罪人 を 載せる 車。 業 は 罪業の 意で、 罪の 多い こと を 車に 積む 荷に. 〇i- 蓮大杠 蓮— 紅蓮 地獄. 大杠蓮 地獄で、 烈し い 寒さ の 爲に膚 肉が 续れて 紅蓮の やうになる 所。 〇 焦熱 大 焦熱— 焦熱地獄• 〇 起居に I 焦熱地獄の 焰か ら IIT! SS の緣で 雲霧 を 出 し、 霧の 立つ を 起居に いひ かけた。 阿 に 合せて 舞 ふ。 -っ し A す よる ゆめ 地 『丑 三つ 過ぐ る 夜の 夢。 丑 三つ 過ぐ る 夜の 夢。 ふ いんぐ P め i、 くる 見よ や 因果の 廻り 來る。 地獄 も眞 なりげ に。 恐し の 氣色ゃ シテ 『思 ふ も めし 古の 地 『思 ふ も 恨めし 古 の、 婆 婆の 名 を 得し。 阿淸が -? b なほ しふ しん こ 、ろ わみ て な こ の 浦に。 猶 執心の。 心 ひ く 網の 手 馴れし うろ く づ 全 く 目の前の 地獄で、 實に 恐し い 有樣- てす。 あ、 考 へても ぬめし いこと だ。 この 娑婆 に 浮 名を殘 した. どうか 罪 を 雷ね たこの; 1: 漕 を 助けて 下さい、 どうか この 罪 を 救つ て 下さい」 といって、 また 海の 底に 人って しまつ た。 げ る光悅 本と 培 ど じで あるが、 他の 寳剛喜 三流 は ヮキが 「九州 日向の 國ょリ 出で たる 僧」 である 外、 觀世现 行 M とほ i-ra じ である。 e 勢 や 日向 もへ たてな き。 シテ 「セ 方の 事に て 候, T 何事に て候ぞ 光ナ シ〕。 委 かたって S せ 巾 候べ し。 世 阿 彌のー 者に はこの 曲名 が 見えず、 禪 竹の 著に は、 歌舞 髓腦 記、 拾 玉 花と もに その 曲名 を 擧け、 五 音 三曲 集に 幽玄 第五 有心 體曲 味の 例と して、 本 曲の シテ サシ 「ある は 男 山の 昔 を」 以下 クセ上 「緣 こそ 嬉し かり けれ」 まで を 引いて ゐる。 これ を 見れば 本 曲 は 金春禪 竹の 作で あらう か。 親; 兀 日記 宽正六 年 二 月 二十 三日の 條に、 二十 七日の 仙 洞 御 能目錄 S 意の 分に この 曲名が 見え てゐ る。 W 一 【搜 概】 sise 岡 日 下 左 衞門は 貧困の 爲に 夫婦別れ をした が、 妻 は 京都の 或 貴人の 乳母と なり、 相當の 生活が 出来る やうに なった ので、 そ の 家に 化へ て ゐる男 を從 者と して、 難 波の 浦へ 夫 を 尋ねに 行った。 君なくて あしかり けりと 思 ふ に もい とに 難 波の 浦ぞ 住みう き• 女 も 男 もい と 下種に は あら ざり けれど、 年 比 わたら ひな ど もい とわ ろくなり て、 :• 男 「己 はとても かくても 經 なん、 女の かく 若き 程に、 かく あるなん いといと ほしき. たよ りの 人に いひつ きて、 女 は 京に 來に けり。 ::: さてと かう 女 さすらへ て、 ある 人の や ごとな き 所に 宮 立てたり C ::: か、 る 程に、 こ の宮 仕す る 所の 北の方う せ 給うて、 これ かれ ある 人 を 召使 ひ 給 ひな どす る 中に、 この 人 を 思 ひ 給 ひけり。 思 ひっきて 妻に なりに けり。 て 立ちて 往に けり。 難 波に 政して 歸 りたん とする 時に …… 荷 ひたる 男の、 かた ゐの やうなる 姿なる、 この 車の 前より 柱き けり: これが 顏を 見る に、 そ の 人と いふべ くも あらず、 いみ じき さま なれ ど、 わが 男に 似たり。 ー暫 し」 とい はせ けれど、 人の 家に 逃げ 入りて、 鼈の しりへ に 屈まり K りけ り" この 率より 「なほこの 男 尋ね ゐて 來」 とい ひければ、 供の 人手 を 分ち てもとめ 騒げり。 人 「そこなる 家に なん 侍る」 とい へば、 この に 「かく 仰 せ 事 ありて 召すな り、 …… 」 とい ふ 時に、 硯を乞 ひて 文 を 書く、 君なくて あしかり けりと 思 ふに もい とに 難 波の 浦ぞ 住みう き と 書きて、 封 じて、 「これ を 御 車に 奉れ」 とい ひければ、 怪しと 思 ひても て來て 奉る。 開けて 見る に 悲しき こと 物に 似ず。 車に 着たり ける 衣脫 ぎて、 包みて 文な ど 書き 具して やりけ る。 さてなん 歸り ける。 後 はいか なりに けん、 知らず。 あしか らじ とて こそ 人 の 別れけ め なに か 難 波 の 浦 は 住みう き 本 曲 はこの 物語に よって 脚色した ので あらう。 源平 盛衰 記卷 三十 六に も, 村 上 天皇の 御宇の ことと して、 この 物語 を傳 へて ゐ るが、 こ れには 夫が 邪見で 妻 を 去った ことと して ゐて、 本 曲と は 距離が 遠い。 さて 第 七 節て は 前節に 夫 が 各々 和歌 を; 詠んで その 眞心 を傳 へあった とい ふ 動機から、 長々 しい 歌 物語 をす る ことと なり、 第 八 節に ヮキ從 者の 所望に よって、 例 の 通り シテが 舞 を 演じて、 め-てた く 本 曲 を 結んで ゐ るので ある。 以上の 經過を 顧みる と、 第三• 四 節の 物語 は謠曲 常襄の 手法であって、 咎める こ ともないと 思 ふが、 第 七 節 クセの 歌 物語 は 第五 節の 輕 快な 「笠盡 し」 に對 して、 餘 りに 重々 しい 感じ を與 へて ゐる。 これ は 恐 らく 前の 輕 妙な 俗謠 舞踊に 於け る 民衆的 與 味に 對 して、 觀 衆の 古典的 趣味に 叶 へ ようと 意圖 した もので あらう が、 相 K した 一 一 つ の 興味、 趣味 は 結局 調和 融合し なかった ものと 見なければ ならない。 けせ ンセの 部分 を 滑 補して、 却って 破綻 を 生じた のでな からう かと 疑 ふので ある。 さも あれ 常に 女の 戀愛 を: 止 本 曲に 夫婦 w 會 の 喜び を 描 いたの は、 まことに 珍しい こ とで あ つて、 殊に こ の 出典-て あ る 大和 物語な どで は 、 大を 得て、 W 會の 喜び はほんの 一時的の ものに 過き ない —— 盛衰 記, て は 更に 甚 しく 夫に 苦痛 を與 へて ゐる 11 に對 へ て 京に 歸る ことと して ゐ るの は、 特に 注意すべき 點- てあらう。 次第の 離 子に て、 ッレ日 下左衞 門の 妻, 面述 面. 赏 つお 帶. 襟 赤, 着 附招消. ss 織 着 流の 装束、 ヮキ 妻の 從者、 着附段 熨斗:::• 素 袍 上下• 小刀 ,13? 古き 都の 道 なれ や。 都 さる 御 方に 仕へ 申す 者 にて 候 M ッレへ 向き 又 これに 御座 候 御 事 は。 頼み たてまつ ひこ わ K ご おん ち ひと ? ざ 奉り 候 人の 若 子の 御 乳の 人に て 御座 候。 i わん くだ さ 御 里 は の國: n 下の 雄に て 候が。 今 一 度 御 下 り ありた き. 1 よ り 舟に 乘せ 1. i して. この 曲の、 相携 【 I 1 き 都— 難 波 を 指す。 難 仁 ひお 人. C サ 右子一を さな ご。 〇 御 乳の 人— 乳母。 !:: け SliSlI で なく、 河. 〇 美 豆 野の 原— 同 國緩喜 郡 にある。 美 豆の 原と いふ の が 正し い。 〇 山 本 霞む 水無瀨 川— 水 無 瀨川は 山城の 國 境から 攝津 國三島 郡に 流れて、 廣瀨で 淀川に 合する 川。 〇 活の森 —河内 國 交野 郡に あり、 淀川に 沿-つて ゐる。 〇 大 江の 岸— 渡邊に 隣接し た 地。 後拾遗 集良逼 法師の 歌に 「渡 邊ゃ大 江の 岸に 宿 りして 雲! に 見 ゆる 生 駒 山 かな」 〇H 下の 左衞 門— 謠曲 作者 假 作の 人名。 急ぎ 候 一 同 向 合 ひて、 よど ぶね みづ Q はら もけ ぼの r ゾ 1 道行 『淀 舟 や。 J の 曙に。 影 も殘り て 有 明の。 山 本 霞む、 水 無瀨川 な;,. , さ i. なほ 行く末 は渡邊 や。 大 江 の 岸 も 移り行く。 波 も 入江の 里續 く。 難 波 の 浦に 着きに けり 難 波の 浦に 着きに けり 「なほ 行末 は」 と ヮキは 正面に 向きて 二三 足 出で、 またもと に 歸リ て、 難 波の 浦に 造き たる 心。 逍行济 みて ッレ と ヮキと は 正面 に 向き、 おん に そ ほど つ くに ぐ. で か さと ヮキ 「御 急ぎ 候 程に。 これ は は や 津の國 日 下の 里 に 御 f おきに て 候 パッレ に これに 暫く 御 待ち 候へ。 ヮキ ッレ に 「ま-つかう 御座 候へ とい ひて、 ッレ は脇麼 に、 ヮキ ヅレは その 次に 行き 下に 居る。 , l-ff に は、 「もと はこの 所に 御 ゆ: 候 ひしが。 K 々御き 一力に て。 〇 何ともな や 候— 何とも い ひやう のない ことで ある。 に 驚いた ことお。 〇 やがて— すぐさま C 〇. 長上 下• J ヮキ 「こ の あたりに 日 下の 左衞門 殿と 申す 人の 渡り 候 か 狂言 「さん 候 もとは この 所に 御座 候 ひしが C 今 は 散々 に 御な り あって。 こ の. H を やがて 申さう ずるに て 候 間。 11: く 御 待ちあって 給 はり 候へ 〔お に は rsi 哲く」 以下, - の 十四 字 を 省く 」 狂言 「心得 巾して 候 ヮキ、 の眞中 にて ッ レ に 僻 俵 をして、 ヮキ 「い か に. ン 『げ に ゃ家贫 にして は 親知少 く。 〇 濱市— 濱邊に 於け る 市場 習 ひなれ ども。 餘り にあ さましき 有樣か な と しをり、。 「さりながら 樣々 契り 置きし 事 あり" こ の や-ころ し f5 る. 11,0 所に 暫く 逗留し" かの 人の 行方 を 尋ね ば やと 思 ひ 候. ;; ほ もっと ところ ご ヮキ 「げ にげに 仰せ 尤もに て 候。 こ の 所に 暫く 御 逗留 候 r 猶々 御行 方 を 委しく 尋ね 申さう ずる にて 院。 都 ひと ふ i- つ の 人に 見せ 申した く 候よ 狂言 「さん 候 この 浦に 濱市 S 候。 色々 の 物 を 寶り買 ひ 候な かに。 若き 男の この 難 波の 魔 を 刈りて 賣り 候が。 色々 に 戯れ事 を 申 して 面白き ものに て 候 間。 名 草の 事に て 候 程に 皆々 買 ひ 取り 候。 目 を兑 るの は 自分 一 人に 限る わけで はな い、 世 間 一般 の 習 はしで は あるが、 わが 夫の 行 衞も知 れな いと は、 あんまり 情ない ことです。 でも, 以前 色々 約束して 置いた ことがあ るので すから、 暫く この 所に して、 あの人の 行衞を 尋ね た い と 思 ふ の で す 從者 「いかにも 御尤もな お 話-てす。 暫くお 待ち 下さい、 あ の 男 をお 見せし ませう」 從者 「これ は 嬉しい ことです。 それで は そ の 男 を 待って 兑 ませう」 里人、 S 刈 男 を ひ 出す at 刈 四 八 【二】 〇:: 止 引 S— 山 5 枕詞。 C 淡, おお— 波の 泡 を 淡路に いひ かけた。 〇 所から— 場所柄、 流石 名 所 だけ あ つ て。 まづ かう 御座 候へ ヮ キ地謠 斑の 前に 行き 下に 居る。 狂言 慕に 向 ひ、 狂言 「や あく 蘑を賣 る 男。 今日は 何として 遲く 候. ; て。 とうと う 此方へ 出 でられ 候へ や. とい ひて 狂言 座に くつろぐ。 後 小屋の 作物 を 大小 前に 出す。 着附段 Si! 斗 10. 娃 水 衣 :::! 大口• 腰帶, 扇の 裝來 にて、 黑塗男 笠 を 被リ、 竹に. H かす なに は え むこ ;でひ シ テサシ 『足 引の 山 こそ 霞め 難 波 江に。 向 ふ は 波の 淡路 潟。 げ に や 所から I 沛々 の 景色まで も。 眺 めに つづ く 難 波 舟の。 に 入り、 地 『われ だに ハ I らぬ。 面忘れ 【二】 シテ B 下左衝 門、 a 刈 男の 姿で、 笠 を 被り、 w を 持って 整 ST B 下 「山の 方 は 霞んで ゐ るが、 難 波 浦の 方 はずつ と 晴れ渡って、 遙か向 ふの 方に は 淡路! ir が见 える。 そして さすが 名所 だけ あつて- この 浦の 景色が 突し いば かりで はなく、 この 浦績 きの 他所の 浦々 の 景色 までが 面白い 眺めで, あの 難 波の 沖合に 船の 浮かんで ゐ る朝氣 色の 面白さ。 ほん とこ、. - 一. あたりの 色な 眺め、 ふ. この 變れ 果て た顏、. ZW 分ながら. U 分と も 思 へ ないやう だ」 ミ いって、 a ひ 切った 想で、 蘆 刈 九 m 方:: 〇 立ち 舞 ふ— たち 振舞 ふ。 〇 隱れ所 は ある も G を— 人 の雜沓 する 中が 却って 身 を 隱し 易い との 意。 ほ槃經 に 「生レ 世 爲レ人 難, 値 レ佛生 レ信 難」。 平家 物 詰に 「人身 は 受け 難く、 佛敎に は 値 ひ 難 し」 〇 戒行 こそ 拙 けれ— 前世で 佛戒を 行 ふ ことが 足リ なか つた 爲に、 現世で 富貴の 家 に 生まれ 得な か つたので あ ると い ふ 意。 〇 荒磯 海の— かく こそ あら んを 荒磯に いひ かけ、 濱を 呼び 起した- 荒碟海 は璣際 の 波の 荒い 海。 〇 濱 5 e; 砂の— 數の 序詞。 古今 集讀 人知らず の 歌に 「荒磯 海の 濱の眞 砂と 賴め し は 忘る k 事の 數に ぞぁリ ける」 〇 數 ならぬ— 人並に 入らな 〇 あだなる 露の— 消え 易い 露の やうな 親み 難い もの を 賴リ にして との 意 〇 里に 雪の— 里に 行き を 雪 に い ひかけ た。 いや 前世ば かりで はない、 現在 今 の 世.. それで ゐ ながら この やうな つまらない 命、 草の 露の やう な 果敢な い, 命 を繁く ために、 一お" 刈 mR とな つたの だ。 何の 甲斐 もない ことに、 浦に 出たり 里 へ 行ったり して、 雪の 日 も 雨の n も 厭 はず に 働-い て 、 そして 袖 を: 濡らして 悲し い 思 ひ をして ゐ るの だ。 自分に は 誰も 11 情し て くれる 者がない。 他所 を 见れば• 賑やか なタ 煙が 立 つ て ゐ るが、. U 分 は い つ まて も 身 を 立てる ことが 出来ず、 賤 しい 身の 上で 過 し て 行か なければ ならない と は、 實に殘 念な こと だ。 …… 昔 はま さか この やうな 仕事 をしょう と は W わはなかった の C 力 ケリ〕 を 舞 ひ、 つ いて 次の 謠に 合せて 仕 科。 シテ 『立ち 舞 ふ 市の なかなかに か.. 、 どころ 地 『隱れ 所 は。 ある もの を シテサ -H げに 受け 難き 人界 を。 たまたま 受 くる 身 なり せ ば。 榮 華の 家に は 住み もせで。 前 の 世の 戒行 こ そ 拙 けれ。 今と て もな す 業 もな き 身の 行方。 「貸に 面白い 人た。 〇 えぞ 知らぬ —え 知らず。 知らない 〇 か リの命 I 假リを 刈りに 通 はせ て用ゐ た。 〇 足 数に— 市に 運ぶ 足 数と 魔の 数と を 兼ねた。 〇 お あし 添 へ て— お あし は 錢 のこと。 あしの 音 を 重ね て用ゐ た。 〇月 を も 運ぶ-: 蘆の 露に 月 の 光が. il シ テ 「さ ん 候 譬 へ ば 薄と もい ひ。 穂に 出で ぬれば 尾花と もい へ るが 如し もの な ところ ; ヮキ 『さて は 物の 名 も 所に より て變 るよ なう シテ 「なかなかの 事 こ の 蘆 を-伊勢 人は濱 荻と い ひ ヮキ 『難 皮、 ま シテ 『蘆と いふ 地 『むつ かしゃ。 難 波の 浦の よしあし も J 難 波の 浦の よしあし も。 賤 しき 海 士は えぞ. お あし 添へ て 召されよ やお あし 添へ て 召されよ C と 蘆を兩 手に 持ちて ニー 一一 足ヮキ S み y 露な が ら難 波の 蘆 を 外り 持 ち て と IS を拔 きて 蘆 を 刈る 形 をし。 ir で -〕 しほ ひる うち め や 暇 惜し、 夕 潮の 晝の內 に 召されよ や 晝の內 ん B 下 「はい、 譬 へば、 问 じ 草で 滞と いふ も の を、 穗が 出る と 33 花と いふ やうな もの. てす」 從者 「すると、 物の 名 も 所に よって 變 るの だね」 日 下 「さう です- この 蔗を 伊勢の 人 は演荻 と 申します し …… 」 從著 難 波の 人 は …… J 日 下 rs と 申します...... いや こんな 話 は 面 倒く さいこと だ。 よしだ か あしだか、 そ んな こと は、 私の やうな 賤 しい 漁夫に は 何も 分りません。 たに 私 ども は 渡世の 爲 に蘧を 刈つ てゐ るの で、 果敢な い 命 を いで 行く 爲に、 蘆 を 運んで 市に 出る ので すから、 その 手間 代と して 蔬の數 相 應の お金で、 買って 下さい。 露の つた ま、 難 波の 蘆 を 刈る の-て、 夜 は その 露に パ が 宿って, 月 を も 一所に 運ぶ ことと なる の です。 〇 仁德 大ね丄— 紀: 兀九 七三 年 御卽 位、 一 〇K 九 年 崩御。 〔 難 波,」 の曲參 照。 〇 大ぉ f?! u 「都-; 難 波? ci- 謂-一高 津 ゆ:: こと ある。 !;; 丄 おは 今の 大 阪 城の 透であった とい ふ。 に 召されよ と 蘆 を 扇 に 添へ て、 ヮキの 方へ 二三 足 進み、 くつろぎて 廣を後 見に 渡す。 【四】 、な つ. さ ら ば 何とて 御津の 濱と は 御 尋ね 候ぞ。 恭 くも 仁德 天皇:」 の 難 波の 浦 お ほ みや づ. 御津と 書 いて 御津の 濱とは 申すな り おら しろ い くむ- r- きょ - つら ヮキ 『げに 面白き 謂れ かな。

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【プロスピA】 横浜ベイスターズ 応援歌 パスワード

えむこ をち

アウアウカー Sa0d-SdlF [182. 251. 245. net! 本名はカンナカムイ。 悪戯好きでちょっぴり寂しがり屋のマイペース。 自分の力では元の世界に戻れず、小林さんちに居候することに。 電気が力の源で、尻尾の先をコンセントにさして充電する。 好奇心旺盛で食べることが大好きなので、 食べられそうなものをとりあえず口に運んでしまうことも。 詣ぇ遷ゆ素ぜ隷辱デ関ど孤ざら 夫さ脊襟恣ん殖。

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【小林さんちのメイドラゴン】カンナはマッチ売りのかわいい15

えむこ をち

人は理解できない事態に遭遇すると、慌てふためくモノと、冷静に思考を回し始めるモノの二通りに分かれる。 今現在の状況が理解出来ない。 穏やかに、己が愛したゲームの世界を去り行くはずであったのに、これではまるで茶番劇ではないか……見るモノによってはそう考えるのではなかろうか。 足元に縋りつく一人……いや、一体と言うべき存在を見下ろしながら、モモンガは混乱する頭をどうにか回そうとするも思考が追い付かない。 彼自身が手掛けたNPCであるパンドラズ・アクターが、ユグドラシルの終焉の時間が来た瞬間に叫び声を上げて彼の足元に縋りついたのだ。 AIにそんな機能はない。 自立して動くようにNPCは出来ていない。 ましてや……声を上げるなどという事などあり得るはずがないのだ。 しかし現実はどうだ。 彼の創り上げたNPCは、おいおいと声を上げて泣いている。 硬い石畳に落ちる滴はパンドラズ・アクターの種族からか、涙ではなく赤い赤い血の雫であった。 叫び声と泣き声以外に声を上げることはせず、唯々、パンドラズ・アクターは泣きじゃくるだけ。 いきなり動き出したNPCにどう接していいのか分からず、とりあえず、と彼が行ったのは現状の確認。 コンソール……出ない。 GMコールは……使えない……だと? やっと彼は自身を襲っている異常事態を理解する。 しかし彼自身に何かしら被害があるのなら大問題である。 一つ、一つと確認作業を行っていく。 運営との緊急連絡も、強制ログアウトも、居るはずのないギルドメンバーや交流のあったプレイヤーやゲーム内ログへの簡易チャット送信も……全てが効かなかった。 バグによる機能不全? それなら運営から何かしらのアクションがないわけがないし強制ログアウトさせることだってできるはずだ。 考えても答えなど出るはずがない。 彼はただの営業職のしがないサラリーマンで、平々凡々とした男でしかないのだから。 まずは情報を……そう考えたモモンガは、自分の脚に縋りつくNPCにゆっくりと語り掛けた。 「あー……パンドラズ・アクター?」 「……ぅっ……うぅ……モモンガさまぁ……私ならば……どこへなりとも……ついて行きますからぁ……世界が敵だ、というのなら……私も立ち向かいますからぁ……」 帰ってきたのは独りごとだけ。 ダメだ聞いちゃいねぇ、とモモンガはげんなりと肩を落とす。 そんな彼の何処か他人事な心の内など気づかずに、パンドラズ・アクターは喉を引くつかせたような声を紡いでいった。 「私の無力が原因だと、分かって、おります……至高の御方々の贋作で、しかない私では……貴方様の御心は、癒すに足りなかったのだと……至高の御方々が居なくなって……孤独な貴方様を癒せな、かった私に価値は……無い……存在する価値などないの、です……」 完全に自分の世界に入りきっているパンドラズ・アクターの懺悔を聞きながら、彼の心はジクリと痛む。 「お一人きりで宝物殿にいらして、私の道化を眺める瞳の寂しい光を……私が演じる道化に呆れて哀しく零される御心も……私は何一つ……打ち消すことが出来なかった……っ。 たっち・みー様のように貴方様の心を奮い立たせる存在になれたらよかった! ウルベルト様のように貴方様を焦がれさせる悪になれればよかった! ペロロンチーノ様のように貴方様の心に太陽の光のような明るい輝きを与えられたらよかった!」 次第に零される懺悔は叫びとなり。 まるで今までたった一人でギルドを維持して来た自分を見てきたかのような言葉は彼の胸を突き刺す。 その独白が真に迫る感情を発しているからこそ、モモンガの心に悲哀が沸き立つ。 「……私は……貴方様に何も、返せていないっ……創造して頂いた恩に……忠義を……感謝を……愛を……ち、父上に、なにもっ」 全くわけのわからない異常事態であるが、彼はこの短い時間で分かったことが一つだけあった。 じわりと心に暖かい灯がともった気がした。 孤独に過ごしてきた数年間の日々が、全く無駄ではなかったと、モモンガにはそう思えた。 誰かが見てくれていた、というのが……己の寂寥を理解してくれることが、彼にとってなにより暖かい。 運営のミスだろうと他のナニカであろうとどうでもよくなった。 もし運営がパンドラズ・アクターを操っていたのなら、などという野暮なことは考えない。 彼には自身の創造したNPCが生きているとしか思えなくなった。 優しく、穏やかな吐息を吐き出して、モモンガはパンドラズ・アクターの肩に手を置いた。 漸く上げた顔は、赤い雫でべちゃべちゃだった。 一種のホラー映画のようだが彼は気にしない。 「も……モモン、ガさま……?」 「泣くな、パンドラズ・アクター。 どうやら世界はまだ俺を此処にいさせてくれるらしい」 ぶわぁっとまた溢れだした赤い雫。 泣き声は嗚咽に変わる。 しかしその涙の意味は、悲哀から歓喜へと。 感極まって俯いて震えだしたパンドラズ・アクターの背中を優しく擦りながら、モモンガは愛しいNPCが落ち着く時を待つことにした。 赤い雫がまだ残る目元を気にせず帽子を整えて……ビシリと敬礼を一つ。 「し、しかし……」 「せっかく話が出来るんだからさ、もっとこう……楽しい話をしような?」 先ほどまでユグドラシルの終焉に沈んでいた気持ちなど霧散してしまった。 モモンガはただ、誰かと共に在れることが嬉しいのだ。 苦悩に震えているパンドラズ・アクターを微笑まし気に見つつ思考に潜る。 これが泡沫の夢であっても何であっても、彼にとっては今感じていることが全てなのだ。 「なにがいいかな……そうだ! せっかくお前が俺に話してくれるようになったんだから、お前の気持ちを色々と知りたいんだがいいか?」 「はっ。 モモンガ様が望まれるのならばなんなりと」 ビシリと大仰に敬礼を行う己のNPCを見やってうんうんと頷く。 「そうだな……宝物殿にこもりっきりだったお前に聞くのは酷かもしれないけど聞きたい。 お前は俺の仲間達の姿を全部知ってるわけだが……問おう、お前自身が一番カッコイイと思うギルドメンバーは誰かな?」 ニコニコと、と表情があればそう表されるような声で尋ねるモモンガは純粋な子供の如く。 モモンガにとってギルドメンバーとの思い出は宝物。 数年を孤独に、一人で過ごした彼は仲間との時間に飢えていた。 ただの話題程度でもいい。 唯々、モモンガは誰かと思い出を語らいたかった。 NPCが話すようになった、というのは彼にとって大きな変化ではあるが……モモンガの中ではNPCはNPC。 ギルドメンバーとは比べるべくもない。 モモンガは自分の変化に気づかない。 人間ならばきっと気遣い一つでもしてこんな話題を出さなかった。 しかし今の彼は……妄執を内に抱く異形であった。 パンドラズ・アクターの逡巡は一瞬。 空洞でしかない目がなぜかギラリと輝いて、大仰な身振り手振りで動き始めた。 モモンガはあっけにとられたまま骨の顎が外れんばかりに口を開けてソレを見ていた。 パンドラズ・アクターの身振り手振り、そして行動の全てを自分が考えたのだと思い出して、彼は羞恥に呑まれていた。 その時はカッコイイと思って創り上げたのだ。 誰にだってあることだ。 しかしモモンガにとって最悪なのは、その黒歴史が文字通りに動いて喋って存在していることだ。 先ほどまではパンドラズ・アクターが自分を想ってくれていることに心を温めていたがそれはそれ、これはこれである。 穴があったら入りたいとはまさにこのことであった。 ただ……モモンガはここで己に訪れた変化を知る。 すっと、心に溢れていた羞恥の心が急に消えていったのだ。 あれほど恥ずかしくてたまらなかったというのに、普通ならば30分ほど悶えてもおかしくない程の羞恥であるのに、だ。 今も目の前でパンドラズ・アクターが延々とモモンガの素晴らしさについて語っているが、それさえ冷めきった心で見つめてしまうほど。 何かがおかしい……モモンガは考える。 明らかにおかしい異常事態に、漸く思考を回し始めた。 なんだこれ? わけが分からない。 確認しないと…… 意を決した彼は、目の前で踊っているように見えるパンドラズ・アクターに厳しい目を向けた。 「お前の気持ちは受け取った。 それよりも聞きたいことが出来たんだ」 「は、なんなりと」 「GMコールが効かないしログアウトも出来ないんだが、お前にはその理由が分かるか?」 単純に、明快に。 モモンガはプレイヤーとしての疑問をぶつける。 「……モモンガ様。 NPCは言葉の意味さえ理解していない。 それもまた、モモンガにとっては貴重な情報である。 すっと、彼は己のNPCに手を伸ばす。 ピクリと僅かに動いたパンドラズ・アクターであったが、主のされるがままにするようで動く気配はない。 骨の指先がパンドラズ・アクターの肩に置かれる。 以外にがっしりとした肩から首へと白磁の指が動き出す。 ごくり、と彼のNPCが生唾を飲み込む音がやけに大きく響いた。 首筋に触れた指先、頸動脈のあたりでゆっくりと押し付けた。 その指に触れる感触と、その指に伝わる温度を知りそのまま、くい……とパンドラズ・アクターの顎を持ち上げる。 見られようによっては薔薇の花びらが舞い散りそうな絵柄ではあるが、モモンガの真剣な瞳を感じ取ったパンドラズ・アクターは何も言わない。 「……今のお前が発動しているスキルは?」 「モモンガ様の前でスキルを発動することなどありません。 この身、この命、この魂は全てモモンガ様のモノ。 主にスキルを放つなど、それすなわち万死に値すること」 パンドラズ・アクターの返答にモモンガの思考がまた深く色づく。 一つ顎に手を当てた。 「すまない……なら、お前は今、ダメージを受けているのだな?」 「モモンガ様に触れて頂けることは我が身にとって至極の悦び、この痛苦さえ、我が主が与えたもう愛なればなんのことやありましょう」 モモンガのスキルにはネガティブタッチという触れているだけで継続ダメージを与えるスキルがある。 そして俺の口が……動いてる。 これはやはり…… 一つ、また一つと仮設を立てていくしかない。 恐ろしさを感じたのか、はたまた他のナニカの大きな感情を抱いたのか、モモンガの身体が薄く光った。 ゆるりと指を外し、モモンガはパンドラズ・アクターに背を向けた。 「……パンドラズ・アクター。 お前は先ほど俺が語った最後の言葉を覚えているか?」 息を呑む音。 衣擦れの音がやけに大きく聞こえた気がした。 モモンガは知らぬふりで反応を待つだけ。 返されることばはなく、悲哀の空気が背中に突き刺さる。 「世界が終わり……世界からモモンガ様が拒まれる、と」 「そうだ。 ユグドラシルが終わり、俺は世界から弾き出される。 これは確定事項だ。 終わらないコンテンツは有りえない。 残酷なまでの事実確認はパンドラズ・アクターを絶望の底に突き落とす。 ただし、モモンガにとっては違う。 思考を巡らせた結果、浮かんだ可能性を彼は希望を込めて考えていた。 「しかし、だ。 俺はこうしてお前と共にいる。 ほんの数十分前に終わるはずだった世界は終わらず、こうして世界は続いている。 これはなぜか?」 パンドラズ・アクターの設定は頭脳明晰。 ナザリックでも最上位の頭脳の持ち主という設定だ。 早々にモモンガの言に含まれた意味を読み解こうとし始めた。 空気が変わったことに安堵したモモンガは振り返り、穏やかな空気を出して続ける。 それをお前は感じることが出来たか?」 「……不甲斐なく」 「いい、よいのだ、パンドラズ・アクター。 これは仕方のないこと。 何も、お前が気にすることはないとも」 優しく語り掛ける彼はまるで父のように。 落ち込む息子のことを励ますように。 だからこそ、確かめる必要がある。 それも早急に、迅速に、確実に。 まずは…… 「とりあえず、此処を出ようか。 玉座の間に守護者達を集め、あらゆる情報を集めよう。 何よりも情報こそが大切なのだから」 見上げてくるパンドラズ・アクターの視線を受けながら、彼はパンドラズ・アクターの肩に触れる。 リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを発動すればギルド内であればどこへでも行ける。 何度も、何度も念じたが、二人で転移すること叶わず。 「い、如何なさいましたか?」 主の焦りを感じ取ったのだろう。 掛けられる声にも若干の焦りが見えた。 「……リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンが……使えん」 「なんとっ」 勢いよくモモンガが差し出した指を見つめるパンドラズ・アクターは、はめられた指輪に二つの大きな漆黒を向ける。 其処には、昔からの輝きはなく、鈍い金属的な輝きしか移さない指輪だけがあるのだった。 パンドラズ・アクターがどれだけ趣向を凝らしても転移機能を使うことは出来なかった。 そしてもう一つ、モモンガは試したことがある。 目にした場所ならどこへでも行けるという魔法なのだが……なぜか発動することは無かった。 他の魔法を使えるか試してからであったので、魔法が使えるというのは分かっていた。 ナザリックの宝物殿は隔離された別空間にある。 リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンがなければ来れないからこそ、絶対の守備を誇っていたのだ。 内側から転移出来ない即ち空間に取り残された、ということである。 どうすることもできない。 本当の意味で閉じ込められたモモンガには、もはや打つ手なしであった。 「クソ……せっかく、せっかくなのに!」 パンドラズ・アクターと話せたということは他のNPCとも話せる可能性があるのだ。 他のNPCは、いわば他のギルドメンバーの子供の等しい。 もはやギルドメンバーに会えない彼は、いつ世界から弾き出されるか分からないからこそ、せめてそのNPC達と触れ合っておきたかったのだ。 壁に手を打ち付けて落ち込むモモンガを見て、パンドラズ・アクターもまた落ち込む。 主の役に立つことが出来ない。 主が望んでいることがあるのに手助け出来ない。 主と語ることなど出来なかったはずが、語ることを許された。 悲哀の底に居た主が浮かべてくれた穏やかな笑みをまた消してしまうのかと、彼の心は掻き乱される。 何もできない無能な贋作。 何も返せない無能な被造物。 己に価値などやはりないのだと、パンドラズ・アクターはまた涙が零れそうになる。 しかしなんら解決策は浮かんでこない。 せめて、と彼は提案を一つ。 「も、モモンガ様。 もしかしたら……宝物殿の内部にも何か異常があるやもしれません。 これはナザリック未曾有の事態でございましょう。 故にこの宝物殿も調べなければならないかと」 言いながら、彼はそうだと思った。 異常事態にモモンガを一人にすることなど出来ない。 だがせめて何かは行動を起こすべき。 「まずは出来ることから、だよな? 敵がいてもここだと二人だけで、転移も使えないとなると逃げることさえ出来ない。 蘇生アイテム、復活アイテムを出来る限り持ちつつ探索すべき、そうだろう?」 「はい。 まずはこの宝物殿に異常がないかを確かめ、その上で此処を脱出する方法を考えるべきかと」 「うむ」 モモンガの赤い目が喜びに輝く。 続けて誇らしげな色さえ含む声で、モモンガはパンドラズ・アクターの思いもよらない言葉を口にした。 「さすがはパンドラズ・アクター。 俺の自慢のNPCだ」 瞬間、パンドラズ・アクターの胸にズクリと大きな感情が高鳴った。 歓喜と端的に表現していいモノではない。 心の奥底から震えあがるような悦びの感情。 神からの啓示を受けた子羊の如く、パンドラズ・アクターは震えを押さえつけず、されども静かに頭を垂れた。 「身に余る光栄……」 「ふふ、そこまで畏まらなくてもいいだろう? 俺とお前はいわば運命共同体。 共にこの異常事態を打破し、楽しい時間を手に入れようじゃないか」 期待、と言っていい。 モモンガはパンドラズ・アクターに期待しているのだ。 パンドラズ・アクターは主が何に期待しているのか、その聡明な頭脳で瞬時に読み取る。 不出来で未熟な私にさえ期待を向けてしまう程に……。 モモンガ様が求めているのはあくまで至高の御方々なのだ。 心の中だけで行う瞑目は、唯々、主の心を慮って。 動け、動けと願っても動かなかった自らの身体が動いたあの時、パンドラズ・アクターは主の本心を聞いてしまったのだ。 寂しさに慟哭を上げる子供のような、哀しい主の姿を。 故にパンドラズ・アクターは間違えない。 求められているのは自分ではないのだと。 そこに一筋の痛みを感じようとも、彼は被造物であるという事に誇りを持って応えるのみ。 己が全うすべき使命がなんであるかを理解して。

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